表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女な神官戦士と魔法学院教授の異世界法医学ファイル~ボク、スパダリでハーフエルフの先生と一緒に完全犯罪は見逃さないの!~  作者: GOM
第3章 王国内乱、ミアを襲う過去の怨念。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/100

第3話(累計 第25話) 突然の訪問者、マリー。

「さ、先程は誠に申し訳なく、とんでもないものをお嬢様にお見せしてしまい……」


「別に構わないですわ、フィンエル・シンダール教授。ア・ナ・タ・が誰と乳繰り合っていようとも、アタクシには無関係ですもの。ふん!」


 フィンに入れてもらった茶を呑みながら、何処か二人を睨む淑女。

 特にミアを警戒するような視線で射貫く。

 背後に連れた初老の男性従者共々、研究室には似合わない高貴な人々である。


 ……どーして、この()。ボクをじっと見るんだろう? 先生に用事があって、ここに来たはずなのに?


 ミアは、自分より少し年上に見える美人な淑女が、平民で小娘な自分に厳しめな視線を向けてくるのを不思議に思う。


「それで、レディ・ベルエ宮中伯様。今回は何の御用で、こちらに来て下されたのですか?」


「せんせー。このお嬢様の事をご存じなのですか?」


「あら、この子はアタクシの事も知らないのね。アタクシは、ベルエ宮中伯が長女、レディ・マルグレット・デ・モントレーヌですわ。マリーと呼んでくださっても良いのですよ、お子ちゃま。オホホ!」


 マリーは、オホホと大きな扇で口元を隠しながら高笑いをする。

 その如何にもイジワル悪役令嬢な様子にフィンはため息をつき、ミアは驚く。


「マリー様!! ボクみたいな平民で年下な子にご丁寧なご挨拶、ありがとうございます! ボク、マリー様みたいな綺麗で立派な大人の女性になりたいんですぅ。そうじゃないと、先生のお嫁さんに相応しくないなって思う事もあって……」


 ミアには嫌味が混じったマリーの挨拶が分からず、素直に受け取り感謝すら向ける。


「ミアくん。いきなり愛称呼びは不味いよ。レディ、申し訳ありませんが、この子は馬鹿正直で考え無しなです。不敬ではありますが、あまり揶揄(からか)わないようにしてくださいませ」


「あら、まあ! びっくりですわ。貴方、随分素直で可愛いらしい子なのね、ミアちゃん。お子ちゃま扱いをしてしまい、ごめんなさい。アタクシ、とある事情で貴方の事を少々警戒してましたの。ホント、あの人に聞いた通りでしたが、まさかこんなに心がきれいで可愛いらしい娘さんだとは思っていませんでしたの。まったく教授には勿体ないくらいですわね」


 先程まで冷たい目線でミアを見ていたマリー。

 嫌味を言ったはずのミアが自分に対し満面の笑みで挨拶を返すと、驚いた後に柔らかい表情になる。

 そして、今度はフィンに対して冷たい視線で射抜いた。


「マリー様、ありがとうございますぅ。あれ? ごめんなさい。ボク、いえ。わたしは名乗っていませんのに、どうしてわたしの事をご存じなのですか? 本来、わたしから名乗るべきでしたのに……」


「ミア・フォンブリューヌちゃん。十六歳だからアタクシよりも三つ歳下ね。王都でも大人気なパン屋さんの自慢な一人娘。王都警察に就職して二年目の新米婦人警官。今は王都の市場付近の警ら活動と緊急展開機動隊の仕事をしている。最近は恩師であるフィンエル教授の元に入り浸りで、幾つもの難事件を解決……でしたわよね」


「はい、そーです! どうして、お貴族様なマリー様が、わたし如きの事をここまで詳しく調べたのですか?」


 すらすらとミアの経歴を話すマリー。

 隠してはいないものの、このところの活動まで知られている事に驚くミアだった。


「そこは気にしないで良いわ。ある人物とミアちゃんの関係を調べていただけですから。それとね、アタクシと話す際は一人称はボクでいいですわよ? とっても可愛いですし。アタクシ、市井の女の子の事を少々知りたかったのもありますから、色々教えてくださいね」


「そうなんですか、マリー様ぁ。ボク、貴方様のファンになっちゃいます。お姉さまぁとお呼びしても良いでしょうか?」


「ええ、周囲に余人がいない場所でなら良いですわ。うふふ、本当に楽しくて可愛い子」


 ミアとマリーが笑いながら雑談を話し込む。

 その様子に、フィンとマリーの背後にたつ老執事は顔を見合わせて、お互いにため息をついた。


「フィンエル様。貴方さまが家から……」

「それは、もう言わないでください。既に終わった事なので……」


 フィンの呟きはミアの耳には入らなかった。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「で、マリーお姉さまは、どうして先生のところに来られたのですか?」


「それはね、ミアちゃんとも関係がある話なの。教授、貴方に次期ベルエ宮中伯として司法解剖の依頼をお願いに参りましたわ」


 しばらくマリーとのガールズ・トークを楽しんでいたミア。

 本来、貴族令嬢のマリーがフィンの研究室、法医学に関する場所に来るはずもないのに来た要件を聞き出す。


「宮中伯名義という事は、宮中で毒殺でもあったのですか、レディ?」


「せんせー。さっきからマリーおねー様の事をレディとか宮中伯ってお呼びしていますが、それはどんな役職なんですか? 普通の伯爵様とどう違うの?」


「そこはアタクシからミアちゃんに説明致しますわ。『誰かさん』は教育も満足に出来ないのかしら? さて、宮中伯とは文字通り宮中。領地を持たずに城内での用務・雑務を管理する伯爵位の事を言うの。アタクシ『たち』の父、リシャールがその任を先日まで行っていましたが、高齢につき最近は寝込んでいます。アタクシには不甲斐ない『兄』が居ましたが、今は家から勝手に逃げ出して音信不通。ですので、アタクシが若輩、かつ女の身ながら父の仕事を引き継いでいますのよ」


 ……どーして、マリーお姉さまは話途中で先生の事を睨むんだろうねぇ? それに妙に先生と親しそうなの? あれ、どうしてボク。お姉さまの事が気になるんだろう? 何か胸が痛むの。


 ミアは、マリーの様子を不思議に思いながらも彼女の話を聞いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