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もふもふもふもふふっ!! ~ ぬいぐるみのいるせいかつ ~  作者: 徳田タクト卍
☆ぬいぐるみたちと、もふもふでふわやかな日常☆
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もふもふたちと、梅雨。



 ザーーーーーーーッ………



 昨日から降り続く雨。今年は空梅雨なのかな?と思うくらい、毎日いい天気で雨なんてほとんど降らなかったけど…そうでもなかったみたい。


 雨は嫌いじゃないけど、洗濯物を外で干せないのがマイナスな点かな。いや、それよりも何よりも─…


「…柴田さーん」


 寝室に行くと、柴田さんがベッドの上で布団に丸まっていた。昨日からずっとこんな感じだ。


 柴田さんは私のお家に来る前、別の人のぬいぐるみさんだったみたいなんだけど…雨の日に悲しいことがあって。だから、柴田さんは雨が大の苦手で。

 でも、普段ならぬいぐるみたちが傍にいたら、雨の日でもリビングで遊んだりするのに、今回は寝室に籠りっきりだ。


「ぬいぐるみたちリビングで遊んでるけど…柴田さんも一緒に遊ばないの?」


 私はベッドにとふんと座り、布団にくるまる柴田さんに話をかけた。


「…遊びたいですけど、あまり気分がよくなくて…」

「そっか…」

「…昨日、夢を見たのです」

「夢?」

「はい…その……あの時の…あの、雨の日の夢を…」

「そっ…か…」


 布団から少し出てる柴田さんの頭を、優しく撫でる。私のぬいぐるみたちは歩いたりしゃべったりするけど、ぬいぐるみだから…涙は出ない。でも、すごく悲しそうなのが…柴田さんの声や表情から伝わる。


 私が柴田さんの頭を撫でていると。



 ───コンコン。



「柴田しゃーん、ママー入りましゅよ」


 と、くまくまたちが寝室に入ってきた。くまくまたちが来ると、柴田さんはゆっくりと布団から出てきた。


「柴田しゃん、やっぱりまだお元気ないでしゅか?」


 と、くまくまが言う。


「…はい、あんまり気分が良くないですね。一緒に遊べなくてごめんなさい」


 と、柴田さんが言うと、ぬいぐるみたちはふるふると頭を横に振り、そして。


「ぎうっでしゅ」


 と、くまくまは言いながら、柴田さんを抱きしめた。


「うさろんも…ぎゅっ」


 と、うさろんも柴田さんのことを抱きしめた。


「我輩もむぎゅ、にゃ」


 と、いつもはにゃーにゃー騒がしいちゃとにゃんだけど、静かにゆっくりと柴田さんのことを抱きしめた。


「わたしも…ぎゅっ、です」


 と、スネービーはぬいぐるみたちみんなを包むように巻きつき、抱きしめた。

 そして。


「私も─…ぎゅうっ」


 と、ぬいぐるみたちみんなを包み込むように抱きしめた。


「…ありがとうございます、みなさん」





 ザーーーーーーーッ………



 外では大雨が降る。


 みんなで優しく抱きしめた後、柴田さんは少し元気になったのか、リビングでぬいぐるみたちと楽しそうに遊ぶ。


 柴田さんの笑顔が見れて良かった。


 早く梅雨が明けるといいね、柴田さん。




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― 新着の感想 ―
[良い点] な、なんか、名作じゃないですか!! これっ!!!!! 泣きました。 涙が、ジワリ。 柴田さんの過去を、知っていますだけに、私……。 リアルな感情。 もふもふの、ぬいぐるみさんたち…
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