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番外編 告白(?)の行方

二章、情報戦? 参照


 ディストピア内部の食堂。

 そこには、用意された食事にも手をつけず、頬杖をついて虚空の彼方を見つめているアリアの姿があった。


「魔王様、難しそうな顔……どうしたなの?」


 そこにたまたま居合わせたフェイリスは、アリアの真ん前に座るようにして話しかける。

 その手にはお気に入りのスムージーが二つ持たれており、しっかりとアリアの分まで用意されていた。


 本職のエルフが作ったということもあり、そのスムージーは格別だ。

 このディストピアの中で、嫌いな者は誰一人として存在していない。


「……あぁ、フェイリスか。暇すぎて逆に考え事をしておったのじゃ」


 チラリとフェイリスの顔を確認し、しっかりとスムージーを受け取るアリア。

 アリアの話によると、暇を持て余しており、することが見当たらないらしい。


 脳天気なアリアがついつい考え事をしてしまうほど、ディストピアは平和な状態が続いていた。


「やはり敵が来ないのは仕方ないのかもしれんのぉ。ベルンから聞いた話じゃと、人間界はめちゃくちゃ混乱しておるようじゃし」


「あれだけ大量の人間が死んだら当然なの。私は平和な方が好きだけど、魔王様は戦いたいなの?」


「そうじゃなー。人間は貧弱じゃから、もうちょっと骨のあるやつと戦ってみたいのじゃ」


 アリアは胸の中にある欲望を、隠すことなくフェイリスに打ち明けた。

 魔王の相手として、人間という存在はあまりにも力が不足している。


 そもそも。

 息を吐けば吹き飛んでしまうような者に、魔王の相手が務まるはずがない。

 むしろフラストレーションがたまっている――と言っても過言ではないだろう。


 平和主義のフェイリスとは逆に、アリアは混乱を求めていた。

 それは、かつて戦った東の魔王のことを、ずっと恋する乙女のように思い浮かべているほどである。


「そうだ。リヒトさんに伝説の魔獣とかを復活させてもらったら、魔王様も楽しめるかもしれないなの」


「うーん……良い案かもしれんが、あやつはやってくれんじゃろうなぁ……」


「私もそんな気がするなの」


 フェイリスの提案は、リヒトに聞く前にあっけなくボツとなってしまう。

 もしお願いしたとしても、アリアが怒られて終わりになるはずだ。


「今度リヒトさんと相談してみるなの。話せば分かってくれるかもしれないし」


「……やけにリヒトと仲が良いんじゃな?」


「実は、この前リヒトさんに告白されたなの」


「――マ、マジで!? なんで!? いつ!?」


 急すぎるカミングアウトに、アリアは口調も忘れて質問を畳み掛けていく。

 思い出してみると、フェイリスとリヒトが二人組でいるところを何回か見かけたことがあった。


 その頃から関わりが始まっていたのか。

 年齢を重ねた今となっても、恋愛ごとに興味は尽きない。


「東の魔王城に潜入する時に――これからずっと俺の近くにいてくれって……ぽっ」


「ほうほう。なかなか男らしいプロポーズじゃな。フェイリスが熱になるのも分かるわい」


「とてもカッコよかったなの。あれって、やっぱりプロポーズだったなの……?」


「当たり前じゃ! 変なところで弱気になるでない。フェイリスはしっかりと受け止めてやれば良いのじゃ!」


 フェイリスは、軽く顔を赤く染めてアリアを見る。

 これまでずっと疑問に思っていたリヒトのセリフ。

 アリアの後押しによって、やっとプロポーズとして受け取ることができた。


「魔王様、ありがとうなの」


「うむ、構わんぞ。フェイリスが幸せなら、儂も嬉しいからな」


「えへへ。リヒトさんの能力は、魔王様のために使わせるなの」


「おお! 楽しみにしておるぞ!」


 外に出ているうちに、能力も自由も縛られてしまうリヒトであった。



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