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モブ女子、新しい死亡フラグが立ってしまいました!

今回も読んでいただきありがとうござます!


これから新章のスタートになります。新しいキャラも出るとは思いますがよろしくお願いします!


死の山の大イベントが終わってからは、とても平和な日がしばらく続いた。



死亡フラグも小さなものが多く、レオが特別訓練で中々一緒にはいられない時でも1人で何とかできたり、ピンチになればボルケーノを呼ぶことで危険な目にはあっていない。


あと、時々不思議なことに本当に危険な時は、奇跡が起こっていつのまにか敵が勝手に倒れたり、負傷していたりすることがある。


ボルケーノに聞いても、我にも分からぬと笑うばかり。



絵本によく出てくる、妖精か小人の手助けだろうかーーーーーー??





いや、危険な目にはあってたよ!!


ついこの間ルークにボルケーノのことでお礼を言いに行ったんですが、もうこれでだいたいお分かりでしょう。


あの野郎、それならこの呪いも解いてくれる?と、ニッコリ笑顔で本物の呪われたツボを渡してきて、うっかり油断して受け取ってしまったら、そこからゾンビがうじゃうじゃ現れてのリアルバイ○ハザードがスタート!


ゲームは大好きだけど、ホラーもグロも大嫌いです!!


急いで呼び出したボルケーノもこれはいい魔法の特訓になるって、助けるどころか守ってはくれずあれは死ぬかと思った!!


えぇ、全て燃やし尽くしましたよ。

あまりの恐怖に、最後にはプッツンキレて。


そういえば、あの時の記憶は少しだけ曖昧なんだけど、その後なぜかルークがいつも以上に君はなんて面白いんだろう!!ってウキウキしながら喜んでたっけ。


彼の面白いポイントが未だによく分からない。





そして、今日も私はいつものごとくランチのお弁当を届けに騎士院の執務室に来ております!!




「おはようございまーーーーす!!」




バタン!




「ーーーーーあぁ。おはよう、クロエ」


「あれ?今日はグレイさんだけですか?」




キョロキョロ周りを見ても、愛しのあの人の姿が見えない。


ここ最近はずっとレオの訓練と書類業務で、騎士院にいることがほとんどだったのに、今日は残念な日のようだ。




「ーーーーーー団長なら、王子の警備の件で王宮に呼ばれていたぞ」


「ふーーーん、王宮に王子の警備の件でですか」




さすがはジークフリート様!!


王族の警備を任されるなんて、実力と信頼があったればこそだ!


そっか、王子様の警備かぁ〜〜。


確か我が国の王子様はーーーーーーー。





「あ、アルフレド王子の警備ッ!?!?」


「ーーーーーーあぁ。そうだが、どうかしたのか?」


「すいません!今日はこれから王宮に行ってきます!!」


「あ、おい!クロエ!!」




バタン!!




頭をグレイに高速で下げて挨拶を済ませると、勢いよく扉から出てそのまま王宮に向かって走り出す。



「ーーーーークロエが王宮に?何しに行くんだ?」



残されたグレイは、不思議そうにクローディアの去った扉をしばらく見つめていた。






しまったぁぁぁぁーーーーーー!!!!




まさか、こんな大きなフラグの存在をうっかり忘れてしまうなんて!


アルフレド王子の護衛=死亡フラグは、団長ルートではお決まり中のお決まりだ。


アルフレド王子は王位継承権一位の王の第一子。

今は病気で療養中との噂が流れている、第一王妃マーサ様とアレキサンダー国王との1人息子。


そして、今この国には第二王位継承権を持つ、アルフレドの弟の『ラファエル』王子がいる。


マーサ王妃が療養中になり、アルフレド王子も病気がちな為とのことで、第二夫人『アビゲイル』様が今も立場は日本で言う側室であるが、権限は正王妃と変わらない状態になっているという。


このアビゲイル様を筆頭とした第二王子勢力と、マーサ王妃を慕いアルフレド王子を次代の王にとの勢力が何年もぶつかって、影で暗殺・暗殺が行わられてるーーーーーーというのが、ゲームのよくある定番な内容だったはずだ。


その被害者であるアルフレド王子は日々襲われる暗殺未遂等で人を信じられなくなり、その心を温かい心で包み込んで変えていくのがローズの役目。


今回、私の役目は彼の人を信じる気持ちをもう少し広くさせて、ジークフリート様以外にも信頼ができて護衛が任せられるようにすること。


つまり、保育園で言えば親の愛情を受けられず、人を信じられない子どもの親代わりとなり、信頼できる基地となり、そこから広い世界へ進む子どもたちの背中を押すことと、近いものがあるんじゃないかと思ってはいるんだけど。


これはつまり、私が彼の信頼を勝ち取り、親代わりにはなれなくとも、安心する基地にならなくてはならないのでは??



「・・・・・・えっ?これって、結構難しくない?」



純粋でピュアピュアな子どもなら、一応経験値も積んでスキルレベルはかなり上がっているものの、大人相手、しかも色々こじらせひねているだろう男の人を相手にとか、全然分からない!!


そんなハイコミュニケーションスキルなんて持ってない!


あれか、ナウ○カ様を召喚すればいいんですか??



ちょっと王宮まで走りながらですが、例のアレをお願いします!!





カンカン!!




