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乙女な神官戦士と魔法学院教授の異世界法医学ファイル~ボク、スパダリでハーフエルフの先生と一緒に完全犯罪は見逃さないの!~  作者: GOM
第2章 異世界でも年金偽装は発生する。

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第8話(累計 第15話) ミア、クロエを説得する。

「クロエちゃん。今日は貴方に話す事があるの。聞いてくれる?」


「いい加減、ミアちゃんはしつこいよ。アタシなんてどうなってもいいんだから。先生も大変ですね。ミアちゃんに引きずられて、こんなところにまで来ちゃって」


「いやいや、クロエくん。ミアくんに引っ張られるのは毎日が楽しいよ。いつも元気で裏表なし。目標目指してまっしぐらだからね。さて、今日はキミに話すべきことがある。詳細はミアくんから話してもらおう」


「えー。またボクの仕事なの? 先生が一緒だからてっきり先生が説明してくれると思ったんだけど?」


 今日も警察署の取調室に向かったミアとフィン。

 毎日のように来るので、クロエも半分うんざり顔をしている。


「二人ともいちゃつくのなら、アタシの前でやるのは辞めてくれないかしら? 独り身で可哀そうなアタシに見せつけてるの?」


「え、クロエちゃん。ボクと先生が付き合っている様に見えるの? やったー、先生。ボク、大人の女、カノジョに見てもらえたよ」


「それは違うと思うぞ、ミアくん。はぁ。これでは、ミアくんが大人になるのはまだまだ未来の話だ。かといって、クロエくん。逆にキミは無理に大人にならなくてもいいんだよ。自分だけで問題を抱え込む必要はない。頼りになる大人、神殿長や騎士団長、そしてミアくんのような友人に相談していたら良かったんだ」


 フィンは恋に浮かれているミアを(たしな)めつつ、クロエにも意見を言う。

 もっと早く誰かに相談をしていれば大きな事件にならなかったと。


「……先生。だったら、どうして今頃になって助けに来てくれたの」


「ごめんね、クロエくん。私がキミの悲劇に気が付いたのは、つい最近。事件発覚後だった。でも、まだ遅すぎでは無い。お父様、モイーズさんがキミを助けてくれと私に訴えてくれたんだ」


 涙をこぼし、後悔と救援の言葉をやっとフィンやミアに放ったクロエ。

 その彼女に対し、フィンは父親がクロエの事を助けたがっていたと話す。


「え!? お父さんは死んでいるのに、どうやって先生にアタシの事を頼んだの?」


「そこはね、遺体は『語る』んだ。先生とボクがモイーズさんの遺体と『語り』合って、真相を明らかにしたんだ。えっへん! だからね、クロエちゃん。もう無理してお兄さんを庇わなくてもいいんだよ?」


 クロエの疑問に、ミアはフィンから教えてもらった言葉で返す。

 そして悲しむクロエの顔を、己のささやかな胸で抱きしめた。


「……ミアちゃん。アタシ、アタシ……」


「クロエくん。キミには悲しくて厳しい話にはなるが、おそらくお父様はお兄さんに殺されている。だからキミがこれ以上、彼を庇う必要はないよ」


「え! う、嘘。お兄ちゃんは、お父さんが急に病気で亡くなったから、しばらく隠してお店が落ち着くまで時間稼ぎをしたいって話だったのに!?」


「それは違う。お父様、モイーズさんは『一酸化炭素』、空気の中の毒で亡くなっているんだ。その話なら、事故は考えにくい。残念ながらおそらく鍛冶場の空気を使っての殺人の可能性が高いな」


 フィンは、解剖で分かった事実。

 モイーズは一酸化炭素中毒で死んだ、おそらくは意図的に殺されたということをクロエに語った。


「う、うわわぁぁぁ!」


「クロエちゃん。今は泣いても良いの。ね、もう大丈夫だよ。ボクと先生がずっと一緒だから」


 ミアは自分も泣きながら、泣き叫ぶクロエをずっと優しく抱きしめていた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「先程は乱れてしまい、申し訳ありませんでした。ええ、もう全てをお話します。ミアちゃん、ごめんなさい。そして、今までありがとう」


「いーの! ボクは全然気にしていないからね、クロエちゃん」


 ようやく落ち着いたクロエ。

 幼馴染の立ち直った様子を見て、ミアは満面の笑みだ。


「では、これから色々と事件について聞いていくけれど、良いかな。クロエくん。ミアくんも良いよね」


「はい、先生」

「うん! せんせー!」


 本来であればミアが尋問をするはずなのだが、内容が法医学に係る事なので、フィンが尋問の流れを作る事にした。


「では、確認だ。クロエくんのお父さんが亡くなったのは夏の初めくらい、大体三カ月くらい前かな?」


「え! そ、その通りです。保存魔法(プリザベーション)で遺体の状態は変わらないから、いつ亡くなったのか。普通分からないはずですけど?」


「そこが先生の凄いところなの。えっへん! 遺体は『語る』んだ」


 ……ボクも先生から説明を聞いてびっくりしたもん。ボクも生鮮食料品に保存魔法を使うけど、上手く使えば数カ月前の生ものを美味しく食べられるし、何年もご遺体を蘇生可能な状態で保存できるの。まあ、魂が遺体から離れない様にする魂固定の魔法(ソウル・スティッチ)も別に掛けるんだけど。


 フィンが死亡時期をいきなり言い当てたので、クロエは驚く。

 ミアは、フィンが見つけた事をまるで自分が見つけたかのようにドヤ顔でクロエに話しかけた。


「クロエちゃんには少し可哀そうな話をするんだけど、お父さんを解剖したときに胃の中を見せてもらったんだ。すると、最後に食べたものが保存魔法の影響もあって、まだ残っていたの。そこにはね、夏にしか取れない野菜、サーマルリーフの葉があったんだ」


「あ! お父さんはサーマルリーフのスープが大好きだったんです。ええ、サーマルリーフが取れる時期くらいに、アタシは兄から話したい事があるって家に呼ばれたんです」

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