もふもふたちとじめじめダラダラ。
「あ”ーっ!あづい~…っ」
台風が近くにいるせいか、天気は一日中曇り空。太陽は雲の向こうにいるのに、暑い。それも、じめじめとした嫌な暑さ。
窓を開けると、むあむあとした熱気が入ってくるから窓は閉め、クーラーをつけて室内を冷やす。それだけじゃ足りずに、リビングの床でごろごろと寝転がる。床がクーラーで冷やされていて、冷たくて気持ちいい。
私が床でぐったりしていると、ぬいぐるみたちも私のそばで横になり、ぐったりしはじめた。
「なぁに?あんたたちも暑いの─って、あんたたちぬいぐるみだから暑くないか~…」
「ママのまねでしゅ~…」
と、くまくまはぐったりとした私の声までまねる。
「はぁ~…どうせ台風が来るなら、ついでに今年の夏の暑さも、今のうちに持っていかないかな?いや、来てほしくないけど…台風対策面倒だし」
「母上は夏は嫌いかにゃ?」
と、ちゃとにゃんが床でぐったりとしながら私に聞いてきた。
「いや?夏は嫌いじゃないんだけどさ~…今日みたいなじめじめした暑さが苦手って言うか。あ~…やる気が奪われるぅ~…」
「あなたのやる気がないのは、いつものことじゃないですか」
と、柴田さんはぐったりしながら、余計なことを言う。
「柴田さーん?お洗濯してあげましょうかぁ?」
「…すみません。お洗濯だけは勘弁してください」
「うーん、うさろんたちは暑さもじめじめ?もよく分からないからな~」
と、私をまねてぐったりとしながら、うさろんはそう言った。
「いいな~…あんたたちは~…ああ…あづい~…」
唸りながら、床でだらしなくぬいぐるみたちとごろごろする。
5月もあと数日で終わり。そろそろ、本格的な夏が来る─…前に、すでにダウンしている私であった。
遠くから、蝉の鳴き声が聞こえてくる─────…




