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道のり
「とりあえず、先に刀匠に会ってから買い物を済ませんぞ」
「分かりました、ここから近いんですか?」
歩きながらに尋ねるロウ。
それに対し、ヴァルドレッドはいいやとかぶりを振った。
「俺達専属の刀匠は、この町の隅っこに建ってる小さなボロ小屋に住んでる。 これがまた結構な頑固ジジイで、気に入らねぇ客はその場で追い返しちまう」
だからいつまで経っても、ボロ小屋生活してるんだろうなっとヴァルドレッドはケラケラと笑う。
その後もヴァルドレッドは淡々と、これから行く刀匠の逸話めいた話を面白おかしく語っていく。
一方で、聞いていたロウはあらゆる想像を駆り立てた。
きっと、とてつもなく恐ろしい。
全身が筋骨隆々で、モンスターすら逃げ惑うような凄まじい眼光、手には血に濡れた斧など携えた狂人に違いない。
などと内心を震え上がらせているロウである。




