表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/104

眼鏡拭き 

中島洋太は、ごく普通のド近眼である。


毎日眼鏡を拭いて、毎日耳の上にある凹んだメガネ跡を気にする、齢36のド近眼である。


今日も今日とて、視界がぼやけてきたので格安眼鏡屋で新しい度数のメガネを新調したあと、行きつけのコンビニで眼鏡拭きクロスとブルーベリーヨーグルトを買って家路についていた―――のだが。



キイィイ!!キ――――イイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


ぐわしゃぁああ!!


ぶちゅ。




真っ白な空間。

中島洋太の魂と…、女神が対面している。


「中島洋太さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「はあ」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」


────────

中島洋太(36)

レベル3


称号:転生者


保有スキル:眼鏡拭き


HP:21

MP:4

────────




「というわけで、いきなり草原…うぉお、地味に日差しがきつくて…目が、目がー!!!」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…ド近眼の前に現れた!


「おわ!!スライムだ!!キラキラしやがって…武器も何もないのにどうすんだよ?!」


うろたえる、ド近眼。


「はっ、そうだスキル!!保有スキルもらったんだった!…って《眼鏡ふき?!》曇った眼鏡を拭いたところでどうなると…」


うばほん!!


几帳面印のマジカルクロス(超薄手極小サイズ)が出てきたぞ!!


「とりあえずメガネを拭いてみるしか…、ううむ、まつ毛に皮脂、ホコリに指紋…めっちゃ汚れてるな、…よし、ピカピカに…って、うん??」


極限まで磨かれたメガネが…魔道具化した!!

なんと、このメガネをかけると強力な鑑定ができる模様!!


「うーんとなになに、スライム;HP253336599997455‥‥って桁が?!ええと、♂、3004歳、ってはあ?!こんなん戦えるわけなんじゃん!!」


スライムは、何やら一人で焦っているド近眼のメガネが虹色に輝くさまを見て、キレイだなあと思いながらぼんやり眺めている。


「いや、ちょっと待て…弱点項目がある!メンタルよわよわ?!ナニその人間臭いの!!心に傷を負うと儚く溶けるって、何その人魚姫仕様!!くぅ、なにか…ダメージを与えるようなエピソードを見つけねば!!…趣味は押し花つくり、嫌いな食べ物はモヌケヌケラ草…どこにあんだよそんなもん!!」


スライムは苦手な食べ物の名前を聞いてびくっとなった!

これ、もしかして…のんびり眺めてたらヤバいパターン…?

疑心暗鬼の目を向け始めるスライム!


「尊敬する存在は保湿美容液の始祖:スムキ=ソノポ嬢、頑張っていることはダイエット、自慢できることはここ千年ほど毎日書いている日記。モンスター仲間からはおおむね好かれている、爆食グセがある事をやや嫌悪され気味であるものの人情に厚く多少の失敗を飲み込んで解決する大胆さが魅力のひとつである?…なんか弱点につながるような情報は?!ええと…保育園時代に寝ぼけてアラクネ先生を捕食して凹んだことがある、小学校の授業参観で夢は世界遺産のヨモ山をまる飲みする事と発表して恥をかいた、先日意中の女子に体重を聞いてしまいガッツリ嫌われた事には気づいていない…」


ちょ!!!

ナニこの人、なんで人の黒歴史えぐってくるの?!

てゆっかボク嫌われてたの?!


う、うわぁあああああああああああん!!!


パニクったスライムは目の前でギラギラと輝いているド近眼を丸のみした。


七色に輝くメガネごと捕食したため、スライムの全身は虹色に染まった!

派手好きな意中の女子が喜びそうだと思ったスライムは急いでスライ村に帰った!


不機嫌な女子スライムは光り輝く美しさに目を奪われ30分ほど見とれたものの、消化し終わって普通のスライム色に戻ってしまった途端に興味が失せたらしい。




「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


ド近眼は時間を巻き戻されて、コンビニの入り口前に立っていた。

コンビニの入り口で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それに気づく様子はない。


ド近眼はコンビニで眼鏡拭きクロスとブルーベリーヨーグルトを買って家路についた。


家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「あの衝撃では眼鏡も吹っ飛んで…何も見えない状態になって大変だっただろうな」


ド近眼は、メガネが無ければ目の前5センチの世界しかはっきり認識できない事を不満に思いながらも目を酷使する日々を送り続け、紛失や破損に備えて予備メガネを三つほど持ちながらボチボチ暮らしていたのですが、ある時イベントの打ち上げでべろんべろんに酔っぱらって眼鏡を踏みつぶし、0.01の裸眼で苦労しながら帰宅途中に溝にハマり大怪我を負ってしまった事でレーシックすることを決め、すこぶる快適な視界を手に入れたものの後年は老眼に悩まされ、しょっちゅう老眼鏡を踏みつぶしながら年を重ね、83歳で免許を返納した年の冬にうっかり運転用のメガネを踏みつぶしてしまい古いメガネをかけて新しいメガネを作りに行く途中の近眼ドライバーにはじき飛ばされ、天に召されてしまったとのことです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