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もふもふもふもふふっ!! ~ ぬいぐるみのいるせいかつ ~  作者: 徳田タクト卍
☆ぬいぐるみたちと、もふもふでふわやかな日常☆
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もふもふたちと、秋を感じる。



 ちりり~…ん…



 夕食後、もふもふたちと遊んでいると、ベランダのそばに下げている風鈴が外から入ってくる風で揺れた。


「そういえばここ数日、クーラー付けないで窓開けてるけど、ほんと涼しくなってきたな~」


 開いたベランダの窓から時折風が入ってきて、風鈴をちりんちりんと揺らす。

 私は風に誘われるようにして、ベランダ用のスリッパを履いてベランダに出た。すると、私と一緒にぬいぐるみたちもベランダにやってきて、ベランダの手すりにぴょんこぴょんこと飛び乗ってきた。


「ん~…風が少し冷たくなってるなぁ。なんかほんの少しだけ、風の中に秋の匂いがするな~…」


 と、私が言うと。


「秋って匂いがしゅるんでしゅか?」


 と、くまくまが聞いてきた。


「う~ん、うまく言えないけど、その季節になると空気や肌に当たる風で『ああ、今この季節っぽいな』って感じるんだ」

「へ~そういうもんなんだぁ」


 と、うさろんは言う。


「僕たちは、匂いとかそういう微弱な変化とかは分からないですからね。人間て本当に不思議で素晴らしい生物ですね」


 と、柴田さんは手すりにぶら下がりながら言った。


「いや、私からしたら、しゃべらないはずのぬいぐるみ(あんたら)が歩いたりしゃべったりする方が、不思議で素晴らしいわ」


 と、柴田さんに言った。


 ベランダに凭れかかり、ベランダの手すりに頬杖を突きながら、夜空をぼーっと見る。空にはまだ、夏の雲…入道雲が佇んでる。でも、空気や風の匂いは秋のもので。


「…もうそろそろ、秋なんだなぁ」


 そう呟きながら、私はぬいぐるみたちと微かな秋の気配を感じていた。




 …のに。




「あっづぅ~…」


 その翌日。朝起きると、昨日の秋の雰囲気はどこへやら。クーラーを付けなきゃならないほど、室内は夏のようにむしむしと暑くなっていた。


「昨日は涼しかったのにー!秋みたいな雰囲気、どこに行ったのよー!も~…」

「ママさん、暑そうですね…」と、スネービーが言う。

「ドンマイにゃ、母上!」と、ちゃとにゃんが言う。


 秋になるのは、涼しくなるのはまだまだ先だな、と思う私であった………





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― 新着の感想 ―
[良い点] 今日も元気な、もふもふさんたちのわちゃわちゃぶりをご報告頂き、ありがとうございます!! 秋……ですね~。主さんとこのお家は、ベランダがあるのですね。おっきいな~。 まだまだ、たまーに、暑ぅ…
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