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白浜組の浴室
白浜組では次郎が風呂に浸かっていた。目まぐるしい一日がようやく終わったのだ。もちろん次郎には何がどうなっているのかなど分からない。ただ……アパート暮らしを始めてからも時々入ることもあったこの湯船が、ひどく温かく感じただけだった。
それゆえに……
「いつまで入っとんじゃあ! あ、てめぇ……どこまでも世話ぁかけやがんのぉ」
そのせいだろうか。いつまでも出てこない次郎を心配した頭が浴室に入ってみれば……次郎はぐっすりと眠っていた。
無理もないだろう。昨日は日の出前から叩き起こされ連行され。そのままずっと取り調べで眠ることもできず。車に揺られてついウトウトとしそうになったら、いきなり命懸けの大脱出。おそらく常人ならばパニックを起こした藤島同様に命はなかっただろう。
「ったく……面倒ばっかかけやがる。しかしまぁ……よぉ生きちょったのぉこいつマジで。ふふ」
意識のない次郎を風呂から引き上げ体を拭く。嫌そうな顔をしながらも次郎が生きていたことに安堵しているようだった。




