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死神少女はどこへ行く  作者: ハスク
陸―聖都の伝説―
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死神少女は邪神に挑む

【聖都ラ・ブランダス】

「遠目であれの頭に緑色に光る部分が見えたんだけど?」

「あの石像の動力源です。邪神を倒せるかはわかりませんが動きを止めることはできるでしょう。」

「むぅ………。」


この時点であれを倒せないのは不満だが仕方がない。トドメはもっと強くて凄い人にしてもらおう。


ハンナとナタリーの所に魔物が集結しつつある。生き残りの聖騎士や神官も二人を助けるために集まってきた。


やるなら今か。


「レイラ、お願い。」

「ギャオゥ!!」


エミリアとクリスティアナがフレイムドラゴンの背中に乗ると羽ばたき、上昇した。

クリスティアナは少し怯えながらドラゴンにしがみつく。


「たっ、高い………。」


ドラゴンは邪神に向け滑空する。途中でハーピィをエミリアが切り捨て、ゴミにしていく。


やがて邪神の真上に着くと、エミリアは躊躇なく飛び降りていった。






「ヌッ?!」


石の体といえど流石に頭に誰かが乗ったことに気づいたらしい邪神はその場で暴れ始めた。

エミリアは邪神の頭にしがみつきつつ、後頭部に近づいていく。


「キェェ!!」

「邪魔。」


ハーピィがエミリアを何度も襲い、その度に足が止まってしまう。


「オノレチョコマカト!!」


邪神の暴れが更に激しくなる。

エミリアは振り落とされまいと必死にしがみつく。



「グアァァ!!!」


邪神の胴体が爆発を起こした。

前には邪神より僅かに小さい赤いドラゴンが対峙した。


「下賎ナ魔物ガ歯向カウカ!!」


エミリア探しを中断してドラゴンの相手を始めた邪神。ドラゴンは爆裂ブレスを吐き、少しずつ邪神の体を削っていく。

邪神の拳が当たる前に飛んで下がり、ブレスを当てていく。


「役立タズドモガ、奴ヲ殺スノダ!!」


呼び出された数十頭の黒い魔物が一斉にフレイムドラゴンへ襲いかかった。

変異体の魔物は通常より牙や爪が鋭い。成体ではないドラゴンを傷つけるくらいはできてしまう。


悲鳴のような唸りをあげてドラゴンは多数の魔物を相手する。

火炎ブレスで地上を掃除しても空を飛ぶ無数の黒い点がドラゴンを傷つけていく。


「レイラを傷つけるんじゃないよ!!」


ハンナとナタリーがハーピィを撃ち落とすが多くがドラゴンにまとわりついており、狙いがつけられない。


ドラゴンが離れたことで邪神は頭部にしがみついていたエミリアを掴みあげた。


「わっ!?」

「小娘風情ガ我ヲ倒セルト思ウナ!!」


邪神はエミリアを思いきり投げ飛ばした。















お姉ちゃんに酷いことをした



絶対に許さない








「ガアオォォォォォォ!!!」


直後、ドラゴンが今までで一番激しい雄叫びをあげた。

体を覆う赤い鱗がオレンジ色に変色し、口から炎が燻り始めた。


「レイラちゃん?!」

「これは………?!」

「やば………みんな後ろ向いて!!」


クリスティアナとナタリーが呆気に取られる中、ハンナが無理矢理ドラゴンに背を向けさせる。


「グゥゥッ………ゴォォッッ……!!」


ドラゴンが唸り声をあげ、口を開く。




轟音と共にドラゴンが熱線を放った。


熱線は邪神の胴体に直撃、どんどん赤く変色していく。

ドラゴンは尚も熱線を放つ。巻き込まれた魔物は残らず消し炭と化し、姿を消した。



やがて熱線は邪神の胴体を貫き、大きな穴を開けた。


熱線の衝撃に耐えきれず、邪神は建物を巻き込んで倒れた。





熱線を吐き終えたドラゴンは邪神に突進し追撃を加える。


頭でド突き、尻尾で叩き、踏み潰す。

そして近場の建造物を引っこ抜き、叩きつけた。


それはスイッチの入ったエミリアのように回りのもの全てを使い痛め付けていた。



「低俗ナ魔物ガ調子ニノルナ!!」


邪神は起き上がるとドラゴンを石の拳で殴り付けた。


「ギャウゥ!!」


悲鳴に似た咆哮をドラゴンはあげ倒れる。

邪神はそのまま拳をドラゴンに何度もぶつけた。
















エミリアは聖都の端まで投げ飛ばされていた。


「………頭いた。」


顔を上げると騎士のような白い石像が剣を持って佇んでいた。


全身の痛みに耐えて立ち上がると遠くからドラゴンの咆哮が聞こえた。

邪神とドラゴンの戦闘が続いているようだ。


「レイラを助けないと。」


邪神の方へ向かおうとしたエミリアの頭上を大きな影が覆った。








頭を上げると先程佇んでいた石像が動いていた。


回りを見るとこれ以外の石像が邪神目掛けて歩いていた。







「………どうなってるの?」

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