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好都合
ロウの身を隠すには好都合かもしれない。
通常の奴隷が逃げ出した場合、大抵はある程度探して見つからなければ、そのまま放っておくのは決して少なくない。
しかし、ロウはその稀有な見た目が災いし、おそらく奴隷商人達は諦めていない。
今頃、血眼になって探し回っているに違いない。
ならば、ロウがこれから取るべき行動は、既に決まっているようなモノだろう。
「あの……僕もその町に住んでもいいですか……」
「ん? なんだ、お前も何かしらの事情持ちかだったのか、いいともいいとも。 ただ、少しばかり条件があるけどな」




