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死神少女はどこへ行く  作者: ハスク
拾 ―降臨―
122/174

死神少女とダンジョンの主?

過激な残酷描写にご注意ください

【魔のダンジョン 第五階層】

そこは異様な空間であった。


土壁の洞窟型ダンジョンには似つかわしくない石造りの小部屋。

部屋の中央にある台座のような物の上には立体的な図形のような物が浮かび上がっていた。

文字のような物も見えるが少なくとも帝国の言葉ではないのがわかる。


「主、こいつはこのダンジョンを管理してたみたい。」


後ろから眺めていたルールーはこの部屋の機能に気づいたようだ。


「じゃあこれがダンジョンのボス?」

「うん。又はダンジョンマスター。」


ダンジョンマスター………ルールーはこの魔族が人工的にダンジョンを造り出したのだという。

もしそれが本当なら彼の手で更にダンジョンが増えていくことになる。




「くそぉ………ここを見られたからには帰すわけにはいかねぇ!」


魔族が叫んだ直後にエミリアの足元に魔方陣が現れた。

飛び退いた瞬間に火柱が吹き出た。


「っづ………!」


少しだけ背中辺りが燃えてしまった。


その間にも魔方陣がエミリアに対し攻撃をしかけてくる。









「ちっ…………。」


魔法による攻撃が苛烈でなかなか魔族に近づけない。

ナイフを投げようにも火柱で視界が遮られ正確に狙えそうにない。

おまけに魔族は次々と魔法を展開してきて隙もなかなか生まれない。




ふと部屋の台座に視線を向ける。


この部屋がダンジョン管理の部屋だとしたらあれは大事なものではないか?





亡き母ニコルの教えを思い出す。


『勝つためなら何でも利用しなさい。戦いには卑怯も何もない、最後まで立っていた方が勝ちなのよ。』






エミリアは台座にグリムリーパーを振り下ろすと簡単に崩壊した。


「あぁ!?貴様何を」


魔族が叫んだその瞬間を見逃さない。

魔族に飛びかかると首を締め始めた。


「ぐぁっ…………はなっ…………せっ!」


瞳が赤く光るエミリアの顔を殴るが怯むどころか力が強くなっていく。


ふと、ある疑問が出てきた。


「ルールー、魔族って普通に死ぬの?」


人間と魔族は体の仕組みが色々違うのを聞いたことがあり、このまま殺せるのか気になったのだ。


「魔族は脳が潰れたり心臓を失っても翌日には甦る。魔力が残っていないと復活はできない。」

「そう。」


その返答でエミリアは予定を変更した。


「ルールー、それ抑えてて。」


ルールーの憑依を解くと仰向けの魔族の腕を押さえつけさせる。

先程の首締めで魔族は力をうまく出せないらしくルールーの拘束を解けない。


グリムリーパーが輝き形状を変化する。


彼女の手にあったのはこの世界に存在しない道具、チェーンソーだった。

闇剣はエミリアの記憶を引き出して異界の物に変形してしまえるのだ。


「…………主、それ好きだね。」

「割りと気に入ってる。」


そんな会話を交わすと回転する鋸が無慈悲に振り下ろされる。





「あがぁぁっがぁぁぁっ!!?」


叫ぶ魔族。

止まらぬ鋸。

吹き出る血飛沫。

血を浴びる少女達。


やがて魔族は首だけになった。



「くっそぉ………こんなことしてただで済むと思うなよ!!」


魔族は首になってもまだ叫んでいた。

五月蝿いがこの魔族を放置するのはいけない気がした。

ギルドマスターに知らせるべきだろう。


ルールーに投げて渡すとどこかから持ってきた木の棒に魔族を突き刺した。


「ふぎゃああ!!」



「持ってて。」

「うん。」


魔族が付いた棒をルールーに預けると上へ戻る階段へ向かった。


ナタリー達と合流するために。

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