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月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
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思考不能

 やはりいくら考えても、自分が気を失っている間に何かあったとしか考えられない。


「あ、あの……ここは…どこでしょう」


 不安げに、ロウは肩をバシバシ叩いてくる少年に訪ねた。

 すると、少年はああと言って、ロウの肩を叩くのをやめ、大雑把に説明してくれた。


「ここはまぁ簡単に言やぁ、ならず者や人様に言えない事情を持った奴らの、最後の隠れ住みかってところだ」


 要するに、罪や貧困などで国に住めなくなった者達が勝手に住みついて、どんどん規模が増えていき、結果的に町になった場所という事だ。


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