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三十八話『あ、完全に寝坊した』

メリークリスマスそして新年あけましておめでとうございます。今年始まって一週間以内に投稿出来てよかったです。ええ、良かったです


 朝、目が覚めると日はすでに高く上っており、街中に鳴り響く鐘はすでに昼である事を知らせていた。


「あ、完全に寝坊した」


 慌てて準備をして、決闘大会が行われる会場へと向かう。会場の前に着くと外からでも歓声が聞こえてくる程に賑わっていた。

 まだ間に合うだろうかと思いながら会場内に入り、ルナ達の姿を探すと、すでに決闘場の上に立っているサーシャの姿が目に留まった。相手は腕や足に鎧のような魔導具を装備しており、手には例の銃に似た魔導具を握っていることから、相手はティシュトルだろう。


「む、遅いぞユーリ」


 急いで向かうと、遅れてきたことに気が付いたアルがそう言ってくる。


「すみません、昨日考え事していたら中々眠れなくて……状況はどうです?」

「今三人目だよ」


 俺の質問にルナが答える。


「結構出遅れちゃいましたか。しかし意外ですね、サーシャ先輩が一番手とは」

「なんかね、魔導具の性能を見たいんだってさ」


 そんな事を言うとは、昨日の事でサーシャも魔導具に興味を持ったのだろうか。俺も魔導具の性能は気になっている所だし丁度いい。大分出遅れてはしまったが、今からでも魔導具の性能がどれほどのものか見させてもらおう。


 開始と同時に、サーシャの手が届かない上空、丁度二十メートルほど真上に位置取った相手はそこから垂直に魔法を撃ちおろす。


「なるほど、空に飛んで空中から魔法を浴びせるとは……しかも質量の大きい土属性の魔法を上空から打ち下ろすことで、威力を上昇させている」


 とはいえ流石はサーシャ、打ち下ろされた魔法を全て回避し、的確に相手に魔法を放つ。しかし、相手の腕に装備された魔導具から防御魔法が展開して防ぎきる。

 攻撃の方は大した事はないが、頭を抑えられてしまうのは近接戦を得意とするサーシャからすると面倒だろう……そう思っていた矢先、ルナがぽつりと呟く。


「さっきからずっと同じで飽きたよ」

「え? ルナ、それってどういう……」


 どういう事かと聞き終わるか否か、サーシャは相手の放った土属性の魔法を踏み台にして飛ぶ。跳ぶではなく文字通りサーシャも空を飛んだのだ。

 相手は同じように空を飛ぶサーシャを見て距離を取ろうと後方へ下がろうとするも、サーシャの方が移動速度が速く、あっという間に距離をつめられてしまう。

 距離を詰めたサーシャは相手の胸倉を鷲掴み、腕力だけで空中から引き落とすと、倒れた相手に馬乗りになって動きを封じて木剣を突き付ける。


「ああ、なるほど……相性が悪かったですね」


 ティシュトルの魔導具の性能は確かにすごい。防御面、攻撃面において安定した性能を発揮し、おまけに誰でも空を飛ぶ事ができる。

 しかし、風の属性を持つ者はそれがなくとも自在に空を駆ける事ができる。その訓練を重ねた者であれば、魔導具よりも自由に、そして素早く動き回れる。だから、空中戦になるとサーシャのような相手には敵わない。それは相手も理解しているのだろうが、彼らはそれ制空権を取るという事に非常に重きを置いているのかもしれない。だから、空を飛べるサーシャに対して不利だとわかっていても自分も飛ばざるを得ないのだろう。


 今はまだ、魔導具の性能の限界から目覚ましい成果は出せてはいないが、いずれ改良が進み、性能が上がれば——そう考えると畏怖の念を抱かざるをえない。

 ……とはいえあくまでそれは将来的な話であって、現状は大した脅威とは言えない。事実、その後の試合の流れも今の試合とまったく同じだ。相手は頭上から魔法を撃ち下ろしてくるも、サーシャは全て回避し、風の魔法を使って相手と同じ高さまで飛び、地面に叩き落として行動不能にさせ、一方的な試合展開で五人全員を一人で倒してしまった。


