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☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


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102/104

バ美肉おじさん

日和見ひよこるは、ごく普通のVtuberである。


毎日視聴者さんの言葉を拾って盛り上がり、毎日ガッツリ配信日誌をつけて振り返りと反省と翌日の台本作りを欠かさない、齢36のVtuberである。


今日も今日とて、有休を使って24時間ぶっ通しライブをやると意気込んだくせに寝落ちしたことを謝り倒したあと、行きつけのコンビニでハチミツレモンスムージーと3倍盛りキャンペーンのカツ丼を買って家路についていた―――のだが。



キイィイ!!キ――――イイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


ぐわしゃぁああ!!


ぶちゅ。




真っ白な空間。

日和見ひよこるの魂と…、女神が対面している。


「日和見ひよこるさん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「はあ…(なんでVネーム呼びなんだろ・・」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」


────────

日和見ひよこる/神代旭(36)

レベル68


称号:転生者


保有スキル:バ美肉おじさん


HP:26

MP:80

────────




「というわけで、いきなり草原?!ってちょっと待て、なんで俺…ひよこるなんだよ!!!グおおお…華奢な手、微妙にダサいと揶揄されがちな和服モチーフのメイド服、ひよこ模様のエプロン!!サラサラの…艶やかな黒髪ツインテール!!鏡無いからわかんないけど、たぶん…キュッと口角の上がったアヒル口で、ばさばさのまつ毛に青緑色の瞳で釣り目、八重歯もちに違いないイイイイイイ!!!」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…Vtuberの前に現れた!


「はぅん(((@▽@;)))スライムだぉ!!!」


うろたえつつも、ついつい配信のノリで実況してしまうVtuber。


スライムは、テケテケしているVtuberから目が離せない!


「えとえっと!!保有スキル…《バ美肉おじさん》ってちょっと待て!!これ使ったらおっさんになるパターン?!使わない方がよさそ…」


うばほん!!


草原に…見るからにVtuberっぽい美少女(まれに美魔女もいる)がわんさか現れたぞ!!


「げえ!!あれは大御所のウラネブさん、吉田ソーセージさんもいる!!憧れの刺身御殿師匠だ!!みるきいタンにはぶさけちゃん、マロンチに…ちょっと待て、ここにいるのって全員バ美肉おじさんってこと?!あれVtuberランキング殿堂入りの子じゃん、中身おっさんだったのか~!!!」


「は、はわわ…僕チン実体化してる♡」

「あ、この前はコラボアリガト―!」

「こんなとこに来て生コラボとかWW」

「配信したーい!」

「ちがうもん女子だもん!」

「あたしも女子なのになんでえー?!」

「ものすごい盛大なネタバレ会場だな…」

「今年厄年だけあるな、ひでえ事になっちまった」

「つかここどこ?」

「ヤバ、僕アナタにガチ恋してました…」

「とうとみがヤバい!!」

「スミマセン、あの時の塩対応はですね…」

「ねえねえ確定申告どうした?」

「うちの事務所、バ美肉バレしろってうるさくて!!」

「個人勢もきついよ、だってさあ…」

「わかりみー!!」

「てゆっかみんな一旦整列しようよ、こっちは事務所勢ね~」

「ちょっと見て!!魔法使えるよ!!」

「うわ~!!魔法使い設定しとけばよかった~!!」

「ヤバイ、ゾンビがめっちゃ寄ってキタ━(゜∀゜;)━!」

「ヤバイ、吸血コウモリがバッタバッタと墜落していくぅ~!!」

「ギャー!!生虫寄ってきたんですけど!!」


やいのやいの!!


草原が瞬く間に騒がしくなった!!

取りまとめるようなリーダーがいないので、全体的にとっ散らかっていて…収拾がつかない!!


「ここに村作ろ~よ!」

「ええー、寝て暮らしたいな」

「せっかくの美少女設定を活かして無双だな!」

「帰らないと困るよ、歌手デビューの話あんだぞ?!」

「俺、嫁さんも子供もいるのに…こんなとこで死にたかねえよ!」

「僕ここにいたーい!」

「おい!!呼び出したの誰だよ!!」

「あいつだ!!」

「ひよこる見損なったぜ…」

「わざとじゃないぉ((((>_<。))))」

「無き落とし乙W」

「これだから個人勢は」

「そんな言い方しないでよ、ひよこるはめっちゃいいヒトで…」

「こんなとこに呼び出したのに?!」

「あたしはひよこるの配信で勇気をもらえたもん、だからデビューもできたんだよ!」

「うちのひよこるいじめんな!!」


ぎゃーぎゃー!!

わーわー!!!


スライムはなんだか耳が痛くなってきたので、マルッとすべてをまる飲みし、なかったことにした。




「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


Vtuberはを巻き戻されて、コンビニの入り口前に立っていた。

コンビニの入り口で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それに気づく様子はない。


Vtuberはコンビニでハチミツレモンスムージーと3倍盛りキャンペーンのカツ丼を買って家路についた。


家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「もうちょっと早く通りかかってたら、ようやくこぎつけたMIYABI”和”みみやちゃんとのコラボ企画がぽしゃってた可能性!!気を付けないとだねぇ(-_-;)」


Vtuberは、元気を撒き散らしながら笑いを取り、時に真面目に時にひた向きに時に甘い言葉を囁き数多のファンを魅了していましたが、不慮の事故に巻き込まれ全くの準備なしで急にこの世から旅立つことになってしまい、配信の機材やノーロックのパソコン、ご丁寧にパスワードの書かれた紙がケースのポケットに入れてあるスマホなどすべてを几帳面な弟に目を通された結果、本名はもちろんプライベートな写真や日記、こっそり書き溜めていたファンタジー小説などあらゆるものがさらされてしまったものの、本人は異世界転生をはたしてそこそこ愉快な毎日を送っており、恥ずかしさに打ち震える事なく仲のいい友人たちと共にはつらつと暮らしているそうです。




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