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モブ女子、大切な温かい場所

今回も読んで頂き、感謝です!


身近な人にお礼を言うのは照れますね。


クローディア=シャーロット、またしてもやってしまいました!!



護衛という名の死亡フラグを折るため、2人に着いて行くことばかりに一生懸命になってしまって、肝心のどこへ2人が向かうのかを聞き忘れてた!!


グレイさんにそのことをズバリ言われて、頭の中が一瞬で真っ白になってます。



「ーーーーーやっぱりな」



さすがです、騎士院でのお母さま。


そんな大きなため息をつかないで下さい。


でもやっぱりってことは、聞いてないこと前提で尋ねたんですね?



えぇ、大正解です。




「・・・・・・すみません」



自分のうっかりさ加減に激しく落ち込んで顔を俯かせていると、グレイさんが新しい紅茶を静かに私のカップへと注ぎ入れてくれていた。



「たぶん、そう来ると思って調べておいた」


「えぇっ!?ど、どうやって?!」


「ーーーーーそれは秘密だ」



グレイさんはそう言うと、自分のカップに口につけ、目を閉じて静かにおかわりした紅茶を味わいながら飲んでいる。



「・・・・・それ、流行ってるんですか?」


「ーーーーーはやる、とは?」



赤い薔薇とか、通りすがりの謎の神官とか。



「いや、なんでもございません」



説明が面倒なので、今はやめておこう。




グレイさんの隠密情報?によると、アルフレド王子と団長が向かう予定だったのは、緑の魔女が住む『翠の山』。


またの名を『翠の森』とのことだった。


なぜ森なのかと聞けば、緑の魔女の所にたどり着くためには必ず通らなくてはいけない森がいくつか続き、その中でも行方不明者続出の『迷いの森』が有名だからだという。


これがゲームなら攻略本でも、ネットの攻略掲示板でも正しい道の答えは簡単に見つかるが、現実では相当に攻略が難しいらしい。


強いモンスターもたくさん出るらしく、聞いてるだけでも十分難易度は高そうだ。




『西側はね、あの伝説のエルフの里と繋がってるって言われてるすいの山だよ♪』



そしてレオが以前話してくれたように、翠の山からは『エルフの里』が繋がっている。


エルフの里はどんな病気もケガも呪いも、全てが治ると言われる万能薬の宝庫で、あらゆる回復薬がゲームでも揃った。



グレイさんによると、その近くに住んでいる緑の魔女も同等の薬が作れるらしい。


まさかの、回復専門の魔女様だろうか??



そしてアルフレド王子のお母さんのマーサ王妃は今療養中との噂だったのだが、実はある日を境に原因不明の眠りについてしまったらしい。



そして『眠れる美女』として、王宮の渡り廊下から行ける展望台の最上階にて、今も深い眠りについているとのことだった。


そういえば、ゲーム・リベラトゥールのCMで謎の美女が大きなベットの上で眠っているスチルが出てたけど、つまりあれこそが噂の王妃様!


いやこれ、ゲームのメインストーリーのはずなんですけど、私にはサブストーリーですから!!



「もしかして、その原因不明の眠りって・・・・むぐっ!」



その瞬間、グレイさんの大きな手が私の口を塞ぐ。



「ーーーーーたぶん、な」



それ以上は声に出すな、と。

グレイさんの金の目がまっすぐに伝えていた。


第一王子と第二王子の確執。


少し考えれば、考えなくともよくやったゲームではなんともお馴染みな王室あるある。


その王妃の眠りにも、第二王子派が大きく関わっているのだろう。


今回の旅にも絶対にその手が伸びてくる。



ポンッ!



「ーーーーーーあまり、無茶はするなよ?」


「!!??」



真剣な顔をして考え込んでいた私の頭に、口を塞いでいたグレイさんの大きな手が乗っかった。



心配してくれている。



この人はいつだってジークフリート団長や他の騎士院の皆の為に、温かく心地よい場所を用意して待っていてくれる、本当に優しい人だ。



『そういう人間は、人に助けを借りるのが苦手だ。俺は、そういう人間が安心できる場でありたい』



エリザベス様の思い出の中で聞かせてもらった、グレイさんの気持ち。



なんだろ?

胸の奥が、くすぐったいや。



前世の時は人と深く関わるのが苦手だったから、人に優しくしてもらうのに慣れてないのかもしれない。



大事にしてもらえるのが、こんなにも嬉しい。



「はい・・・グレイさん、いつもありがとう!」



「ーーーーーーッ!」



いや〜〜、改めてお礼を言うのはなんだかすごく恥ずかしくて、笑顔がなんか変になってるかもしれないけど、普段の感謝が少しは伝わっただろうか??






「グレイ副団長ッ!!今クロエが来てるって・・・・・ッ!!」



「れ、レオッ?!」



「く、く、く、クロエぇぇぇ!!会いたがったぁぁぁーーーーーー!!!」



「・・・・・うごふっ!!!」




その後ーーーーーー特訓後のボロボロな状態で走ってきたにも関わらず、私を見つけたとたんにものすごいジャンプで飛びかかってきたレオにさんざんタックルされて泣きつかれた。


思わず、アップルパイが喉までこんにちはしてきたよ。


そういえばここ数日、レオとは会ってない。


しかも、これから私の方がアルフレド王子の護衛でしばらく王都から出ることをグレイさんが話してしまい、またさらに激しく泣きつかれてしまった。



これ、あれだ。



保育園で毎朝見てた、お母さん!僕を置いて行かないで!!の光景にそっくりだ。


いや、私よりもお母さんキャラはグレイさんだから!




「・・・・おかあさん、たすけて」


「ーーーーーークロエ、そんな目で見ても俺はお前のお母さんじゃない」


「クロエぇぇぇ!!!俺も一緒に行くーーーーーーッ!!!」




こんな温かいやりとりも、しばらくはお預けだ。




明日から私はアルベルト王子の女SP!!


もちろん気分は、真○よう子で!!


色んなものが、特にボリュームが足りない!とか言わないで!分かってるから!!




あっ!そういえば、黒い洋服って持ってたっけ??


私は形から入るタイプです。


しばらく騎士院チームの彼らとはお別れです。


恋愛ゲームをしていると、この間までは恋人のような、親友のような感じだったのに、違う人のルートだとそっけなくされ、下手すると敵になり・・・と、ゲームじゃなくて現実だと大混乱しそうだなと思いました。


あれ??今回のの私と君の関係って、なんだっけ??みたいな。


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