「申し訳ありませんユウリ様、お迎えには上がったのですが戸を叩いても返事がなかったものですから、てっきり先に向かわれてしまったものとばかり」


 全て一人で倒したサーシャが清々しい表情で戻ってきて、開口一番に俺へ謝罪する。


「そんな、サーシャ先輩が謝る事ではないですから、お気になさらないでください。それより、今日もこれからアナハイム工房へ行く予定ですが、サーシャはどうしますか?」

「ユウリ様がよろしいのであれば、私も同行させて頂ければと」

「何それ、二人だけでズルいー」


 サーシャとの会話を聞いていたのか、少し拗ねたように会話に割り込んでくるルナ。


「遊びに行くのではなく魔導具について学びに行くのですよ。ルナも来ます?」


「うっ……勉強は……いいや、卵のお世話もあるし……」


気まずそうに目を反らしながら小さな声で呟くように言うルナ。

卵の世話って、何もする事ないだろうに。


◇◆◇◆


「アナハイムさん居ますかー?」


 試合が終わってすぐに、サーシャと共にアナハイム工房へと走って来た。


「ああ、来たね。さてさっそく始めようか……えっと、どこまで話したかな?」


 昨日と同じように俺達二人を奥の工房へと案内しながら、頭を搔きながらアナハイムは呟く。


「自分の魔力を外部に溜める方法についての所からです」

「おっと、そうだった。えっと方法としても、原理としても凄く簡単な事なんだけど、空の魔石に魔力を流せばいい」

「……それだけですか?」


 翌日に持ち越すくらいだから、てっきり説明するのに半日はかかるような複雑な方法だと思っていたのだが、その予想に反して非常に簡単な事で拍子抜けする。


「うん、それだけ。魔石は元々大気中の魔力を取り込み、それを保持した鉱石なわけ。つまり外部から魔力を取り込み、それを保持するという性質を始めから備えているのさ」

「それは、つまり永久機関という事ですか?」

「まあ、かなり長い目で見ればそうかもね。ただ、魔石が大気中の魔力を取り込む量はかなり少量でね、魔導具の動作に充分な量を溜め込むには、それこそ気の遠くなるような時間が必要になる。だけど、人の手で直接魔力を送り込んでやれば」

「送り込んだ分だけ魔力を溜められるという事ですね」


 実に単純な話だ。なに一つ難しい事などない赤ん坊でも理解できる事だ。


「そういう事。まぁ、溜められる上限はあるけどね。魔石の種類によってバラバラだけど」

「なるほど、魔石の上限の見極めみたいなものってあります?」

「大きさと純度かな。なにより純度が大事だね。基本的に魔石の純度は三割程度、五割を超えれば高品質で通常よりも高値で取引される。完全なものになると、それこそ金貨数十枚は下らない代物だね。空になった魔石でも金貨十枚は下らない」


 金貨十枚か。手持ちが丁度金貨十枚だから買えない事はないが、最低でも金貨十枚なので場合によっては難しいかもしれない。そもそも、物がないという可能性もある。

 少し下の品質であれば手に入れる事は造作もないことだろうが、俺にとって最も重要な部分となる所なので妥協はしたくない。


「まぁ、多分あのオッサンの所にでも行けばあるんじゃないか? 代々宝石商をやっているし、空の魔石の買い取りも手広くやってる。そうやって買い集めた魔石を倉に溜め込んで、また孫やひ孫の代に売り物になるよう魔力を溜めてたりするんだ。今から行っておいでよ」

