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精霊世界のINJECTION  作者: 如月誠
第三章 アンダーグラウンド
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 現代社会の礎を築いた功労者の死は、人々に衝撃を与えた。

 連日、ニュース番組はこの話題で持ちきり。織笠の通う大学には雑誌記者や報道関係者で溢れかえった。

 大学側は爆発の原因が判明するまでコメントは控え、余計な情報を漏らさぬようプライバシー保護という名目のもと、臨時休校の措置をとった。その穴埋めに、冬の長期休暇を削ることで帳尻を合わせるらしい。


 織笠は、自宅のテレビでそのニュースをボケッと見つめていた。とある一局の番組では、若者がインタビューを受けていた。恐らくは近所に住む学生だろう。近くを通りかかったところで捕まったようだ。顔をボカされ声も変えられているが、困惑は明らかで、しどろもどろに記者の質問に答えている。

 こういうときの記者たちはまるで草食動物を追い回す肉食獣のしつこさがある。なりふり構わない彼らに不愉快な気分になった織笠はテレビを切った。


「ふぅ……」


 リモコンを置いて、左に目をやると、モエナがベッドの中央で呑気に欠伸をしていた。

 まだ飼い出して月日は浅いのだが、今や織笠のベッドは彼女の陣地となっていた。寝心地が余程気に入っているようで、昼夜問わずあまりそこから動かない。織笠がそこに乗ろうものなら、「何よ」と睨まれてしまう。なので就寝の際には、いつもお伺いをたてるという、不思議な関係になっていた。

 これではどちらが飼い主か分からないな、と織笠は苦笑いする。暇だからベッドに横になりたいが、姫のご機嫌を損ねたくない。

 仕方ない、と織笠はテーブルの上の一冊の本を手に取った。

『現代日本の鍵・インジェクター』。著者は矢崎宗春。あの爆発の被害者――学長だ。

 彼は精霊使いについて何冊も本を出版しているが、この本は一週間前に発売されたばかりだった。書店には追悼コーナーが設置され、皮肉にも彼が死んだことで売り上げが伸びていた。

 ただ、織笠がこの本を買ったきっかけは故人を偲んでのことではなかった。購入したのは矢崎が死亡する前だし、一番はインジェクターについて書かれていたからであった。

 織笠は本をパラパラめくり、読みかけのページで止めた。


「インジェクター……。精霊使いがさらなる進化を遂げたこの国が誇る治安維持部隊……」


 本の内容は、矢崎が独自に精保に取材したり、インジェクターに話を聞いたりと、彼らの素晴らしさを伝えるものだった。

 しばらくの間、織笠は本に集中していた。織笠は自分でも気付かぬ間に、インジェクターに興味を持っていたのである。

 織笠が他人に関心を持つなど、これが初めてだった。彼らと出会い、交流していくことでもっと深く知りたいと感じるようになったのだ。といっても、あれだけ濃い時間を過ごしていれば、インジェクターに惹かれるのも自然な流れかもしれない。


(ストレイエレメンタラー……。やっぱり精霊使いを二つのカテゴリーに分けるなんておかしいんだよな。しかも、あまりに格差がありすぎる。昔の人種差別じゃあるまいし……)


 精霊使いがこちらの世界に渡るのは年に一回、各地のマスターが“精霊陣転移研究センター”に集い、“儀式”を行う。そのとき、魔方陣が生まれ、この世界と異世界への扉が開く。そして、どちらのカテゴリーに入るか、マスターによってふるいにかけられる。網目に残れば天国、落ちれば地獄……というように。

 本によれば、この世界をより良くするために毎年かなりの人数がこちらへ送られてくるらしいのだが、それではストレイエレメンタラーと判断された者としてはあまりに残酷ではないか。


(しかも、今はストレイエレメンタラーの人口の方が圧倒的に多い。それだけ判断基準が厳しいのかもしれないけど、それにしたって……)


 あまつさえ問題なのは、魔方陣は一方通行でしかないことだ。魔方陣を生成するためには巨大なエネルギーが必要とされる。それこそ全ての精霊が一点に集中するぐらい、世界のバランスが崩れるほどだ。


(この制度が、精霊犯罪を助長しているんじゃないのか……?)


