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モブ女子、魅惑のバスタイムです!

今回も読んでいただき、ありがとうございます!


友達とのお風呂は最初は緊張します!入ってしまえば、気にならないのですが


新しい旅の仲間が入った私たちは、引き続き森の奥へと向かう。


その後も刺客やモンスターの襲撃は続き、今さっきも森の中でなぜかタコの頭がついたそれ以外は野獣のモンスターに襲われて墨だらけになってしまった。



「もう!!なんなのよ〜〜これ!!」


「ぺっ!ぺっ!!なぜ、こんなところに海の生き物がいるんだっ!庶民の女っ!!」


「いや、私に怒られても・・・・」



幸い、毒やマヒの心配はない、本当にただの墨のようだった。


ちなみに、ジークフリート様はもともと黒い鎧なので墨がかかってるのかもよく分からない。



「あ!そうだわ!!確か、この近くに小さな湖があったはずだから、そこで水浴びしましょ!!」


「えっ!?ちょ、ちょっと、イザベルさぁぁぁーーーーーーんっ!!」



イザベルは私の手を取ると、その湖とやらのところまでダッシュで走り出した!


かなりヒールの高い靴履いてるのに、メチャクチャ早いですね!!



「お、おい!!きさまらどこに行くっ?!」


「・・・・俺たちは、近くで休んでいましょう」


「い、いいのか!?あの女と庶民の女を2人にして!!」


「水あびなら、我々が側に行く方が問題ですから」


「ぐっ!!」




男性達は湖の手前の森の中で、今夜の焚き火の準備だ。


ジークフリートも心配をしていないわけではないが、まさかそこへ自分が混ざるわけにもいかず、ボルケーノ様へこっそりお願いすることにした。




『よかろう。しかし、お前達はお互いに・・・・面白いな』


「おもしろい、とは?」


『くくっ!いや、それは我が言うことではない』


「???」




ボルケーノ様も最近何か言葉に含みをもたせるが、俺にはよく分からない。







「さ、ついたわよ!」


「うわぁ〜〜〜本当に湖だ!!」




前世の時から海は近くにあっても、湖と呼ばれるものはほとんど縁がなくテレビや本以外で直接見たことも1・2回しかなかった為、その光景はほとんど初めてのような感覚に近い。


見た目的には直径10メートルほどの、湖としては恐らく小さめのそれは、森の木々と花々に丸く囲まれていて、空から注ぎ込んでくる太陽の光が水面で反射し、木々の緑の姿とともにキラキラと美しく光っていた。



「きれーーーーーっ!!」


「奥に行くとけっこう深いから、そこは気をつけなさいね。手前ならだいぶ入りやすいわ」



そう言うと、私の目の前でイザベルはなんの遠慮も恥じらいもなく、墨で汚れた服を手早く脱いでいく。



「ちょ、ちょ、ちょっと待って!イザベルさん!!」



目にまぶしすぎるナイスなバディーを惜しげもなく晒そうとするイザベルを途中で止めると、イザベルは不思議そうに私の方を見る。




「なぁに?女同士だし、私は全然気にしないわよ?」


「いや、あの、そこはちょっと気にしてほしいけど、そうではなくてですね!!」


「???」



せっかく体を水で洗える機会ならと、こっそりボルケーノ様にダメ元でお願いしてみたら、なんと!うっかりオッケーをもらってしまった。


長時間は無理だが短時間ならオッケーということと、湖の中にいるお魚さん等には影響がないように狭い範囲に限定して、湖の一部を温泉のように温かいお湯にしてもらいました!!



いや〜〜〜なんでもお願いしてみるもんですね!!



ちなみに墨で汚れた服は、その間に洗って木の枝に干してあります。




「・・・・あなたって魔法も強いだけじゃなくて、色々本当にすごいのね」



湖の端っこで、岩に囲まれたその温泉に一緒に入ったイザベルは、私のことをずっと何か珍獣でも見るような目で見ている。




「いや、あの、これ、私がすごいわけじゃないんですけどね!」



ちらっと横目でイザベルを見れば、お湯の中でも主張して浮いている、豊かなアレが!



くっ!!


悲しくはない!全然悲しくはないぞ〜〜!!



手首についている銀で出来た少し太めのアンティークだろうか?オシャレなデザインのブレスレット以外、何も纏わぬイザベルの体は、女の私から見ても本当に美しいものだった。


あと、太ももの内側に何かあざのようなものが見えたが、やけどかタトゥーのようなものだろうか?



「はぁ〜〜〜気持ちいいわね。こんな風にゆっくりお湯に浸かったのなんて、どれぐらいぶりかしら」


「普段、あまりお風呂に長く入らないんですか?」


「・・・・そうね。そう言う時間が持てれば、一番いいんだけど」


「ーーーーーーー」



どこか遠くを、普段とは違う表情で見つめるイザベルにそれ以上は聞いては行けない気がして、私はそれ以上その話題をふることをやめた。




「そ、れ、よ、り、も!」


「へ?」




ギュッ!!




「ふおぉぉぉっ!!!」




わ、私の背中にものすごい主張のアレが!アレがァァァーーーーーーーっ!!!