「すみません。お言葉に甘えさせていただいて、少しの間席を外させていただきます」


 俺はアナハイムの好意に甘えさせてもらい、一度アナハイム工房から先日お世話になった宝石店へと向かった。


「ごめんくださーい」

「これはこれは。本日はどのようなご用件でしょうか?」


 俺とサーシャの顔を見た途端、笑みを浮かべてそう声をかけてくる宝石商のビスト。


「空の魔石を売って欲しいのです。金貨十枚で最も純度が高く最も大きいものを」

「空の魔石ですか……では、こちらをお持ちください。お代は金貨六枚で結構です」


 ビストはそう言うと一度店の奥に姿を消し、拳程度の大きさの長方形の

透明の鉱石を布が敷かれたトレーの上にのせて持ってくる。


「これが魔石ですか? 初めて見ましたが透明なのですね」


 七色だったり青だったり、ソシャゲのガチャに使えそうな外観だと思っていたのだが、案外地味というか、普通なんだな。


「不純物が混じることで色がついているだけで、魔石そのものは本来透明なのです」

「という事は、これは殆ど不純物が混ざっていないという事ですか……それに結構大きいですし、金貨十枚でも足りないと思うのですが」


 いくらなんでも安すぎやしないだろうか。最低価格が金貨十枚だというのに、それを下回る額では赤字だろうに。


「そうですね、これほどの純度でこの大きさのものは滅多にお目にかかれない。魔力をすべて使い果たし空になったとはいえ、金貨十枚、いや二十枚は下らないでしょう。確かに買い取り額を考えれば赤字でしょうが、先の件ではこちらも大変お世話になりました。そのお礼と今後も懇意にしていただきたいというお気持ちです」


 要するに定期的に魔獣の素材を売りに来てほしいという事だろう。そうそう簡単に行き来が出来ないので、次に来られるのは何時になるかは分からないが、もし来ることがあれば大量の魔獣の素材を持参しようと心に決めながら、ありがたく受け取らせてもらう。


「では、ありがたく受け取らせていただきます」


 これで大体の問題点は解決した。あとは複数の魔法を扱える魔導具の作成が可能かどうかだが、その点については問題ないだろう。機構的な解決策なら、素人考えではあるがいくつか思い浮かんでいるし、希望的観測ではあるが、俺が考えるような事は既に実現されていてもおかしくはない。


「おかえり、その表情を見ると無事に手に入れられたみたいだね」


 工房に戻って来た俺の表情を見て、アナハイムはそう言った。


「ええ、それでご相談があるのですが、複数の魔法を扱える魔導具をつくろうと思うのですが、なにか見本になるような魔導具はありませんか? できるならば、少しの間お貸し頂きたいのですが」


 見本があれば、それを真似て構造的に同じような物を創るのはそう難しくない。

 あとはアナハイムから見本となるような魔導具でも借りて、俺の能力で自分に合わせて改良を加えながら創造してしまえば長きに渡った道のりもようやくゴールにたどり着く。


「いや、うちには置いてないね」


 ……と思っていた時期が僕にもありました。

 怖いくらいにトントン拍子で都合の良いように進んだので、多少楽観的な考えでも大丈夫かなーなんて思っていたが、流石に甘すぎた。


「……うちにはというと、そういう魔導具もあるにはあるのですよね?」

「あるよ。構造が少しだけ複雑になるけど、複数の魔法を扱える魔導具自体は作れる。ただ、そうなると魔導具の巨大化は避けられない。家庭に設置するなら大きくても問題はないけど、個人で扱うには手に余るし、整備面も考えると何かと面倒になる。だから、うちではそういう大きな物は扱ってないよ」


 家に設置するというと、前の世界で言うところの家電製品のような扱いだろうか。もしそうだとすれば、大きすぎて戦闘に使用できなさそうだ。

 先日のティシュトルの戦いを見ていて、なぜわざわざ沢山魔導具を付けるのだろうかと疑問に思っていたが、なんとなく得心がいった。複数の魔導具を一つに纏めることで兵器としての扱いが悪くなるよりは、各所に別々に装備することで個々を扱いやすくすることで妥協したといったところか。

 もっとも、複数の魔導具を同時に扱うのも、それはそれでテクニックが必要となるのだろう。仮に俺がライラットの選手のように体のあちこちに魔導具を装着しても、彼らのように扱えるとは思えない。


「んー、どうにかして小型化はできないものですかね」


 俺が扱うにはどうしても一つに纏めなくてはならないが、そのためにはなんとかして、小さくしなければならない。


「難しいね、複数魔法を扱うってことは、それだけ搭載する魔方陣も増える。それに、変換炉も搭載しなくちゃならないから」


 俺の独り言が聞こえたのか、アナハイムが腕組みしながら眉間にしわを寄せて答える。


「自分の魔力を使うので、変換炉は外せると思うのですよね。ですがその程度では大きさにはそこまで影響はありませんよね」

「そうだね、結局のところ魔法陣(スクリプト)を複数搭載することに変わりはないからね」

「ん? なら魔法陣(スクリプト)を小さくしてしまえば良いのでは?」


 いままで何も言葉を発することなく黙って話を聞くだけだったサーシャが、突然そんなことを言う。


「あ、確かに」


 あまりに簡単な事だった為に完全に見落としていた。サーシャの言う通り、魔導具を構成している部品そのものを小さくすればいい。


「そうだね、けどこれ以上の小型化は難しいと思うよ。魔法陣(スクリプト)を作るのは、複雑で細かな紋様を正確に銀盤に刻まなくてはならない。僕も昔同じことを考えて試してみようかと思ったんだけど、あれは一流の職人でなければ無理だ……その時に纏めていた資料は、まだ捨ててなかったような……ああ、あったあったこれだ」


