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死神少女はどこへ行く  作者: ハスク
拾 ―降臨―
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死神少女は危機を回避する

【魔のダンジョン 第二階層】

金盥が直撃し気絶したエミリアは八つ当たり気味に魔物を倒していた。


あんな罠に二度もクリーンヒットした彼女は自分を慕う仲間に見限られることを何よりも恐れた。



だからこの階層に蔓延る魔物を積極的に殲滅していった。


ゴブリン、コボルト、ダンジョンバットにスライム………魔物はまだ弱い部類のものが蔓延っていた。


そしてここはダンジョン。先程のように罠が発動し


そしてエミリアだけでなく仲間達にも罠の洗礼が待っていた。



頭上から虫の死骸が落ちてきてクリスティアナが錯乱。

動く床に足を取られ壁に激突させられたナタリー。

扉を開けたら部屋ではなく壁で頭をぶつけたハンナ。

顔にプリンをぶつけられるレイラ。

バナナの皮で滑って転ぶエミリア。



各々が酷い目に逢いながらも階層の魔物を全滅させることができた。

ここからは次の階層への階段とアイテム探索だ。


プリンはおいしくレイラが頂いた。



小部屋に入るときはグリムリーパーで扉を粉砕することにした。



ガキィィィン!



が、障壁のような物で防がれてしまった。


「扉の破壊は駄目みたいですね。」

「むぅ………面倒くさい。」


ナタリーが障壁の破壊を試みたが未知の術式が使われているらしく断念したようだ。




部屋からは見えないよう身を隠しながらドアノブに手をかける。

また顔面パイまみれは勘弁だ。

他の四人は何が起きてもいいように身構えた。



扉が開く。


変哲の無い小部屋に見える。

奥には宝箱が一つ。


「………何も起きない?」



顔だけ部屋に入れても何かが飛んでくる様子はない。


「お姉様、部屋から魔力を感じますわ。」

「魔法の罠………ということですか?」

「何とも言えないですわね………」

「なんか………変な感じがする。」


魔力の高いナタリーとクリスティアナ、レイラには何かが感じ取れたらしい。


「お姉ちゃん、だめっ。」


レイラがエミリアのスカートを引っ張る。

部屋に入ってほしく無いのだろう。



魔法の類いとなるとエミリアにはどうしようもない。それにレイラを泣かせたくなかった。

諦めて階段を目指すことにした。





「なんだ、また会ったなルーキー。」


聞き覚えのある声を振り向くとダンジョン入り口で見かけた鎧男が腕を組んでいた。


「誰?」

「貴様らの大先輩レオ・カバハ様だ!覚えておけ!」

「んー。」


興味無さそうに返事をする。

ハナから覚える気は無いようだ。


「この階層に来れたのは大部分の魔物は俺様達が倒してやったからだ。有り難く思えよ。」


そう言うと先程エミリア達が入りかけた部屋へ進入する。




直後、レオが消えた。


「ふぎゃああぁぁぁぁ!!」

「あぁ!レオ!!」


何事かとエミリア達も駆け寄ると部屋の床が消えていた。

そして床だった場所にはレオが落ちていた。




何かの糞まみれになりながら助けを求めながらもがいていた。





「あー…………先いこう。皆は見ちゃダメ。」


見なかったことにしてレオはあれの仲間に任せて進むことにした。



「あれは幻術の類いですわね。床の幻影で私達を騙して…………あぁ、気づいて良かったですわ。」


ナタリーら三人が居なければエミリアは今頃レオのような状態になっていただろう。

冒険者たるものどんな目に遭っても文句は言えないのだが年頃の女の子がなっていい姿ではなかった。


「みんなありがと。お陰でバカの仲間にならなくて済んだ。」


お礼を言うと三人は顔を赤くしながら笑顔を見せた。




次の階層の階段も見つかり、さっさと降りていく。



次の階層で待ち受けるものとは…………

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