 織笠はやるせない想いになり、本から視線を外す。天井を見上げ、独りごちる。


「そういう人たちを裁かなきゃいけないインジェクターって、やっぱり辛いんだろうなぁ……」


 織笠の脳裏にカイら四人の姿が浮かぶ。

 精霊使い同士の繋がりは、人間とはまた別物。特に属性が同じなら、たとえ赤の他人でも身内に近いような感覚なのだろう。芯の部分で互いを尊重している。

 その身内を討たねばならない。厳密には精霊使いであったという事実を抹消しなければならないのだ。


「みんな……毎回心を痛めて仕事しているのかな……」


 再度本に目を落とすと、カイのインタビューが載っていた。

『いくら己の境遇を呪おうが、犯罪を犯してはならない。己の不幸を理由に精霊を悪用してはならない。

 確かに、精霊使いにとってこの世は不公平だ。それを分かった上で俺たちは犯罪者と向き合う。毅然と、己を律して。

 ただ、ひたすら正義のために。

 精霊使いを捕まえるのは心が痛む。その痛みを引き受けてくれるのがE.A.Wであり、E.A.Wが俺たちをインジェクターたらしめる武器なんだ』――と。


「正義……か……」


 純粋に凄いな、と思う。尊敬する。それに引き替え自分は……。


「この機会に短期のバイトでも始めてみようかな……」


 自分でも本気かどうかも分からない思い付きを呟く。

 ふと時計を見れば、もうそろそろ夕方だった。窓の外がやんわり赤みがかり、その下のモエナの体毛を照らしていた。


(夕食でも買いに行くかな)


 織笠は立ち上がると、寝ているモエナに話しかけた。


「お前も行く?」


 モエナはチラッと片目を開け織笠を見るが、すぐにまた閉じてしまう。答えはノーのようだ。最近、コイツもしかして人語を理解しているのでは? とたまに感じることがある。だから話しかけるのがつい癖になっていた。

 やっぱりね、と織笠は苦笑いすると、


「あ、そういやキャットフード切れてたな」


 ピクン、とモエナの耳が反応する。


「今日はめんどくさいから近くのスーパーにするかな。あそこ安いし」


 急にモエナが飛び起き、「聞き捨てならないわ!」とばかりにベッドから降りた。織笠の横をすり抜けると、彼の方へ金色の瞳を向ける。まるで「私に選ばせなさい。スーパーの安売りなんて許さないんだから」と訴えているようだった。


「はいはい、分かりましたよ、お姫様」


 織笠は笑みをもらしつつ、自室の扉を開けてモエナを先にお通しした。






 精保内、インジェクターB班オフィス。

 カイ達四人は談話スペースに固まっていた。ここは本来、仕事の合間の一息を入れる場所であるが、今は休憩時間というわけではない。キョウヤ、ユリカ、アイサの三人はソファに身を預けてはいるが、一言も発しない。カイに至っては立ったまま腕を組んで険しい顔で巨大モニターを睨んでいる。


「――何か分かったか?」


 低い声色でカイが問いかける。モニターには一人の女性が上半身アップで映し出されていた。


『徹夜明けにその不機嫌ヅラはキツイな。引っ込めてくれないか』

「……悪いが、これが俺のノーマルだ」

『だったらねぎらいの言葉ぐらい頂戴したいな。こっちは一人で調べてたんだぞ』


 やや不満そうに答える女性――精保の医療班のレア。相当疲れているのか、赤縁の眼鏡を外して眉間の辺りを揉んでいる。

 現在、彼女は警視庁に設置されてある研究所にいる。新明大学で発見された焼死体――つまり、矢崎宗春の遺体を鑑定するために出向いていたのであった。

 レアの所属する医療班の主な仕事は、戦闘で負傷したインジェクターの治療。さらにE.A.Wなどの能力使用時に消費したマナの回復も行う。要はレストルームの管理なのだが、役割はそれだけではない。

