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月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
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目覚め

「ん……あれ……」


 ロウの目に、一瞬朧気な視界が広がり、徐々に晴れていく。

 いつの間にか寝入っていたようだ。


 窓を見ると、外の空は藍色に染まっていた。

 よっぽど長い時間眠ってしまっていたらしい。


 ロウは眠気と戦いながら上体を起こし、大きな欠伸をしながらベッドから降りた。


「……夜風にでも当たろうかな」


 寝ても覚めても、答えは出ない。

 むしろ、余計に頭の中がややこしくなってしまったような気さえする。


 陰鬱な心境の中、ロウはドアノブに手を伸ばした。

 その時だった。

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