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☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


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104/104

しんぱいしなくていいよ!

桃山大樹は、ごく普通のイケメンの卵である。


毎日笑顔で挨拶をして、毎日誰かに寄り添って優しい言葉をかける、齢9のイケメンの卵である。


今日も今日とて、掃除当番を押し付けられたクラスメイトの手伝いをしたあと、通学路沿いにあるコンビニから出てきたおばさんがオレンジを二つ落としてしまったのでそれを拾って袋の中に入れてあげてから家路についた―――のだが。



キイィイ!!キ――――イイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


ぐわしゃぁああ!!


ぶちゅ。




真っ白な空間。

桃山大樹の魂と…、女神が対面している。


「桃山大樹さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「はい…」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」


────────

桃山大樹(9)

レベル38


称号:転生者


保有スキル:しんぱいしなくていいよ!


HP:12

MP:56

────────




「わあ、なんか草がいっぱい…大自然って言うんだよ、こういうけしき!」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…イケメンの卵の前に現れた!


「スライムさん、こんにちは!僕は桃山大樹です、ええと…」


少しうろたえつつも自己紹介をする、イケメンの卵。


「ぼく、保有スキルもらったんだ、うーんと、《しんぱいしなくていいよ?》って…なにかこまってるの?良かったらお話聞かせて!何か力になれるかも!」


スライムは昨日から少しおなかがゴロゴロして気になっていることを打ち明けた!


「うーん、ママのお薬があればすぐに治ると思う、《しんぱいしなくていいよ!》」


うばほん!!


ママがいつも出してくれる、おなかにやさしい整腸剤とぬるま湯が出てきた!


「はい、これのんでみて?今日は消化の悪いものを食べないで、やわらかく煮たうどんを食べて早く寝ようね。大丈夫、治るまでぼくも一緒に寝てあげる!さみしくないよ!」


うばほん!!


スライムサイズのベッドが出てきた!


「眠くなるまでちいちゃん(いもうと)が好きな昔話してあげるね。むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが…」


ヌクヌクのお布団をかけてもらって、心地のいい寝物語を聞かせてもらったスライムはあっと言う間に寝落ちした。


薬がバッチリ効いたスライムは、夢の中で美味しいものをいただいて満足している夢を見たあと、スッキリ目を覚ました。


昨日のお礼を言おうとイケメンの卵を探したスライムだったが、その姿を見つける事は叶わず、今も草原を巡って恩人を探し続けているという。




「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


イケメンの卵は時間を巻き戻されて、コンビニの近くに立っていた。

コンビニの入り口に近づく前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それに気づく様子はない。


イケメンの卵は、コンビニ前でおばさんが落としたオレンジを拾ってあげたあと家路についた。


家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「早く帰ってママに知らせなきゃ!」


イケメンの卵は、毎日お手伝いをしながらちゃんと勉強をして、しっかり運動も楽しみながら図書館にも通い、身も心もバッチリ育ってイケメンへと成長し、モテモテの学生時代を経て社会人になり、多くの人から頼られてたくさんの人に感謝されたものの、結婚して家庭を持ったころから優しさを振り撒く機会が減り、今までの功績もあって塩対応するようになったという評判が席巻するようになりましたが、「一番大切なのは愛する家族ですから」とにっこり笑ってスルーを決め、優しくて強いイケメンパパ、イケオジとして親しまれたのちガンコじいさんへと至るも見目麗しいことから人気は衰えず、84歳になってもバレンタインにはチョコをたくさんもらい続け「来年も10個は欲しい!」と宣った年の冬に風邪をこじらせ天に召されたという事です。

なお、通夜・告別式には、102個のチョコレートが棺桶に添えられたとのことです。



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