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月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
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厄介

「ちょっちょっと、出ていくってどういう事なんですか!? 説明して下さいよ〜」


「……あまり時間がねぇんだがな。 まあ要点を纏めると、俺らがこの町に来た時から、何者かに目をつけられてて、そいつがこれから俺達に危害を加えようとしてんだよ」


 語るヴァルドレッドは、しかし平然としていた。

 一方、いい加減な説明を聞かされたロウは、憤懣やるかたなしといった表情だった。


 彼女といたら、結局はこのような結末に終わってしまう事が多い。

 生まれ持った彼女の性質なのか、それとも彼女の性格がそうさせてしまうのか。

 いずれにしても、ロウにとっては災難でしかない。

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