表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/104

演奏

嶋沖秀樹は、ごく普通のピアニストである。


毎日流れてきたメロディを耳コピして、毎日自宅のスタジオで生演奏ライブを配信する、齢26のピアニストである。


今日も今日とて、無理なスケジュールで演奏会の日程を組んだマネージャーとひと揉めしたあと、行きつけのコンビニで塩むすび二個セットと温かい黒豆茶を買って家路についていた―――のだが。



キキキー!!キギユイ――――イイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


ぐわしゃぁああ!!


ぶちゅ。




真っ白な空間。

嶋沖秀樹の魂と…、女神が対面している。


「嶋沖秀樹さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「はあ?!」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください」


────────

田上詠(26)

レベル38


称号:転生者


保有スキル:演奏


HP:38

MP:45

────────




「というわけで…、いきなり草原に放り出されたらしい。ひどいな、これ!」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…ピアニストの前に現れた!


「スライムだ!!うわ、こんなにでかい…戦えるわけ、ない!」


うろたえる、ピアニスト。


「そうだ!保有スキルもらったんだった!《演奏》って…ここで?!ピアノもないのに!!」


うばほん!!


ピアニストが愛用しているグランドピアノセットが出てきた!


「よーし、とくと俺の演奏を聞け!そして酔いしれるがいい!!」


~♪


草原に美しい音色が響き渡る!

スライムはうっとりして聞き入っているぞ!


…あちこちからモンスターが集まってきて、ピアニストの奏でる音に魅入られている!


「…?うん?なんか…気持ちが悪いな…。ははーん、そうか、直射日光を受けてピアノの調律が乱れたんだな!クッソ…こんなんじゃ演奏できない、調律師がいないと…」


突如演奏をやめたピアニストに向かって、モンスターたちからブーイングが浴びせられる!!


「うっせえな!!ピアノの演奏は繊細なんだよ!狂ったピアノで曲が弾けるか!!」


えー、弾いてくれないの?

じゃあ食べるしかないよね!


スライムはピアニストをまる飲みした。


なお、残された狂ったピアノはセイレーンがもらい受け海の中に持ち帰ったものの、ビチビチと響かない音を立てるだけで美しい音色を奏でることはできず、そのまま藻屑になった模様。



「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


ピアニストは時間を巻き戻されて、コンビニの入り口前に立っていた。

コンビニの入り口で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それに気づく様子はない。


ピアニストはコンビニで塩むすび二個セットと温かい黒豆茶を買って家路についた。


家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「あっぶね!巻き込まれて俺の指に傷でもついたら…やっべー!!」


ピアニストは、多くのファンを魅了していたある日通りがかりのヤンキーにいちゃもんを付けられ、果敢に立ち向かった結果理不尽に右手を踏みつけられて完治不可能な損傷を負い、二度とピアノを演奏することが叶わなくなって悲観にくれましたが、何となく遊びに行った姉の家で姪っ子のちびっ子ピアノを指一本でアニソンを弾いてあげたところ尊敬の眼差しを向けられ、それがきっかけとなって指導者として活動をするようになり、何人もピアニストを育て上げたのち63歳でこの世を去ったという事です。

なお、葬儀の際はピアノの生演奏が流れ、本人は感動しながら空に昇ったそうです。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