モブ女子、今助けにいきます!
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!
イヴァーナさんとの対決の時がやってきました!
『氷神のイヴァーナ』は、青い光を放ちながら吹雪の中で静かに佇んでいた。
その表情には色が無く、感情の見えないその瞳が、冷たい眼差しでボルケーノを射抜く。
『イヴァーナ!!もうやめよ!!』
『・・・・・許さない』
ドガァァァーーーーーーーーッ!!!!
もう何十回目になるのか。
イヴァーナが放った氷山の無数の塊と、ボルケーノの大きな炎とが激しくぶつかって空が大きな光を放った。
『くっ!!お前に何があったのだ、イヴァーナッ!!!』
『許さない・・・・・殺す』
今度は前方からだけではなく、四方八方から鋭い氷の刃がボルケーノを襲う。
『イヴァーナァァァーーーーッ!!!』
ボルケーノを中心として、大きな炎の龍が現れイヴァーナの生み出した氷の刃を次々と打ち壊していくが、死角からの刃が防ぎきれずにボルケーノの身体に突き刺さる。
『グアァァァッ!!!』
『許さない』
『ハァ、ハァ・・・・イヴァーナ』
ボルケーノの脳裏には自分が封印される前、もう何百年前になるが、その時のイヴァーナの姿が映る。
『ボルケーノ。確かに人間は愚かな者も多いが、私はやっぱりーーーーー人が好きだ。叶うなら、私はずっと見守っていきたい』
彼女の心根と同じく、どこまでもまっすぐな眼差しで自分にそう笑って告げた。
『・・・・・・イヴァーナ』
『全てが、憎い』
何がお前をそこまで変えたのだ?
どれだけ人間の愚かで残酷な姿に傷つき、裏切られて何度心を痛めようとも、最後にはそれでも人が好きだと。
悲しみの全てを受け入れた上で、それでも笑顔で話していたお前が、なぜーーーーー??
『許さない』
これまでの、何倍もある大きな氷山がイヴァーナの頭上にあげた手の上に作り出された。
『イヴァーナ・・・・ッ!!』
何かを決めた表情のボルケーノが、手のひらに深く赤黒い、巨大なエネルギーを凝縮した炎の塊が渦を巻いて大きくなっていく。
やはり、お前を傷つけぬままでは止まらぬか!!
許せ、イヴァーナッ!!
『ーーーーーー死ね』
『イヴァー・・・・・・ッ!!!』
そして、イヴァーナがその氷山をボルケーノに向かって放ち、ボルケーノもイヴァーナに向けてその黒炎の塊をぶつけようとしたその時。
何かの影がボルケーノの前を素早く現れ、ボルケーノを庇うようにして立ちはだかった。
ドガァァァーーーーーーーッ!!!
その瞬間、辺りには大きな衝撃音と衝撃波が生まれる。
「・・・・・・ボルケーノ様。微力ながら、ともに戦わせて頂きます」
『おまえはッ!!』
「ボルケーノ!!大丈夫ッ!?」
『あ、主よッ!!』
目の前にはボルケーノに向けられた巨大な氷山を真っ二つにした、大きな黒いマントを風にたなびかせた黒い鎧の騎士ーーーージークフリートと。
顔中で心配の感情を隠さずに、今にも泣きそうな顔で我の身体に飛びついてきた、我が主のクローディア、そしてその友人であるレオナルドがその後ろから現れた。
イヴァーナ、お前が愛した人間と我は今ともに在るぞ。
あの時はお前の心に寄り添うことはできずに笑い飛ばしていたが、今は少しなら分かるのだ。
封印されながらではあったが、我も人を見続けた。
久しぶりに、お前と色々な話がしたい。
『ーーーーー許さない』
『イヴァーナ・・・・・ッ!!』
だからこそ、今はお前を絶対に取り戻す!!
最初は白い魔女がそのポジションで、彼女は姿形もなかったことを思うと、不思議な感じがします。
彼女の登場のために、今回のボスだったはずの白い魔女が一気に小物になってしまいました。




