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月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
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執念

「おの……れ…」


 レイスの睨みは、より一層鋭くなっていく。

 犬歯をむき出し、眉間に皺を寄せ、今にもヴァルドレッドの喉元に喰らいつきそうな形相である。

 そんなレイスを、だがヴァルドレッドは哀れむような目で見据えていた。


 彼とて分かっているのだ。

 もう既に瀕死の重傷を負ってしまった自分には、万に一つの勝ち筋も残されていないだろうと。


 ならば、残された選択は一つのみ。

 我が身をかえりみず、最後の力を振り絞って、目の前の敵もろともこの世から消し去るのみ。

 手段としては、体に残っているありったけの魔力を聖剣に注ぎ込み、オーバロードを起こした聖剣で辺り一面を吹き飛ばすのがいいだろう。

 無論、聖剣とレイス自身は粉々に吹き飛んでしまうが、この際そうも言っていられない。


 心底、憎き相手にやられるくらいなら、道連れにしてでも亡き者にしてやる。


 それがレイスの選択であり、覚悟であった。


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