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ならば
「ふん、自爆か」
破城の聖剣を肩に担ぎ、鼻で笑うヴァルドレッド。
レイスの表情と仕草から何を企てているのか、瞬時に悟ったのだろう。
一方、的を射たヴァルドレッドの発言に、レイスは体をピクリと震わせ、目を見開いた。
しかしすぐに、この状況ならばそう推し量るのに苦労はしないだろうと、冷静な分析を頭の中で述べた。
気づかれた所でもう遅い。
ヴァルドレッドはもう、聖剣の爆発からは逃れられない。
半径一キロメートルにまで及ぶ凄まじい爆発だ。
例え今から踵を返して全速力で走った所で、到底間に合う筈がない。
ならば彼女が次に取る行動は決まっているだろう。
唯一希望があるとすれば、それはレイスを自爆させる前に仕留める事だ。
それ以外に、彼女達が生き残る道は無い。




