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死神少女はどこへ行く  作者: ハスク
陸―聖都の伝説―
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魔族領にて

【魔族領 魔王城】

シルフの森以北には一年を通して雪が積もるレイヴォス寒冷地帯が存在する。

寒さに適応した魔物や獣人族のみが暮らす過酷な地である。防寒対策をしていれば人間でも過ごせなくはないが、冬場は猛吹雪が発生する。



レイヴォス寒冷地帯を越えた先には魔族領がある。

寒さを感じない彼らは以前邪神が現れた際に協力した功績としてこの地を領地とすることを許された。




魔族領最奥地にある黒い巨城は魔王城。巨大な跳ね橋がかかるその城は魔族のシンボルとも言える。

好奇心のある一部の魔族を除いて人間との交流はほとんどなく、魔族領の全貌はほとんど知られていない。


魔王城最上階、王の間で頬杖を付き足を組んで側近から報告を聴く青年は魔王デスロード。

見た目は人間と変わりないが内に秘める魔力は最強格。生半可な実力では彼に近づくことすらできないだろう。


「…………マジで?」

「はい、間違いございません。」


デスロードは身内に対して非常にフランクに接する。

側近達にも同じようにしろと何百年も言い聞かせているのだが未だに敬語で返される。

彼としては友達感覚でやっていきたいのだ。


「クラークだっけか?何かやらかすとは思っていたけどなぁ。」

「聖女殿を巡って何を間違ったのか聖剣を。」

「それで聖都は崩壊ってことか。」


第二王子に関しては以前から監視をしていた。過去の経験で女好きな王族は録なことをしないことを知っていたからだ。

過去にも砂漠の民やエルフ族と戦になったこともあった。次はアズマのお姫様でも拐ってくるのかと思っていたが、予想以上のことをしでかした。


「今の王国では対応できんだろうな。帝国の到着にも時間がかかるだろうし…………」


デスロードは少し考えてから立ち上がる。


「四天王を呼んでこい。邪神討伐には俺たちが行くしかない。」

「ははっ。」


側近の悪魔は足早にその場から立ち去る。




ほどなくして、王の間に紫色の魔方陣が四つ出現した。


赤色の巨人、水の球体に包まれた女性、黒いローブを身に纏った赤い瞳の骸骨、黒い大きな翼を持つ男性。

魔王四天王だ。



「「「「魔王四天王、お呼びにより馳せ参じました。」」」」


「………無駄に息ぴったりだな。スレイから話は聞いたと思うが、邪神討伐のため力を貸してもらう。」


赤い巨人の彼はオーガの族長、ベルゲ。力こそ正義を地で行く脳筋魔族。

自慢のパワーで何でも解決しようとする。

魔法は身体強化に特化しており結局力押しで戦う。


水の球体に包まれた女性は水の精霊、ニーニャ。

元々は黒の森に住んでいたが人間同士、主に王族貴族の醜い権力争いに嫌気がさし魔族領へ移った。

精霊なだけあり水魔法に長けており、地上にいながら魔物を溺死させることができる。

海には巨大な海竜のペットがいるのだとか。


カカカと笑うのはアンデットのキング、リッチのベルモンド。

先代魔王の頃から仕えており、デスロードの教育係も勤めたことがある。魔力の高さだけならデスロードに次ぎ、余多の死霊軍団を統率する。

いい加減精神的な寿命が限界なのか妙なアンデットジョークが多くなってきている。


黒い翼の男はブラックドラゴンのフォート。

デスロードとは昔馴染みの喧嘩仲間で魔王継承と共に彼の従僕となった。レイラ同様、竜化することで巨大なドラゴンとなり多数の敵を蹴散らすことができるが、人化時も翼を堂々と広げている。

今でも時折力比べと称して喧嘩が止まない。いつしかそれは魔族領の一大行事と化しどちらが勝つかの賭け事まで始まる。


四人は頭を垂れ、魔王の指示を受けることを示した。



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