 魔法陣(スクリプト)の小型化は誰しも一度は考える事らしい。アナハイムは瓦礫の山から、変色して擦りきれそうな紙の束を引っ張り出してくる。


「これ、お借りできませんか?」

「構わないよ。別にガラクタの山に埋もれてたものだし……あ、そうだ魔方陣の現物も持っていくと良い」


 魔方陣についての蔵書……といっても手書きのレポートのようなものだが、それと現物を幾つか借りる事ができたので、一度宿に戻って目を通す。

 アナハイムから借りた資料は随分と細かに、そして分かりやすく書かれていており、これを読めば魔方陣についての知識を深いところまで得られるというレベルの出来だった。これをガラクタと一緒に埋めてしまうなんて勿体ない。


「逆に言えば、これだけ魔法陣(スクリプト)に詳しくても、この大きさより小さくすることはできなかったと……いや、本当に細かいな」


 銀板には十円玉の石垣のように細部まで細かな模様の彫られており、創造能力であればそう難しくないだろうと思っていたが、ここまで紋様が複雑だと、これを正確に創造するのが非常に難しい。

 まぁ、やるしかないんだがな。

 やる前から既に出来る気がしないが、それでも、他に方法も思い付かないので、この方法で成功させるしかない。自分の頬を叩き気合いを入れ、早速取り組む。


「というわけで、早速一つ目」


 現物と資料を見ながら、さっそく一つ創造する。

我ながら中々良い出来だ。これは一発目から成功したのではないかと、楽観的な気持ちで創造した魔方陣に魔力を流す。

 成功であれば銀盤に刻まれた身体能力の魔法が発動する筈だが、一向にそれが起こる気配はない。


「ま、最初からそう簡単には行きませんよね」


 その後は幾度となく失敗し、失敗し、失敗し、失敗を繰り返し、部屋一面に失敗作の魔法陣(スクリプト)がちらばり足の踏み場がなくなり、それでもなお失敗作を創り続けて、ようやくその時が訪れた。


「出来た……魔力を流せばちゃんと発動する……」


 ようやく完成した魔方陣を大切に握りしめ、達成感に浸りながら四肢を投げ出して横になる。窓の外に目を向けると既に日が上っており、傍らには大量の失敗作の山が積まれ、アナハイムの工房のような光景になっていた。

 その努力の結晶を見て満足感を覚えると同時に、最低でもこれとは別の魔方陣を最低でも後四つ作らなくてはならないことを考えると頭が痛くなってくる。


「単純計算であと四徹……今すぐ寝たいけど、これから試合なんだよねぇ」


 試合中に寝たい所だが、残念ながらそういう訳にもいかない。今の所はサーシャ、ルーク、ルナの三人に任せっきりで、俺の出番は全くないのだが、戦わずとも観ているだけでも色々と勉強になるのだ。

 というのも、国によって様々な戦闘スタイルがあるのだが、ティシュトルのように魔導具のみの戦い方、魔導具をメインに足りない部分を魔法や運動で補う戦い方、逆に魔導具を補助として使用する戦い方と、どの国も用途や目的は違えども戦いに魔導具を取り入れている。そのため彼らの戦い方は非常に参考になるので、出来る限り見ておきたい。



「……なんて御託を並べたところで、眠いものは眠い」


 俺はルークの戦う背中を眺めながらそう呟いた。

 今日は遅刻せずに試合に来たのだが、あまりの睡魔に全く試合内容が頭に入ってこない。


「しかし皆強いな。いや、ただ他の参加者が弱いだけなのか……どっちなのだろうな?」


 うつらうつらと舟を漕いでいると、隣に座っていたアルがそう聞いてきた。


「……ん? ああ、そうですね。一応は他の選手達も、数多く居る中から選び抜かれた優秀な方達だと思いますよ」


 意識の半分近くが夢の世界へ飛び立っていたので、アルの言葉に反応するのが遅れ、あくび混じりにそう答える。


「日頃から魔獣との闘いに身を置いているが故に、個々の戦闘能力はライラットの方が上ということか……そうか、その差を埋めるための魔導具か」


 大体は合っているが、ルナやルークを基準だと思われるのは困る。頭では理解しているだろうが、無意識下に刻まれていないだろうか。将来、軍事を任せられる立場の者が本能的に兵士の戦力を掴めないなんて事にならなければいいのだが。


