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第21話 白昼霧の遊霊 おまけ
(後日談)
早朝。旭山の中腹に建つ角見神社の境内はまだ人影も少なく、巫女装束の少女が箒で落ち葉を掃き集めているだけだった。
「あら?」
鳥居を通ってやってきた参拝客の姿を見て、巫女服少女は彼らの方に向かう。客は2人連れの大学生で、言うまでもなく辰真と月美である。2人とも寝不足その他の要因で顔色は良くない。
「お二人ともお久しぶりです。また事件の調査にいらしたんですか?」
辰真達の知り合いでもある彼女の名は角見蘇良。住職の一人娘で巫女職を務めており、妙に商売気が強い女子高生だ。
「いや、今日はちょっと……色々あって、お祓いをお願いしたいんだが」
辰真が疲れた顔で応答すると、背後の月美も不安そうな顔でコクコクと頷く。
「それは大変!早速ご案内致しますっ。ちなみにコースは30分、60分、90分の3種類からお選びいただけます。グレードが上がるほどお得で効果も長続きしますけどどうします?」
「何でもいいから早くしてくれ……」
結局2人は90分コースを選んだ。その御利益なのかは不明だが、今のところ辰真達の身に原因不明の異変は起きていない。




