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乙女な神官戦士と魔法学院教授の異世界法医学ファイル~ボク、スパダリでハーフエルフの先生と一緒に完全犯罪は見逃さないの!~  作者: GOM
第2部 第2章 フィンとミアはずっと一緒に。

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第12話(累計 83話) 罠を仕掛ける賢王。

「ミアくん、すまない。例の作戦だが、話は少々ややこしくなった。しかし、これは王命。我々は命令通りに動くしかないのだ」


 ミアが狙撃された日から数日後。

 神殿からミアが出られない間に、どんどん話が進む。

 暇そうにしていたミアだが、フィンと共にマリーが神殿に訪れ、驚愕の話を持ち込んできた。


「えー! ボクがお城で王様と一緒にバルコニーでお披露目してお話するのぉぉ!? 確か、ボクが囮になるって作戦だったよね?」」


「王様がノリノリで決めちゃったんですのよ。ですから、ミアちゃんは覚悟してね。台詞とか衣装はアタクシで準備しますから」


「しかし、陛下も無茶しすぎです。ミアくんの証言で敵は空中ドローンから偵察していたことが分かったとはいえ、態々敵が狙撃してくる『餌』にご自分もなられるというのですから」


 うんざり顔のフィン。

 王によって自分の作戦をすっかり斜め上に発展改良されてしまったので、呆れるしかない。


「『賢王』だの『鉄壁王』だの評価なされてますが、実際は脳筋なんですよ、陛下。それに、ミアちゃんの事を随分とお気に入りになられたようで、今回はミアちゃんのお披露目も兼ねたいとおっしゃられていますわ」


「ボク、どーしよおー。狙撃されるより、お披露目の方が怖いよぉぉ!」


 神殿内に乙女の叫び声が大きく響いた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 小数の側仕えと護衛以外は誰もいない小謁見室。

 そこで、フィンとマリーは王、賢王アルベリク四世に事件報告をしている。


「……ということで、今回の事件は王の命を狙った爆破テロと推定できます。以上、科学捜査から分かった事実でございます」


「うむ。分かった、教授。で、犯人は……毎度ながらアヤツかな、宮中伯よ」


「おそらくですわ、陛下」


 マリーやフィンから爆発事件の詳細説明を受けた彼は、犯人であろうグラニス侯爵エドモンド・デ・マルゴワールの思惑を外すべく、自分から行動を開始すると言い出したのだ


「ぐぬぬ。グラニス侯爵は、これまでも数々の謀略を駆使して国家転覆を狙っておった。背後に『結社』とやらがおるにしても、王国上級貴族が余の命を狙い国盗りとは許せん! 余が直々に侯爵領へ攻め入ろうぞ!」


「陛下、落ち着いて下さいませ! まだ、侯爵様が犯人であるという物的証拠はございません。ここで迂闊に侯爵領に攻めに行かれますと国家内乱の元。公爵様の思惑通りになってしまいますわ。おそらくですが、彼は王国の簒奪を狙っていますので、内乱を利用してきます」


 すっかりノリノリで軍を動かそうとする王を前に、マリーは必死に行動を(いさ)める。

 侯爵の狙いは、国内を乱し隙を付いて王国を簒奪する事と推定される。

 なれば、王自ら国内に不穏を広げるのは下策。

 そう、マリーは王に説明した。


「ふむ。確かに宮中伯の言い分にも一理ある。だが、狙撃手や爆弾に怯えて王宮にずっと立てこもっていては、王としての威厳の問題にもなりかねん。また、侯爵に勝手に動かれるのも癪だ。二人とも何か策はあるかな?」


「でしたら、陛下。こういうのは如何でしょうか? ミアくんが少々危険にはなりますが、狙撃手は釣れます」


 フィンは、自分のアイデアを王に語る。

 ミアを餌にして狙撃手を待つと。

 もちろんミアには相談済み。

「せんせーが一緒なら怖くない。ぜーったい守ってくれるもん。これで犯人を捕まえちゃおー」

 と、快諾してくれている。


 ミアが民衆の前に出る場所を厳選したうえであらかじめ公開し、敵の狙撃方向と位置を限定させる。

 その上で、狙撃場所に待ち構えていた兵士らで狙撃手を確保するという作戦だ。


 だがフィンのアイデアを聞いた王は、とんでもない事を言い出した。


「では、ミア嬢のお披露目式を事故の慰安復興祭と兼ねて王宮にて行おうではないか。その場に余も居れば、確実に的になるぞ?」


「陛下! ミアくんは事前に自分が的になる事を納得していますし、自らの身を守る方法も充分あります。ですが、陛下までターゲットになる必要はないのですよ。もしや、群衆の中に敵が紛れ込み、爆弾を陛下に投げつける可能性も……」