「まぁ、アルは優しいですから……大丈夫で……しょう……」

「ん、余がどうか……む、寝てしまっているのか、まったく遅刻の次は居眠りとは、ユウリも意外とだらしないのだな」


◇◆◇◆


 気が付けば俺は一人暗闇に佇んでいた。一筋の光すら差し込むこともなく、辺りは静寂に包まれている。足元には黒い水が流れている。ドロドロとして少し暖かい泥のようなそれに、不思議と不快感のようなものはなかった。

 その状況になんの疑問も持たず、ぼーっとその場にとどまって居るとどこからか少女の声が聞こえてくる。だが、いつも何を言っているのかよく聞き取れない。分るのは、ただ少女が何か伝えようとしている事だけだ。

 暫くすると、いつものように少女の声は寂しそうに消えてなくなっていく。


 いつも……いつも? ……ああ、そうか。この夢を見るのは初めてじゃないのか。きっと今までも、俺が覚えていないだけで、同じ夢を繰り返し見てきたのだろう。

 


◇◆◇◆


「おはようございますユウリ様」

「……おはようございますサーシャ先輩」


 目が覚めると真っ先にサーシャの顔が飛び込んで来た。後頭部に感じる柔らかな感触から察するに、膝枕をしてもらっているのだろう。サーシャの顔の背後に見える天井には見覚えがあり、ここがアナハイム工房であるとなんとなく分かった。


「随分とぐっすりとお休みでしたが、良い夢はみれましたか?」

「夢……は、なにも見ていないですね、それより先輩がここまで運んでくださったのですか?」


 寝たままここまで運んでもらっている場面を想像すると、恥ずかしさから少しばかり顔が火照る。


「申し訳ございません。あまりにも寝顔が尊いものでしたので起こしてしまうのは忍びなく、試合も終わってしまい場所を空けなくてはならなかったので、勝手ながらここまで運ばせていただきました」

「……できれば次から起こしてもらえると嬉しいです。それはそうと、そんなに近づけられると起きられないのですが」

「……」

「……あの、先輩?」

「…………」

「えっと、その」


 何を言っても俺の顔を覗き込んだまま動いてくれないサーシャに、どうしたものかと困り果てる。このままでは起き上がることができないし、それに改めてまじまじと見つめられると照れてしまう。


「やあ、お目覚めかい? 美女に膝枕とはうらやましい状況だね」

 

 丁度良いタイミングでアナハイムが声をかけてきてくれた。サーシャも人前でいつまでも俺の顔を覗き込んでいる程無礼ではないため、顔を離してアナハイムの方に視線を向ける。


「すみませんアナハイムさん、勝手に場所を借りてしまって」


 ようやくサーシャの膝から頭を上げ、椅子に座りなおしながらアナハイムに挨拶する。


「いや、構わないさ。その様子だと昨日は遅くまで頑張っていたらしいね。それで? 感想の方は?」

「先ずはこちらを見てください」


 からかうようにそう言ってくるアナハイムに、俺はしたり顔で昨日創造した魔法陣(スクリプト)を見せる。



文字数の都合上少し中途半端な所で切ってしまいました。申し訳ございません。


からくりサーカス面白いですよね。ロボットと異能バトルが上手く融合した感じというか、ヒロイン可愛すぎるというか、林原さんがヒロイン役のアニメは外れがないなぁーと思いました。らんま然りスレイヤーズ然りエヴァ然り。

ところで、中の人が同じだからか、加藤鳴海が鷹村にしか見えないのは作者だけでしょうか。


追伸

次回の更新は二月以降になります。何分(なにぶん)リアルの方が多忙になるため、応援してくださっています読者の皆様には申し訳ございませんが、次回更新まで全裸で膝まづいて頭を垂れながら待機して頂くようお願い致します。。


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