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乙女な神官戦士と魔法学院教授の異世界法医学ファイル~ボク、スパダリでハーフエルフの先生と一緒に完全犯罪は見逃さないの!~  作者: GOM
第2部 第2章 フィンとミアはずっと一緒に。

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第22話(累計 93話) 最終決戦2:ミア、動甲冑(パワードスーツ)と戦う!

「おらー! ふっとんじゃぇぇぇ!」


 特撮怪人風に変化していくエドモンドを無視し、秘密結社『天界の(セレスティアル・)守護者(ドミニオンズ)』幹部なる青年にロッドで切りかかるミア。


「へぇ。鋭い攻撃だけど、まだ甘い」


 しかし、ひらりと細身の身体を翻しロッドの一撃を回避する青年、カレエル。

 懐から異界の自動拳銃を出し、ミアに銃口を向けた。


「科学の力で神経伝達速度を強化されたワレに、オマエの攻撃なぞ通じぬ!」


「きゃん! 銃は禁止だよぉ」


 カルエルはパンパンと拳銃を撃つが、ミアは必死に銃弾を避ける。


「この距離で銃弾を避けるか、バケモノめ! だが、近づけまい。では、皆よ、さらばだ!」


 しかしミアも拳銃から意識を外せず、その隙にカレエルは距離を取って壁の中にあった隠し扉から、部屋の外に逃げていった。


「くそー、逃げちゃった。早く追いかけなきゃ! せんせー、先に行くね」


「ミアくん。うかつに隠し通路に飛び込んではダメだ!」


 隠し扉の前で壁際により、そっと先を覗いて確認したミア。

 走る足音が遠ざかっていくのを聞き、フィンの制止も聞かずに真っ暗な通路の中に飛び込んでいった。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 ……せんせーに銃の形を聞いて無きゃ危なかったの。異世界の銃は撃つ前に硝煙の匂いが全然しないから、隠し持っていたら危ないなー。


 ミアは、真っ暗な隠し通路を警戒しつつ前に進む。

 遠くから走る足音は聞こえてくるが、立ち止まる気配は無い。


 ……確か通路は真ん中を進んで、角に行ったらそっと向こう側を覗き込むんだったっけ? せんせーに銃との戦い方を教えてもらったんだ―。ここってお貴族様用避難通路だから、多分罠とか無いよね? この壁、コロシアムの壁みたいに滑らかな石ローマン・コンクリートっぽいの。


 ミアは、フィンに以前教えてもらったCQC(近接戦闘)手法を使い、ミカエラを追いかける。

 一応、罠とかが無いか、足元や天井、壁にも注意しつつ。


 ……せんせー、大丈夫かなぁ。お姉さまやセバスさんがいるから、あんな変なのには負けないよね。でも、親玉を捕まえないと事件は終わらないし。ん、前が明るいの。あそこにいるのかな?


 音を殆ど立てずに暗い通路を一人早足で進むミア。

 ミカエラの足音は、先程から聞こえなくなった。

 その代わり、ブゥンブゥンというミアが今まで聞いたことがない音が灯りの向こう側から聞こえてきた。


「よくぞ、ワレをここまで追い詰めた、小娘よ。この部屋に入ってくるが良い。罠なぞ仕掛けてはおらぬ。オマエごとき、罠や銃を使わずとも容易に捻り潰してやろうぞ!」


 そして何回か曲がり角を通った先、明かりが見える部屋からカレエルの声が聞こえてきた。


「じゃあ、おじゃましますぅ。やっと観念したのかな? あれ? なに、その鎧? ゴーレムなの?」


 継ぎ目のない石(コンクリート)作りの部屋に飛び込んだミア。

 天井には魔法灯でも蝋燭でもない不思議な(LED)照明があって、部屋全体を明るく照らしている。


 ……すっごく大きくて天井が高い部屋なの! こんなのをどーやって作ったのかな?


 天井まで、ミアの身長の三倍(六メートル)以上。

 左右もミアが身体強化モードで全力ジャンプ(十メートル)しても届かないほど、広い。


 ミアは、そんな部屋のど真ん中。

 目の前に立つ、歪な形の鎧を見て首を傾げた。

 それは大小四本の腕を持ち、鬼神の面を持つ三メートル程の巨人だった。


「ふはは! これはゴーレムのような下品な人形などではない! 第二異界、機械技術の粋! マスタースレーブ方式の動甲冑(パワードスーツ)よ、小娘。本来であれば、ガトリングガンでオマエなどミンチにしてやるが、お前に流れる古代銀河文明人の遺伝子をワレらはなんとしても欲しい。生かしたまま捕まえてやるから安心しろ。まあ、手足の一本は覚悟するがよい!」


 機械の鎧を纏ったカレエルが機械の腕。

 四本あるうち、肩から伸びる大きな右腕の手首から赤熱化した剣(ヒート・ソード)を出した。

 そして腹から生えている小さな右腕を振ると、同じ動きでミアに向かって振り降ろされた。


「あっぶなーい。じゃあ、こーだー! <気力(フォース・)(ブラスト)>」


 転げ受け身をしながら、振り下ろされる熱剣をヒラリと避けたミア。

 スタっと膝立ちをして、気力砲を動甲冑に叩き込んだ。


「ふん! 魔法など、この機体には効かぬ。魔法は所詮、精神による空間事象改変よ。なれば、周囲の事象を元に戻せば良いだけだぁ!」


 しかし、鎧の表面でパチンと魔法衝撃波は立ち消えた。


「むむぅ。それってインチキじゃないかぁ!」


「フアッハハハ! インチキではない。これぞ、ワレら『天界の(セレスティアル・)守護者(ドミニオンズ)』の科学力よ。小娘、ワレらの前にひれ伏すが良い。さすれば、丁重に身柄を扱ってやろう。何なら異世界転生人(フィン)ともども、ワレらの構成員とならぬか?」


 戦闘中ながらも、ほっぺたを膨らませて文句を言うミア。

 そんな様子に高笑いをし、余裕あるのかミアとフィンを仲間に誘うカレエルであった。


「ぜーったい、ヤだもん。ボク、悪い人の仲間になんてならないよ。おにーさんは、沢山の世界で悪い事していっぱいの人を泣かしているんでしょ。ボクの願いは皆の笑顔。それをジャマするおにーさんは、ボクがここで止めるんだ!」


 カレエルは戦闘慣れをしていないのか、もしくは動甲冑に慣れていないのか。

 どうしてもおおざっぱな攻撃になるのを、ミアは避けながら舌戦を挑む。


 ミアにとって皆を不幸にして利益を生む結社は、絶対に許せない存在。

 なんとしても、カルエルを捕まえる方法を考えながら、隙を伺う。


「話す事は実に御立派だな、ミア姫よ。だがな、世界はそんなに甘くない。金と武力が無ければ、幸せになぞなれはしない。誰かを泣かした分、誰かが笑うのだ! それにワレを止めるとは言うが、そんな棒きれでどうやってライフル弾をも弾く動甲冑(パワードスーツ)を止めるのだ?」


 しかし、もはや勝ったつもりのカレエルは、ミアの言葉を否定しながら更に馬鹿にする。

 どうやっても自分を倒せる筈は無いと。


「今にせんせーが助けに来てくれて、おにーさんを倒す方法をみつけてくれるもん!」


 ミアは、愛するフィンの事を思いながら戦う。

 共に皆を幸せにするために!

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