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65 メガネの弓使い、その6です。

「今のは卑怯です!やり直しを要求します!」


気絶から目が覚めたアストリアさんがそう言った。

いや、どこから見ても真っ当な決闘だったが?


「いいえ!そんな筈はありません!きっとコインが落ちる前に動いたんです! だいたい距離が20メートルしかないのが不公平ですよ!完全に彼女の距離じゃないですか⁉︎」


言いがかりが酷い!だいたい20メートルの距離を提案したのはメガネの方なのだが、それを指摘する前にたわわちゃんが言った。


「わかった。やり直しする」

「え? たわわちゃんいいの?」

「いい。納得するまで相手をする」


そうして再戦が決まった。今度は100メートルという距離を開けてだ。

すこし馬鹿馬鹿しい気持ちになりながらも俺はコインを投げた。

そして、コインが落ちると共に今度こそアストリアさんが空を飛んだ。

逆にたわわちゃんは一歩も動いていない。たぶん、有無を言わせないように初手を譲って迎え撃つつもりだ。

そんなたわわちゃんに上空からアストリアさんが勝ち誇った。


「ふっふっふっふっ。どうですか? これが私の必殺、空中浮遊です。どうです、こうなったら私は無敵なんですよ! 」


さっき、あっさりと負けたくせに高らかに勝ち誇るアストリアさん。

そんな、彼女に向けてたわわちゃんが魔法を放った。初級魔法ライトニングスピア。

神速の魔法はしかしアストリアさんには届かなかった。彼女は完全に射程の外にいた。


「無駄、無駄、無駄です。そんな物は届かないです。では、こちらからいきます」


彼女は矢を放った。

高所から射られた矢は勢いをまして地上に落ちてくる。

・・・・。

落ちてくるのだがたわわちゃんの攻撃魔法をかわす為にいかんせん距離が長い、たわわちゃんは危なげなくかわした。

あれ、これ決着つかないんじゃね? と思ったがそこはアストリアさんに一日の長があった。

次々と落ちてくる矢を冷静に避けているたわわちゃんが突如後ろにとびのいた。

そして、たわわちゃんが立っていた所に何かが突き刺さった。

何かというか矢だ。それが矢だと分からなかったのは地面に刺さるまで透明だったからだ。光学迷彩。たぶん風の魔法で大気を屈折させたんじゃないかと思う。

また、ご丁寧に上から説明があった。


「どうですか? 私のクリアアローは? 風を纏って透明化するだけじゃなく軌道すら変えることが出来るんですよ」


決闘の最中にネタバラシするのはどうかと思うが確かに強力な能力だと思う。


「ふっ、もはや貴女に勝ち目はありません。今降参するなら許してあげますよ。カイル様を投げ飛ばした事を誠心誠意謝り、二度とカイル様に近づかないと約束すれば痛い思いはしなくてすみますよ」

「必要ない」


たわわちゃんは相手の言い分を斬って捨てた。


「あの男と二度と会わないのは構わないけど謝るつもりはない。それにこの決闘負けるつもりは欠片もない。そもそも、私がそこまで行けないと何故決めつける?」


そう言うとたわわちゃんはその身に雷を纏った。

そして、再度ライトニングスピアを放つ。

それは先ほどと同様に双方の半ば辺りで拡散した。

だけどそこに、何もない空中にたわわちゃんがいた。


「は?」


理解不能の光景に唖然としていると空中でたわわちゃんはもう一度ライトニングスピアを放った。

今度は射程距離内だ。だけど、すこしずれている。ライトニングスピアはアストリアさんの隣を通り抜けたかと思ったらアストリアさんの頭上にたわわちゃんがいた。もう、意味不明だ。瞬間移動のスキルでも持ってんのかよたわわちゃんは?

そして、頭上からたわわちゃんがアストリアさんを蹴り飛ばした。


「ぐへっ!」


そんな、呻き声をあげながらアストリアさんは吹っ飛んだ。

つーか、まずい! 浮遊板から落ちた!


「きゃああああああ!」


悲鳴をあげながら地面に落下していくアストリアさんをみて、あ、これは死んだなと思ったけど彼女の隣を再度ライトニングスピアが通り抜けたあと、たわわちゃんがアストリアさんの腕を掴んだ。しかも逆の手には浮遊板を掴んでいる。

二人分の重さを支えた浮遊板はゆっくりと地上まで降りてきた。

そんなたわわちゃんを俺は出迎えた。


「お帰りたわわちゃん。そこのスイッチを押すと浮力が消えるらしいよ」

「これ?」


たわわちゃんがスイッチを押すと浮遊板はカランと地面に落ちた。ついでに抱えていたアストリアさんも地面に寝かせた。

彼女は完全に気を失っていた。

そんな彼女をフルルにお願いして亜空間ボックスで休ませた。

そしてたわわちゃんに提案した。


「これで帰ってもいいんじゃない? もう決着はついただろうし、起きてまたぐだぐだと言い合うのも疲れるしさ?」

「・・・うん。彼女は任せてもいいの?」

「今日だけだけどパーティー仲間だからね。これからギルドに行って報酬の分配とかもするから任せてといて」

「じゃあお願い」


そして、街に戻る事になった。


「ところでたわわちゃん? 空中に瞬間移動したやつ、あれどうやったの?」

「自分の身体を半精霊化させてライトニングスピアに乗ったの」


意味不明の説明だった。

それからたわわちゃんと別れギルドで手続きしているとアストリアさんは目覚めた。

また色々いちゃもんが出るかと思いきや彼女はあっさりと負けを認めた。

そして、手続きが終わると彼女とは別れた。

こうしてメガネの弓使いとの即席パーティーは終わりを迎えた。



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