議長『えぇ〜〜大変久しぶりではありますが、緊急会議を始めます!!意見があるものは、即挙手で!!』



『はい!!つまり今回は、アルフレド王子を攻略するってことでしょうか?』



議長『確かに!!ゲーム内で攻略相手はある程度攻略しないと、話を聞いてもくれない上に選択肢もどれも微妙な反応過ぎる!』



『はい!アルフレド王子の恋愛攻略は、全く興味はないです!』



議長『確かに!!攻略したいと思う前に、ジークフリート様に一直線だった!』



『はい!王道なら、ヒロインローズに任せたいです!』



議長『確かに!!だが、ローズはまだあと半年以上出てこない!!』



『はい!確か、アルフレド王子は王道でありながら、クリア条件ステータス等は攻略相手の中でNo.1のハイレベルだったはずです!!』



議長『その通りだ!!』



『はい!他ゲームのとき○モGの王道のあの人にも、我々はハイステータスな為に初めてすぐに挑戦したものの、3回はノーマルエンドに涙を飲んでいます!!』



議長『た、確かに!!』



『はい!それなら多少好感度が上がって『友達』になったところで、恋愛コースの扉は絶対に開かれないのではないでしょうか??』



議長『その通りだッ!!!それでは諸君、今回の作戦はアルフレド王子の信頼を得て友人となり、他の人への信頼を得るための友情拠点となること!以上、検討を祈る!!』



『『ラジャーーーーーッ!!!』』




「・・・・・・よし、決まった!!」




とりあえずの目標が決まったところで、初めましてだが外観はとても懐かしい王宮がようやく見えてきた。


ナーサディア様の神殿の時と同じように雰囲気はゲーム通りとはいえ、迫力は全然違う。


荘厳で偉大な雰囲気に包まれた、世界遺産の写真でしか見たことがない本物のお城が目の前に現れた。




「・・・・・すごい。そういえばゲームだと、この中に住んでたんだよね」




城の門番をしている、兵士2人も懐かしい!


右側の鼻の下にヒゲを蓄えた、眉毛も目つきもキリッとさせて、背は低めなものの恰幅のいい体格を銀の鎧で包み込んでいるのが、『カッシュ』さん。


そして左側の背の高い、カッシュよりは年若いひょろっとした風貌のいつでも眠そうな顔で銀の鎧を着ているのが『ハルク』さん。


いつだって城を出入りするローズに元気よく挨拶をし、快く送り出し迎え入れてくれた顔なじみの2人だ。



「お、おはようございます!!」



とりあえず、挨拶から。




「あぁ、おはよう!うん??見ない顔だな。我が城に何の用だ??」


「おはようございますであります!!確かに、自分も見ない顔であります!!」




ま、まぁ、そうですよね。


あれ?なんか私大事なことを忘れてる?




「いえ、あの私、街のステル・ララの者でして」


「おぉ!!あのステル・ララ!!わしはあそこの煮込んだ肉が大好物なんだ!!」


「自分も、ステル・ララの野菜と肉のスープが大好物であります!!」


「そうなんですか!ありがとうございます!!」




まさかこんなところまでステル・ララのファンがいるとは!!


お母さん、ナイス!!




「あの、実は・・・・!」


「だが、一介の街のものを簡単に中に入れるわけには行かん!今日は城への来訪を許した者がいるとは聞いていないのでな!出直してこい!!」


「出直してこい、であります!!」




ガシャン!!




私の前に、2人の門番が持っていた剣を交差させて入り口を塞いだ。




「・・・・・で、ですよね〜〜すみませんでした」





しまった!!



ついつい死亡フラグの為にと感情のままに勢いと、一方的な懐かしさで何も考えずに来てしまったが、今の私はただのモブ。


ゲームの時の私は主人公ローズ。


聖女候補として、城に住みながら王妃教育と同じ勉学を励むものとして城の者からも大事に扱われていた。


もちろん城の出入りどころか、どこに行くにも自由だ。


あの時と今では、立場も扱われ方も当たり前だが全然違う。



「・・・・・どうしよう」



こういう時、頭のいい主人公なら策の1つや2つでもすぐに思いついて、言葉や行動で色んな工夫をするのだろうが。


私は悲しいかな頭はよくない。


とりあえず、私は城の近くの噴水のところに腰掛けて大きなため息をついていた。




「はぁ〜〜〜〜〜」




忍び込むにしてもそんなスキルがない私はあっという間に捕まって、牢屋にまっしぐら。


門番に色仕掛け?いや、色のいもないペタンコーーな私じゃお笑い者にされて終わりだ。




「・・・・ちょっと、そこのあなた」




マーズで飛んで空の上から行く?

いや、それは完全なる不法侵入だ。見つかれば、牢屋か下手をすれば討ち死に。


これじゃあジークフリート様の死亡フラグを折るどころか、私の死亡フラグしか立ってない!!




「ちょっと、あなた聞いてますの?」


「死亡フラグが・・・・・って、え?」




ようやく、目の前に誰かの影がかかっていることに気づき顔をあげると、そこにはとんでもない美少女が胸の前で腕を組みながら私を見下ろしていた。




「あなたは・・・・・!」




そこには、胸まである美しい紫色のボリュームのある縦ロールの髪と、キリッとした猫の目のようにつり上がった深い紫の瞳をし、豪華だが気品ある深い紫と薄いラベンダーの色の薔薇をあしらった見事なドレスをバッチリ着こなした若き貴婦人が凛としたいでたちで立っている。



そう、ゲームの中でローズと同じく聖女の証を持ち、次期王妃として幼い頃から王妃教育を受けてきた、ローズのライバルキャラにして街の女性『憧れの君』。



そして、あのアルフレド王子の婚約者。




「あなた、このエリザベート・サラ・デ・グラッツィアの声が聞こえないなんて、いい度胸ですわね」



「!!??」



まさかのローズのライバルキャラである、エリザベートことエリザベス嬢が私の目の前でふんぞりかえっていた。





出そう出そうと機会を見ていて、ようやく登場させられたエリザベス様てす。


世に溢れている悪役令嬢ポジのお方ですが、話のテーマが今回は違うので悪役ポジではない令嬢になる予定です

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