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だが
店内は何やら騒がしい様子だった。
酒に酔った客が騒ぎを起こすのは毎度の事で、そういった事は普段から見慣れているガインだったが、どうやら少し、いつもと様子が違うらしい。
「ここの飯はうめぇなぁオイ!」
山のように盛られた皿のタワー。
そしてつい先程まで、鼓膜に酷く焼きついていた女の声。
「ちょっ、食べすぎですって!」
呆れたような、分かっていたと言わんばかりの、まだ幼い少年の声。
老人は深くため息した。
そして角張った左手で顔を覆った。
言わずもがな、ロウとヴァルドレッドの二人だ。
再会は思ったよりも早かった。




