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ショートショート5月~

文豪の神

作者: たかさば
掲載日:2020/05/04

物語を、書く。

物語を、綴る。

物語を、認める。

物語を、紡ぐ。


私の物語を、世の中に、発表することにした。


私が考えたお話が、誰かに届く。


私のお話が、誰かに届いて、何かを感じてもらえたらいいな。


私が書いた、私のお話。



私のお話を読んだ、古い知人が感想をくれた。


面白いね。


いいね。


もっと書きなよ。


でもさ。


書く前に、僕の書いた物語も読んでくれよ。



私は、すすめられたお話を読んだ。


難しくて、私には理解ができなかった。


感想を、どう伝えようか。



僕の話、読んでくれた。


読んだけど、よく分からなかった。


君は語彙力がないから理解できないんだよ。


語彙力がなくても書ける話はあるかと思って。


魅力のない物語を世の中に出す勇気を認めてあげるよ。


私のお話は、勇気を出さないと出せないものなんだね。


そうだね、でも、これから変わるよ。


かわる?


君は僕の物語を読んだだろう。


理解はできなかったけれど、読んだよ。


君の中に、僕の文字列が吸収された。


私は、内容を覚えてないよ。


覚えて無くても、僕の文章は、君に影響を与えたのさ。


私、影響を受けたの?


君は今後、僕の影響を受けた文字をつないで、僕の文字を綴るのさ。


あなたのお話を、何一つ思い出せない私が?


僕に影響を受けた君は、もはや君の物語を書くことはできないんだよ。


私が書く物語は、あなたのものだということ?


そうだね、僕はこうして、世の中すべての物語を書いているんだよ。


あなたの物語を読んだ人は、すべてあなたの物語を書くということ?


そうだね、僕は、僕が一人しかいないという悲しい現実を、他人が僕の物語を綴るという手段で凌駕しているのさ。


あなた、自分が書いていない物語を、自分の作品だというのね。


何をいっているんだ、僕の物語を読んだすべての人は、僕の能力を分け与えられた選ばれし者なんだよ。


あなたには、物語を書く人すべてに影響を与える能力があると、いうのね。


何を言っているんだ、僕だって影響を与える物語は選ぶさ、駄作は僕の物語じゃない。


あなた、文豪の神でも名乗ったらどうなの。


もう名乗っているよ。


聞いたことがないわ。


名乗ってはいるけれど、世間が認めてない、ただそれだけのことなのさ。





文豪の神は、宇宙一の文豪を名乗っているけれど、自分の手で書いた物語はひと作品だけで、なぜか実家の中古車販売店を、手伝っている。


今日も自らの手を動かすことなく、他人を使って、すばらしい物語を、書き続けている。


文豪の神の手は、機械油に汚れて、思いついた物語のかけらすら、文字に残そうともせず、ただ、破れたぼろきれを、ぬぐうばかり。



文豪の神の物語をのぞいては、いけませんよ。


あなたの物語が、乗っ取られてしまいます。




文豪の神が、あなたに近づこうとしていますよ。


私、忠告しましたからね?


あなた、文豪の神に、チェックされてますよ?



甘い言葉に、惑わされないで。


あなたの物語を、守ってあげて。



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― 新着の感想 ―
[一言] 知らないうちに影響受けちゃってることはあるでしょうけどね。にしても厚かましいな笑
[良い点] すごい! すごい想像力!! [気になる点] 自分は逆ですね。最初は他人の影響を受けまくった文章()で、徐々に個性が出てきた感じです。 [一言] 例の問題作に脳を破壊されちゃいました?
2020/05/04 22:04 退会済み
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