 今回のように、事件の可能性がある変死体が出た場合、精霊使いに関わりがあるかどうか遺体を解剖、検視する“検視官”としての役割も兼ねている。

 特にレアは主任という立場上、遺体発見現場や警察に駆り出されることも多い。


「お前の負担が大きいのも重々承知しているよ。そっちも人手不足なんだろう? そろそろスタッフを増やしたらどうだ?」


 レアは眼鏡をかけ直すと、頭をガリガリと乱暴に掻く。


『猫の手も借りたいときはあるな。インジェクター(お前ら)はすぐ無茶して余計な傷こさえてくるからな。だから、いくらやっても私らの仕事が減らん』


 痛いところを突かれてしまった四人。渇いた笑いが女性陣から漏れた。きっと他の班がこの言葉を聞けば同様のリアクションをしたに違いない。


『でも、まぁ()()()は割りと好きだからな。別に苦にはなりはせんよ』


 レアという女性は、それはもうとびきりの美人だが、言動は男に近い。粗野でおおざっぱという少々残念な性格だが、キョウヤに言わせればまたそのギャップがいいらしい。


「じゃあさレアちゃん。こっち戻ったらパーッと一杯やろうぜ。酒でも飲めば疲れなんか吹っ飛ぶって」

『お前はもれなく下心全開だな。顔にヤリたいと、思いっきり書いてあるぞ。分かりやすいことこの上ない』


 両脇にいる女性陣から、キョウヤへ軽蔑の視線が飛ぶ。呆れるレアだったが、ニヤリと口角を吊り上げ、


『酒は付き合えんが、麻雀ならいくらでもやってやるぞ』

「お、いいねぇ! じゃ、この事件解決したらやろうぜ、絶対! 場所は……カイの家でいいな?」

「はぁ!? 何で俺の――」

「今度は意地でも俺が勝つから、覚悟しておいてよぉ?」

『どうだかな』


 そう笑うと、レアはふと真顔になり、


『そんなことはどうでもいい。私は眠いんでな、手短に結論から言わせてもらうぞ』

「頼む」


 カイが頷く。レアが間を置いたことで途端に緊張感が生まれた。

 そして、彼女はゆっくり口を開く。


『どうやら今回の事件、我々が処理することになりそうだぞ』

「!」


 目を見張る四人。それでも、これだけの動揺しか示さないのは、全員が心のどこかでそう感じていたからかもしれない。

 ――この事件には精霊使いが絡んでいる――と。

 確信があったわけじゃない。直に現場に行っても、精霊使いに繋がる証拠は出なかったのだ。だとしても予感めいたものがあったのは、長年の経験が可能性を否定しきれなかったからだろう。


「説明してくれるか」

『ああ』


 画面が切り替わる。表示されたのは矢崎宗春の3Dの全身走査データとプロフィール。それだけを見れば、一般的に知られている情報だけだが、そこにレアは検視して得た結果を入力してある。

 レアが音声を交えて解説する。


『今回の新明大学爆破事件。爆発の原因はやはり爆弾だった。現場からその残留物と金属片が見つかっている』

「……パイプ爆弾か」

『だろうな。時限式の』

「そっか。それなら爆炎にマナが含まれていない説明がつきますね」


 アイサが納得したように頷いた。


「ちょっと待てよ。なら犯人は、爆弾を堂々と持ち歩いていたのか? 大学側は不審物のチェックとかしてなかったのかよ?」

『静郷氏が言うには、警備係が何人かいたようだが、それも学生。あまり厳戒に敷くと、祭りの雰囲気が台無しになるからという理由らしい』

「……となると、あの日は危険人物が出入りし放題だったわけだ。よくこれまでアクシデントが起きなかったな」


 キョウヤが呆れ気味に言った。


『さすがに学長となれば、一人でうろつくなんて馬鹿な真似はしないんだろうが……。普段からあの大学は、少々開放感がありすぎたからな』

「だから人間も精霊使いからも人気が高いんですよ。毎年入学希望者が殺到するらしいし」


 カイが残念そうに首を振る。


「それも矢崎氏の人徳だな。だが、今回はそれが裏目に出てしまった」

『爆弾の出所については警察の方に任せている。自作か購入品かはいずれ分かるだろう』

「あの」


 と、ユリカが小さく挙手した。


「それじゃあ、爆弾は何のために使用されたんですか? マナが含まれていないのなら、矢崎氏を殺害したのが精霊使いだと根拠になりませんよね?」


 ユリカが率直な疑問をぶつけると、レアはニヤリと笑う。


『矢崎氏の直接の死因は爆死によるものじゃない。犯人は別の方法で殺害し、爆弾を起動させたのさ。あれだ、隠蔽工作だよ』

「いやいや、隠蔽にしちゃ派手すぎんだろ。家を一軒、まるごと吹き飛ばすような威力だぞ? 火薬の量も相当だろ」

『そうでもしないと、証拠が消えないと思ったんだろうよ。事実、軟部組織は熱で滅茶苦茶だった』

「……あたし、あれ以来肉料理食べれなくなりましたよ。思い出しただけでもう……」


 げんなりとアイサは呟く。


『これを見てくれ』


 背景が矢崎の立体像を残し、暗転。そのまま矢崎が画面中央へと移動、そしてさらに肉体が一瞬にして骨の姿へと変化した。


『矢崎氏の上半身には、繰り返し殴打された痕跡があった。特に頭。頭蓋骨が月のクレーター並みにボコボコだった』


 円を描く赤い光点が出現し、殴打の箇所を示す。彼女の言葉通り、左右の側頭部から頬、さらには鼻と、顔面はほぼ真っ赤で埋め尽くされている。


『想像するに、犯人は矢崎氏の上に馬乗りになって殴り続けたようだな』


 赤い光点は頭部だけではなく、腹や両腕にも赤点が数ヵ所見られた。これはどうやら防御創らしく、矢崎が腕で頭をかばうために出来た傷らしい。だが犯人は、矢崎がそうして身を守ると、今度は胴体に狙いを変える。そうすればまた顔面が空くからだ。