「それは、ミア嬢も同じ。王宮のバルコニーから前庭に集めた市民らに挨拶するのであれば、手投げ弾は届きはすまい。また、開けた方向はバルコニーから南の方角のみ。教授が宣う、限定された方角からのみの攻撃になるぞ」


 自分を餌にしてのおびき寄せ。

 確かに王とミアが同じ場所に現れるのなら襲うのは楽。

 同時に消してしまう事は、侯爵の思惑にも合うだろう。


「ですが、危険過ぎます。敵が『ドローン』を攻撃方法に使う場合もあり得ます。魔法による不可視な『攻撃ドローン』が空中から攻撃してくる。もしくは誘導型の『巡航ミサイル』、『榴弾砲』による遠距離砲撃も……」


「教授が何を言いたいのか、今一つ分からんが。考えてもしょうがあるまい。遠距離から爆弾を送りつける方法を言っているのだろう、教授」


「はい、そうです。そうなれば、防ぐ方法はほとんど存在せず……。ミアくんだけなら、コストパフォーマンスも考えて狙撃だけでしょうが、王と一緒となら、どのような手を使うか……」


 心配性のフィンは、敵がどのような攻撃をしてくるか。

 なまじ前世知識がある分、こちらの世界で装丁できない攻撃方法が頭をよぎる。

 ミアだけを殺すのなら、貴重かつ脚が付きやすい攻撃手段を使う事はまずない。

 しかし、王も殺せるというのなら、前回の爆弾同様。

 敵が手段を選ばない可能性が充分考えられる。


「なれば、今。城を遠距離から攻撃すれば済む話ではないか? 基本、余は城から離れられぬ。教授の語る兵器の中には、城を王都ごと吹き飛ばす様なものあるのだろう?」


「……はい。一発、300キログラム。馬車に詰め込めるサイズの核爆弾で『TNT(トリニトロトルエン)』換算16キロトン。爆発すれば、王都全域は完全に焼き払われ、爆風で薙ぎ払われ、更には死の毒(放射能)で汚染されます」


 フィンは王に問われ、前世世界の母国、地方都市(ヒロシマ)に落とされた爆弾(ファットマン)の被害について苦悩の顔で語る。

 初期では核爆弾は数トンを越えるモノだったが、後半になれば砲弾として運用できるものが開発され、それはフィンが語る様に馬車に詰めるサイズ(280ミリ核砲弾)になる。


「そ、それは凄まじいのぉ。なれば、敵が、そのような確実なる方法を使わないのは何故か? 王都を焼き払い、人が住めない土地を増やすのは、支配者は望みはすまい。戦争も、ようは政治の一形態。人材や資源、食料を求めて戦は起きる。それらを全て失う事は、よほど追い詰められぬ限り敵も行わぬ。まあ、城を壊すくらいは先日の爆弾でも考えられるだろうが」


「……確かに、陛下のおっしゃるとおりです。先日の爆弾も推定TNT換算で500キログラム程度。城を半壊させるには充分でしたが」


 核兵器のあまりな威力に王は驚くが、それならばどうして核を使わないかとフィンに説く。

 ただ王とミアを殺すのなら、狙撃という不確定な方法をとる必要はない。

 王都ごと核で焼き払えば済む話だ


「なれば、敵はどういう行動をとるか。教授であれば分かる事もあるであろう。詳細は教授と宮中伯に任せる。余を楽しませる作戦を頼むぞ」


 王は笑みを浮かべ、無理難題をフィンとマリーに押し付けた。

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― 新着の感想 ―
デイジーカッター(気化燃料爆弾)も広範囲に爆殺できる兵器だけどねぇ。 この世界には揮発油ってありましたっけ? 狙撃も神風ドローンとかいうもありますし。 次元世界を破壊できるほどに高度な文明を持つ黒…
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