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モブ女子、寝ている場合じゃありません!

今回も読んでいただき、ありがとうございます!


白い魔女との最後のターンです



自分のコレクションの置かれたその部屋で、この炎の鎖が体に巻きつかされてから一体どれだけの時間がたったのか。



何か動こうとすれば、この紅と黒のマダラ模様をした鎖はギリギリとより締め付けてくる。



そして、私を見張り続ける炎の鳥。



あの鳥は、燃え盛る炎を身に纏ったあの女を思い出す。



この私を封じた唯一の女、赤い魔女・ライラ。


彼女のせいで、私は音も光もない、自分しかいない孤独の暗闇に突き落とされたのだ。




男を氷漬けにして、何が悪い!!



裏切ったのは男の方が先だ!!




私を愛しているといいながら、私の体にその男の温もりを刻みつけ、私の心に存在を染み付けていったのに。


最後には私ではない女の元へ行き、私ではない女に愛を囁き、別の女の身体を抱き、私の心をズタズタに引き裂いた。



待っててくれって、そうあの人は言ったのに。



待っても待っても、あの人は結局帰ってこなかった。



どれだけ泣いても叫んでも、私の思いは届かなかった。




男の言葉は信用してはいけない。




なら私を裏切れないように、私から離れないようにーーーーーーー氷漬けにしてそばに置いたらいい。


それが私が男に裏切られた末に出した、私の応え。





私を最初に愛し、裏切った男は氷漬けにした後ーーーーーーー粉々に砕いてやった。




許してくれ!君を今も愛してるんだ!


本当に好きなのは君だけだ!




そんな、今更な言葉を吐くあの男が、徐々に凍らされていくことに苦しみ、嘆き、絶望していく姿を見ていた時は快感に打ち震えた。



女は男に都合のいいように利用されて、捨てられてーーーーーーー泣いてるだけなんて、もうたくさん!


今度は私の方が男を利用し、男が2度と裏切れないように氷漬けにしてから一生愛するのだ。




そうすれば、もう裏切られない。


傷つくことはない。





なのに、なのにライラはその私を間違ってると否定し、この私を封印した!!


私を殺せる力を持ちながら、あの女は私を封じたのだ。


あんな屈辱的なことはない!!





「・・・・・ライラ、許さないわ」




その部屋に、白い魔女の言葉が静かに響く。



そしてその部屋に新しい来訪者が現れる。




「・・・・・来たわね」




闇の中から、男2人とその1人に抱えられたこの火の鳥の主人と、火の神ボルケーノ様。



【白い魔女。いいえ、レイラ】



抱えられた女の胸元が赤い光を放っており、あの女の声はそこから聞こえた。



「その声は赤い魔女・ライラ。久しぶりだわ、本当に」



【久しぶりね、レイラ】


「私を、封印しに来たのね」


【えぇ・・・・今のあなたを放っておくわけにはいかないわ】


「ーーーーーーーー」


【クローディアちゃん、この炎の鳥を使わせてもらうわね】




ライラの言葉に、炎の鳥が反応して首をかしげる。





【・・・・シール・ズィーゲル・フレイム】





ゴオォォォッ!!!





「ーーーーーーー」





白い魔女・レイラの周りを囲むようにして炎が巻き起こる。



懐かしい光景だ。



以前に封印されたその時にも、同じように炎に包まれた。



ライラ、私を封じるならば封じるがいい。



だが、今度は1人ではいかないッ!!




「・・・・・・フフ」




狙うは1人のみ!!


かっ!!と白い魔女の目が大きく見開かれる。




「アムレート・マレディツォーネッ!!」



【これはっ!!】



白い魔女・レイラから、残っている全ての魔力を込めて放たれたのは、青と黒の禍々しいオーラを持った、ドクロの仮面を被り大鎌を持った死神が現れ、そこに向かってまっすぐ飛んでいく。


すぐさま動こうとしたレオナルドの足には氷でできたツルが素早く巻きつき、ボルケーノには氷の壁が瞬時にして周りに現れる。



『クソッ!!!こんなものすぐに!!!』


「い、いつのまにっ!!」




そして、そのスキに死神が飛んだ先には、黒髪黒瞳の鎧を来た男性。



「!!??」



死神が鎌を振り上げてジークフリートに襲いかかったその時、彼女が動いた。


自分の体を抱えてくれていたジークフリートを突き飛ばし、庇うようにしてその大鎌の前に両手を広げて立つ。


どこにそんな力があったのか、強い衝撃を受けて後ろに吹き飛ばされるジークフリートの目の前で、彼女の体は光にも炎にも見える青黒い死神の鎌が体を通る。



その瞬間、彼女はそのまま地面にうつ伏せになった状態で倒れた。



ジークフリートの瞳には、自分を庇うようにして立った彼女の背中だけが焼きつく。





ーーーーあなたは、どうか生きてーーーー






あの人と全く同じ、背中が。




「フフ・・・・やっぱり。あなたなら、そこを狙えば必ず動くと思ったわ!!」



【レイラッ!!!】





ゴオォォォーーーーーーッ!!!!





白い魔女・レイラを包む炎がさらに勢いを増し、彼女を容赦なく包み込む。




「さようなら・・・・姉さん」




炎の中で消える最後の一瞬だけ、笑った。




【レイラァァァーーーーーッ!!!!!!】




そして炎が消えた後には、レイラの体はどこにもない。





本当に、一瞬の出来事だった。






白い魔女さんも、もっと掘り下げてあげられたらよかったなと書いてから思いました。


赤い魔女さんとのやりとりも、番外編とかで過去のやり取りができたらな〜と、今は思ってます!

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