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☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


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フレンドリー

土田祐樹は、ごく普通のフレンドリーである。


毎日誰かに気さくに声をかけ、毎日周りにいる人たちとそこそこ盛り上がる、齢16のフレンドリーである。


今日も今日とて、初めて話した保健委員会で隣の席に座った女子とやけに盛り上がってライン交換をしたあと、行きつけのコンビニで西アルプスの天然水1.5リットルと徳用チョコ2パックを買って家路についていた―――のだが。



キイィイ!!キ――――イイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


ぐわしゃぁああ!!


ぶちゅ。




真っ白な空間。

土田祐樹の魂と…、女神が対面している。


「土田祐樹さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「ええー!マジか!!」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」


────────

土田祐樹(16)

レベル38


称号:転生者


保有スキル:フレンドリー


HP:36

MP:65

────────




「というわけで、いきなり草原にキタ――(゜∀゜)――!こんなことあるんだなマジで、さっくん(仲のいいツレ)が言ってたのはこれのことかー!!」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…フレンドリーの前に現れた!


「スライムだ!!これは…仲良くしたい!!」


うろたえない、フレンドリー。


「言葉分かるのかな?あ、保有スキルで何とかするパターン?《フレンドリー》って…ちょっと待て、魔法でも何でもないんだけど?!…いや待てよ、たしかコハポン(仲のいい女子)がクソスキルほど汎用性があってツヨツヨだと言っていた、これはなんとかなるパターンに違いない!!」


謎の自信がフレンドリーに漲る!!


スライムはなんだかビビった!!


ここでいきなり襲いかかったら…どっかの偉い神様にニッコリ笑って『とりあえず食べようとするのはもういい加減に卒業しようか』とこっぴどく叱られるパターンなのでは?!

だがしかし、いきなりおかしなマイルールで縛り付けにかかるおばさんにテイムされて仲良しの住む村をまるっと飲まされるようなパターンもある…、最悪なのはつまんないスキルで切り刻まれて未だに怨むを晴らすべくキモいデブに張り付いている大叔父さんみたいになるパターンだ!!


ああでもないこうでもないとうんうん唸るスライム。

よくない思考がグルグルと脳内を巡って…冷や汗がドバドバと出始めたぞ!!

噴き出した汗が、スライムの貧弱な体をガッツリ覆っている猛毒をべろんべろんと剥がしていく!!


「ちょ!!なんかお前めっちゃ具合悪そうじゃん?!無理すんな!!ええと何か…あ、そうだ、これ飲んで落ち着けよ!!」


スライムは差し出されたペットボトル(目の前でふたを開けてくれた!)を受け取り、ぐびぐびと飲み干した。

…西アルプスの天然水が身に沁みわたる…、スライムはHPとMPが全回復した!!


「なあなあ、よかったらさあ、この世界のこと教えてくんない?俺も自分の住んでた世界のこと教えるし!ってか、このへんめっちゃ平和そのものっぽいなあ、俺いいとこ来たわー!あ、腹減ってない?俺美味いおやつ持ってんの、徳用チョコって言ってさあ、まさに神的な美味すぎる食べ物で…」


フレンドリーはあっちゅー間にスライムとマブダチになった!


毎日愉快に暮らし、時にピンチを乗り越え、友情をガッツリ深め、気付いたら20年の時が過ぎていた。

流行り病に倒れたフレンドリーは、薄れゆく意識の中で「次に生まれ変わったら、また絶対に親友になってくれよな」と言い残し、目を閉じた。


スライムは親友を出会った草原近くの小高い丘の上に手厚く葬った。

思い出を何度も胸の中で反芻しながら墓の前で干からびたスライムは、やがて親友が眠る土と混じり、草原の一部になったという。



「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


フレンドリーは時間を巻き戻されて、コンビニの入り口前に立っていた。

コンビニの入り口で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それに気づく様子はない。


フレンドリーはコンビニで西アルプスの天然水1.5リットルと徳用チョコ2パックを買って家路についた。


家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「うわあ!!あの車タテッチ(可愛がってる後輩)の父ちゃんと同じ車じゃん?!まさか…ってケガ人いる!!救急車、きゅうきゅうさ!!おーい!!誰かこっち来て~!!俺電話すっから!!!あ、もしもし?!」


フレンドリーは、人あたりの良さと思いやりあふれる行動、笑顔のさわやかさに涙もろさと熱いハートその他もろもろを惜しみなく大放出しながら知人友人を増やし、時に笑い時に悩み時に踏ん張り時に救われ時に頼られ時に時に時に…とにかく充実した毎日を送り、愛のあふれる家族と数えきれない友人知人に見送られて80歳の生涯を閉じたとのことです。

なお、最愛の妻がかつて異世界で出会った親友の生まれ変わりであったことには全く気がつかず天に召され、あの世で事実を知ってお前女子だったのかよwwwと笑い飛ばしたことは月間エデンニュースで取り上げられ、なかなかの反響をもたらしたということです。




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