って、何で私女同士なのに、こんなに焦ってんだ??


いや、これみんな実際にやられてみたら分かるって!!


女性でも、後ろからこんなナイスなバディーにくっつかれたら、一気に男性の気持ちになっちゃうって!!


はい、とっても柔らかいです!!って、何だこの感想っ!!




「それで、クローディア。あなたの本命はどっちなの?」


「へ・・・・へっ!?」



至近距離で、なぜか女である私に対しても無駄に溢れ出す色気を漂わせながら、イザベルは流し目をクローディアに向けてくる。




「いやだわ、いるんでしょ?あなたの大切な人が」


「あ、えっと!その、は、はいっ?!」



申し訳ないが、イザベルの色気にあてられて顔が真っ赤になりつつ、思考がだいぶ混乱中だ。



「あら、可愛い♪」


「・・・・・ッ!!!」



ど、どうしよう!?


普通に答えて良いなら、何の迷いもなくジークフリート様とすぐに答えるのだけれど。


彼女はアルフレド王子ルートのサブキャラであり、本来ここで彼女の質問を受けるべきはアルフレドを攻略中のローズということになる。


別にアルフレド王子を攻略したいわけではないから、そこでフラグが折れる分には何の問題もないんだけど、この後の流れにどう関わってくるのかが全く分からない。


ジークフリート様の死亡フラグがどんな形で新しく立つのかもこのルートでは全く読めない為、少し慎重になってしまう自分がいる。



「・・・・・・・」



どうしていいか分からず考え込んでいると、その様子をしばらく楽しそうに見つめていたイザベルが、スッとクローディアから離れた。




「・・・・いやだわ、分かってるわよ。あの騎士さんでしょ?」


「あっ、は、はい!そう、です!!」



こっちで良かったのか!!


言い終わるとともに、私はぶくぶくとお湯の中に顔の半分まで埋める。


別に隠すことでも否定することでもないのだが、人に言われるとなんだかすごく恥ずかしい。


これもイザベルの色気のせいだろうか?




「ねぇ、騎士さんのこと、いつから好きなの?」


「い、いや〜〜〜実は、生まれる前からでして」


「・・・・あら、あなた冗談が上手いのね!」




本当のことを言ったら、笑われてしまった。


うーーーん、嘘じゃないんだけどな。




「い、イザベルさんは?」



こんな美女が好きになるのは、一体どんな男の人なんだろう?


惚れられることはあっても、惚れることとかあるんだろうか?



「・・・・私?もちろん、私にもいるわよ」


「えっ!!ど、どんな人なんですかっ!?」




どうしよう!!なんかワクワクしてきた!!




「なぁに?あなた、すごい嬉しそうね?」


「だ、だって、イザベルさんみたいなキレイな美女が好きになる人なんて、興味津々です!!」



思わず、握った拳に力が入ってしまう!




「・・・・私は、キレイなんかじゃないわ」


「えっ??」




小さくボソッと言われたその一言は、私の耳には届かなかった。



「なんでもないわ。そうね、彼はすごく優しい人よ」


「おぉ〜〜!!そ、それで?」


「真面目でお人好しで、損ばかりしているような人」


「へぇ〜〜〜なんか、少し意外です。イザベルさんなら、仕事も女の人の扱いもスマートなできる男!みたいな人なのかと少し思ってました」


「あら、そうなの?そういう男は大抵浮気するから私は嫌いよ」


「な、なるほど!やっぱりそうなんだ」


「・・・・彼はね、私の幼馴染みなの」


「おぉ〜〜恋愛の王道が来たっ!!」



待ってましたよ、恋バナ!!


そういえば、前世ではろくにしたことなかった!!



「彼とのこと・・・・聞きたい?」


イザベルが、小悪魔のような怪しい笑みを浮かべながら聞いてくる。


もう、いちいち色気をふりまかないでください!!


うっかり、ドキドキしちゃいます!!



「は、はい!!ぜひっ!!」


「そうね。そしたら、この温かいお湯に浸からせてもらったお礼に、特別にあなたには話してあげる」


「いやったぁぁぁーーーーー!!!」




両手を上げて喜びながら、私は彼女のこれから話すことが、この後の出来事に深く関わるんだなと強く感じていた。


彼女はアルフレド王子とローズにとって、何か大きな意味をなす大事な人。


こんな風に過去の話をしてくれるのもきっと、すごく意味があるのだ。


多分ここにいたのがローズだとしても、彼女は過去の話をしたんじゃないだろうか?



「彼とはね、私の生まれ育った『ソフィーネ村』で出会ったの」




イザベルはいつもよりも柔らかい表情になりながら、その当時のことを思い出しながら話し始めた。




本当は、イザベルを警戒するジークフリート様がバスタイムを近くで見張りつつその内容を聞いている…という流れだったんですが。


いざ書いてみたら、真面目なジークフリート様はそばにすら近寄りませんでした!


そのことに気づいたイザベル様がわざとクローディアの体にさわったり〜とかの悪ふざけを書きたかったんですが、残念です

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