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月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
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ガイン老

「おう、こいつを新たに打ち直してくれ。 ガイン爺さん」


 言って、ヴァルドレッドは懐から包みを取り出し、ガインと呼ばれる老人に放り投げた。

 ガインは投げられた包みを片手で受け取り、すぐさま結びを解いて中を確認する。


「………てめぇ、こりゃあ」


 元から皺だらけだった眉間にさらに皺を寄せ、プルプルと小刻みに手を震わせるガイン老。

 包みの中に入っていたのは、言わずもがなレイスの聖剣の破片だった。


「アンタなら打ち直せるだろ。 勿論、相応の金は払うし、必要なもんも俺達が揃えるからよ」

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