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厄介
「ちょっちょっと、出ていくってどういう事なんですか!? 説明して下さいよ〜」
「……あまり時間がねぇんだがな。 まあ要点を纏めると、俺らがこの町に来た時から、何者かに目をつけられてて、そいつがこれから俺達に危害を加えようとしてんだよ」
語るヴァルドレッドは、しかし平然としていた。
一方、いい加減な説明を聞かされたロウは、憤懣やるかたなしといった表情だった。
彼女といたら、結局はこのような結末に終わってしまう事が多い。
生まれ持った彼女の性質なのか、それとも彼女の性格がそうさせてしまうのか。
いずれにしても、ロウにとっては災難でしかない。




