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内容
「……何だよ」
怪訝な眼差しでガインを見据えるヴァルドレッド。
「俺から出す条件はただ一つ」
ガインは顎から伸びた髭を手で撫でながら、ヴァルドレッドの目をジッと見据える。
「アンタの命を貰おう、大騎士ヴァルドレッド卿」
ヴァルドレッドを見据えるガインの目に、グッと力が篭った。
さながら、怒り狂う猛牛のような眼差しだ。
ロウはすっかりその眼力に気圧され、下を向いてブルブルと震えている。
一方で、対峙している当の本人であるヴァルドレッドは、真剣な眼差しではあるが、あまり気にならないようだ。
歴戦の大騎士にとっては、このくらい当然といえば当然なのかもしれない。




