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月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
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せめて

 せめて、灼熱の陽光を遮ぎる屋根のような物があれば、格段に疲労感は減るだろう。


 水中に潜るという方法も無い事は無いが、水中では例えじっとしていても、普段使わない筋肉を動かしてしまう為、陸に上がった時に凄まじい疲労と空腹が押し寄せてしまう。


 どちらにしろ、食べる物は必要なのだ。


「最悪、川底にある貝や草でも……」


 できれば、動物性タンパク質が望ましい。

 それが叶わないならば、せめて魚など栄養価の高い食物が手に入る罠を仕掛けるしかない。

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