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月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
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好都合

 ロウの身を隠すには好都合かもしれない。

 通常の奴隷が逃げ出した場合、大抵はある程度探して見つからなければ、そのまま放っておくのは決して少なくない。


 しかし、ロウはその稀有な見た目が災いし、おそらく奴隷商人達は諦めていない。

 今頃、血眼になって探し回っているに違いない。


 ならば、ロウがこれから取るべき行動は、既に決まっているようなモノだろう。


「あの……僕もその町に住んでもいいですか……」


「ん? なんだ、お前も何かしらの事情持ちかだったのか、いいともいいとも。 ただ、少しばかり条件があるけどな」



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