73 唐突に南へ・・・です。
さあ、今日も元気に狩りに出かけようと思って家を出ると。天位の7番カテュハさんがいた。
「よう、少年達」
「あ、こんにちはカテュハさん」
「最近頑張っているみたいじゃないか? 結構噂になっているぞ。まあ、といってもまだまだ変わり種がいるって酒のつまみにされてるぐらいだが、それだけでも大したもんだ」
「そうなんですか? ありがとうございます」
「さて、そんな将来有望なヒビキ君に本題だ。少年はこの迷宮都市からほぼ真っ直ぐ南にあるドレステルという街を知っているか?」
「ドレステルですか? 行ったことはないですが名前だけなら知っていますよ。有名な観光地ですよね」
「あぁ、そうだ。加えていうなら高給取りの上の冒険者のバカンス先として鉄板だな。この迷宮都市から飛空艇の直通航路が備え付けられているくらいだ。実際に私も男がいる時は真っ先にドレステルに行くな。白い砂浜で水着で戯れるもよし、賑やかな街を見て回るもよし。涼しい森の中を二人で歩くもよし。経験者から言わせてもらえば男女の仲が確実に縮まる恋のマジカル都市だよ」
「そうなんですか・・・」
そんな都市ならいつかたわわちゃんと行ってみたいなと思っているとカテュハさんが続けた。
「それでな、私はそこの市長と知り合いでなドレステル行きのチケットを4枚もらったんだ。私はタワワを連れて行くけどチケットが2枚余って・・・」
「行きます! 行きます! 是非連れて行って下さい!」
「・・・すごい食いつきだな・・・」
「はい!」
だって、たわわちゃんと恋のマジカル都市で海で水着だよ。行かない理由が何もない。
「まあ、だったら話が早い。明日の8時に空挺の船着場に集合な」
「はい!」
「あとこれは冒険者の先達としての忠告なんだが、冒険者が都市の外に出る時に武具や道具を置いていく奴がいるんだが、あまりいいことじゃない。都市の外だろうと力を求められる場合は多い。よい冒険者ってのはいつ如何なる時も戦える状態を保っているもんだ。私がそうだし、タワワもそうだ。だから少年。観光地に行くからって気は抜くなよ。完全武装で来るんだ。武具も医療品も非常食も夜の探索用に松明なんかも十分に備えて船着場に来るように」
そんな、偉大な先達からの忠告に俺は、
「はい! わかりました!」
と、元気よく返事した。
それから俺は急遽、今日の狩りの予定を変更して明日の準備を整えた。
俺とフルルの服や水着を準備して、ドレステルのオススメデートスポットなどを調べ、もちろんカテュハさんに言われたように武具も医療品も非常食も松明なんかも万全に整えた。
「いやぁ、明日が楽しみだなフルルくん!」
「・・・・・・・隊長はひょっとして馬鹿なの?」
「えっ⁉︎ いきなりどうした⁉︎ もしかして反抗期か⁉︎」
「ちがうし・・・」
フルルはとても残念な物を見るように首を振った。




