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どうにか
「ねぇヴァルドレッドさん」
ベッドに仰向けで寝ているロウは、黙々と剣の手入れをしているヴァルドレッドに尋ねた。
「あー?」
生返事。
背後から呼びかけられたヴァルドレッドは、振り向きもせず、黙々と握っている剣の向きを変えながら眺めている。
「その……何ていうか……」
「それにしても助かったなあ、爺さんが仕事の依頼引き受けてくれて」
踏み込めない。
あれこれと試行錯誤してみたはいいものの、いざ話すとなると頭が真っ白になって、何て言葉を紡いでいけばいいか分からない。
「……そうですね」




