表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
15/101

一振り

 時間はない。

 一刻も早く彼女に近づかなければ、脱水症状に陥って完全に勝機を失ってしまう。


「やむを得ないか」


 目の前に広がるは燃え盛る炎の海。

 この大海を渡りきって、ヴァルドレッドとの接近戦に持ち込む以外、彼に選択肢はない。


 残り十二メートル。

 大海には、ランダムに炎の槍が突出しては消えを繰り返している。


「我が騎士道に誉れあれ!」


 駆ける。

 オレンジと赤色が占める熱の海をひた駆ける。


 湧くように上がる熱で、目がほとんど開かない。

 呼吸をする度に喉が灼けていく。


 残り八メートル。


 髪が次第に焼けていく。

 視界がグニャグニャに歪む。


 残り四メートル。


「……へぇ、お前にそんな根性があるとはな」


 残り二メートル。


「覚悟!」


 剣を頭より高く上げ、渾身の力で振り下ろす。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