「なんて酷い……」


 思わずユリカの口から漏れ出た。


 検視の結果から見えた犯行の手口。

 どうやら犯人は矢崎に対し、異常なまでの憎悪を抱いていた。

 はっきりと感じる明確な殺意――爆弾をあらかじめ用意していたということは、最初から矢崎を殺す目的であの学長室を訪れたのだろう。


『矢崎氏を襲ったヤツは、彼が死ぬまで殴り続けた。何度も、何度もな。ったく、よく分からんな。衝動的なようで計画性もある』

「――それじゃあ、凶器は? それも見付かったんですか?」


 アイサが訊ねると、映像が切り替わり、再びレアのアップが映し出された。先程と違うのは、あの眠そうな顔はどこへやら。瞳が爛々と輝いている。何がそう嬉しいのかと一同は疑問に思ったが、彼女は右手をモニターに突き付けてきた。


『これだ』

「これだって……、まさか拳?」


 自信たっぷりにレアは頷いた。


『これこそが犯人が精霊使いだという手がかりだ。そして、事件解決の糸口になる』


 活き活きとした顔でレアは言う。やはり彼女は、精保でデスクワークをするよりもこちらの方がお好みらしい。

 死体にまつわる謎から、小さな光を探しだす。その結果を導くことが、彼女にとって無情の喜びなのだ。


『犯人は精霊を宿した拳で殴打したんだろう。骨が陥没した至る箇所に、微量のマナが残っていたよ』

「本当か!?」


 目を大きく見張る面々。レアは、彼らの驚く反応を楽しむかのように続ける。


『殺人者も迂闊だったな。執拗に殴り続けたせいでマナが肉体に浸潤し、骨へと達したんだ。だから遺体を燃やせば、その証拠も消えると考え、爆破した。実にずさんな隠蔽工作だよ』


 胸を張って、実に愉快そうに言うレア。レアは、分析医としては他に追随を許さない程優秀な精霊使いなのだが、困った癖が一つ。

 その服装だ。白衣の下に何も着ないのである。いや、正確には下着を着けているのだが、その格好で年中うろつき回るのである。精保だけならまだいい。だが、どこへ行くにもあの服装なのだ。

 現に、今日だってあのまま警視庁に行っている。向こうさんは、さぞや目のやり場に困ったろう。むしろよく出入口で止められなかったほどだ。

 本人曰く、仕事上、色んなマナを扱わなければならないため、より正確に敏感に感触を掴むため肌を出しているそうなのだが……。


『ただ、残念なのはここの設備じゃ詳しい分析は出来ん。残留したマナを持ち帰って解析するよ』

「ああ、頼む。――それよりレア。お前いい加減恥ずかしいから、服を――」


 カイが言い終わるのを待たずして、モニターが沈黙。いつもながら注意を聞き入れてくれない、とカイはため息を吐く。


「さっすが、精保の露出魔。いや~、眼福、眼福」

「ったく、アイツは……」

「でも、良かったじゃないですか。これで犯人が誰なのか突き止められますし。あっさり解決で万々歳」


 伸びをしながらかアイサが安心したように言う。ユリカとキョウヤも腰を上げ、一息入れようと動く中、カイだけは何やら難しい顔を浮かべたまま、暗いモニターを睨んでいた。


「……どうかされたのですか? 何か気にかかることでも?」

「……ああ。どうも腑に落ちなくてな」


 そう答えて、カイは黙ってしまう。頭の中で自分の疑問を整理しているようだ。ユリカとアイサが顔を見合わせて首を捻るその横で、キョウヤの煙草に火を点けるライターの音だけが静かな空間に響く。


「そもそも犯人は、何故精霊の力を使った? 爆弾が隠蔽工作……だというなら、わざわざそんな大袈裟な物を準備しなくてもいいだろう。ひっそりと殺す手段は幾らでもあったはずだ。それが精霊使いなら尚更……」


 カイが感じた違和はもっともだった。犯人はどうして簡単に足がつく可能性がある方法を選択したのか。

 精保のデータベースには精霊犯罪の抑止力として、正規、ストレイ問わず、全ての精霊使いの情報が登録されてある。それを知らないはずがないだろう。

 敢えて精霊の力を使ったのには、理由があるのか。

 能力の高さを誇示したかった?

 あるいは、自己顕示欲を満たすため?


「そんな難しく考えんでもいーんじゃねーの? 短絡的な犯行の線だってあるわけだし」

「…………」


 くわえ煙草のキョウヤが部屋を去り際、声をかける。

 ……果たしてそうなのだろうか。

 現時点では分からないことが多すぎる。動機は? 犯人は矢崎に対して異常なまでの殺意をたぎらせていた。それでいて、計画的に進める冷静さも同居している気がする。もしかしたら、犯人は複数いるのかもしれない。

 あの日は学祭で、一般解放されていたから、人の数はかなりのものだった。人目につかず殺害するには、学長が部屋にいる時間を知る必要がある。大学関係者に犯罪を手引きした者がいるのか。

 とにかく今はレアの分析を待つしかない。

 


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