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月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
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これもまた

 これは何かの天罰か。

 それともタチの悪い誰かのいたずらか。


 見たくもない騎士の顔を、日に二度も見た。

 重ねて、あれだけ強く拒絶の意思を示したにも関わらず、二人は微塵も気にしている素ぶりすら見せない。

 その振る舞いが、ガインの神経を酷く逆撫でした。


「そうだったが、入ってすぐに気が変わった。 見たくもない偉大な大騎士様の顔を二度も見ちまったからなぁ」


「そうか! なら飯でも食って気分変えようぜ!」


 どうあっても、この騎士には敵わないと悟ったガインだった。


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