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月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
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条件

 ガインは筋張った太い両の腕を組んで、考えを巡らせる。


 仲間の仇を討ってくれるのは良い。

 本来、ただの鍛治職人が仲間の仇など討てる筈もないのだから。


 だがしかし、頼む相手が問題だ。

 何しろ実行する者がその仇の一人に他ならないのだ。

 先に逝った仲間達の気持ちを考えれば、なんだか複雑な気持ちになってしまう。

 果たして、本当に手助けしても良いのか。


「……良いだろう、だが条件がある。俺もこれだけは譲れないし引けねぇ。絶対にな」



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