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月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
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条件

「条件……ですか」


 ロウの脳裏に不安がよぎる。


「おうさ、まぁそこまで難しいモンじゃあねぇよ。 簡単に言やぁ、俺らの仕事の手伝いをして欲しいってだけだからよ」


 隣の男がゆっくりにじみよってくる。


「手伝いって……何をすれば……」


 不安げに尋ねるロウに、少年はニヤリと笑いながらロウの肩に手を回していく。


「なぁに、簡単な仕事さ」


 ゴクリと、生唾を飲むロウ。

 数多く、人間の醜い箇所を観察してきたロウだったが、このようなアプローチは初めてだった。

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