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モブ女子、いじめてあげる

ブラック・クローディア降臨!!!


書いてる私まで、どこまでやっていいのかハラハラしてしまいました!


いつも読んで頂き、ありがとうございます!

ブラックさんも喜んでます!たぶん


その場所は、暗く明かりがあまりないものの、そこにある無数の氷の石像が内側から光を放っているため、とても明るく感じた。



石像は形があるだけのものから、中に氷漬けにされた本物が混じっているものまで、様々な生き物のそれと、それを模した偽物とが見事な造形として並んでいた。



その真ん中の大きな、氷でできたアンティーク調美しい椅子にしなだれかかっている女が1人。



女は陶器のように美しい白い肌に、髪は長く白銀の色を持ち、その真白の肌を水色のガウンのようなもので覆っていた。


唇だけがそのなかで異彩を放つほど紅く、毒々しいまでに深い色で主張をしていた。



そして、女の持つ灰色の瞳は、目の前にあるできたばかりの新作の氷の石像にうっとりと目を奪われている。





「ンフフ〜〜♪やっぱり、私の目に狂いわなかったわね!レオナルドはいい男だわ〜〜この、大人になりきる前の青年の一瞬の美しさがすばらしい〜!」




先ほど氷漬けにされたレオは、氷のなかで今もなお苦しそうに顔を歪めている。




「しかも、この苦痛に歪んだ表情がまたいいのよね♪こうして見てるだけで、グッときちゃうわ〜〜!」




女ーーーー白い魔女と、周りから呼ばれる女は頬を紅く染めながらレオの姿に身悶える。


ここは彼女が作り出した、彼女しか出入りの許されない異空間。


そこを邪魔しにくるものなど、滅多にいやしない。



いや、1人だけ自力で辿り着いたものがいたから、気をつけるべきはそいつだけだ。






だが、その静寂が支配していた時間が唐突に終わりを告げる。





パッリィィィィーーーーーンッ!!!




「な、何事ッ!!??」




今のは、遠くで氷がくだけ散る音だ。





ガッシャァァーーーーンッ!!





「!!??」





そして、もう一度。




「こ、これは、石像が割られてるッ!?」




私の大事な石像がっ!!


いや、この空間に、いつの間に誰が入ったというのッ!?





パッリィィィィーーーンッ!!!



ガッシャァァーーーーンッ!!!





そして、次々と本物が入っていない石像ばかりが音を立てて砕け散っていく。





「だ、誰なのッ!?こんなことするのは!?出てらっしゃいッ!!」




姿が見えないのに、強い殺気と威圧感だけがどんどん迫ってくるように強くなり、白い魔女はありえないほどの恐怖を感じた。



ま、まさかあの小娘ッ!?


いや、あの小娘は妙な魂の色はしていたが、こんな恐ろしい気配は持っていなかった。


こんなに自分が心の奥底から震え上がるのは、あの女以来ただの一度もない。


確かに似ている部分もあるものの、絶対にこれはあの女のものではない。


あの女の気配なら、この私が読み間違えるはずがないからだ。



では、一体誰が私の宝物を壊しにきたというのかッ!?






「・・・・・初めまして。白い魔女さん」




ゴオォォォ!!




「ウギャァァァーーーーーッ!!!」





声が耳に届くと同時に、私の右の手が勢いよく赤黒い炎で燃え上がる。


熱さと痛みが同時に激しく襲いかかってきて、白い魔女は膝を床について痛みに悶え苦しんだ。




「い、痛い!痛い!!なんなの?!なんなのよこの炎はッ!!!」




炎が消えた後、右手は黒焦げになって骨まで燃えており、ほぼ再生不可能な状態だった。




「わ、私の美しい手が!!私の白く美しい手がァァァーーーーーッ!!」



「まだ、手の一本じゃない。これからもう一本も足も、全部燃やし尽くしてあげる」



「お、お前はッ!!??」





床に膝をついて、何者かの陰に反応にて見上げた白い魔女の前には、今も瞳孔が開ききった薄い笑みを浮かべて静かに佇む、クローディア=シャーロットがそこにいた。


その肩には、全身が赤黒い炎でできた体を持つ大きな鳥がおとなしく乗っかっている。





「こ、小娘!!貴様がなぜここに!?まさか私の幻影を打ち破ったというのッ!?」



「・・・・そうそう、ずいぶんステキな幻を見せて頂いたお礼がまだだったね」





ニコッと口元だけ笑ったクローディアが、右手をグッと握りしめると、白い魔女の手足に赤黒い鎖が四方から巻きつき、縛り上げた。




「!!??」




その鎖はどれも熱せられた鉄板のような熱さを誇り、白い魔女の皮膚を焼く。





「ウギャァァァーーーーーッ!!!」



「・・・・ねぇ、白い魔女さん?」





クローディアは、あまりの痛みに悶絶する白い魔女の目の前に座り込むと、冷たい目線で見下ろした。





「私の可愛いワンコと、守り神はどこへやったのかな?」




ニッコリと、また口元だけで笑う。





「ひ、ヒイィィーーーーッ!!!」



「ずいぶんとイタズラが過ぎたようだけど」



『ずいぶん、おいたが過ぎたようね♪』



「!!??」



目の前の女と、記憶に刻まれたあの女の姿が被る。


そうだ、あの女も確か炎を扱っていた!




「そろそろ、私の大切なものを返してもらえるかな?」



『返してちょうだいね♪私の愛しい人を』




そうだ!

あの瞳孔が開ききった目も、恐ろしいあの女と同じ!!





「か、返します!!今すぐお返ししますッ!!」


「!!??」




白い魔女が、叫ぶように言い放った言葉のすぐあと。


何かが動いたような音とともに、クローディアの後ろでドサッと何かがゆっくりと床に倒れた。




「・・・・・・レオッ!!!」




レオの姿を認めたその瞬間、クローディアの瞳に光といつもの感情がそのまま映る表情へと戻り、すぐさま倒れたレオナルドの元へと駆け寄って、彼の体を抱き起こす。


今だけは白い魔女の方に、意識が向いていない様子だった。







「・・・・・・・ハァ、ハァ、ハァッ!」




だが、まだ油断は出来ない。


体の四肢を縛る炎の鎖はきつく巻かれたままであり、このままではあの時と同じように封印されるか、最悪殺されてしまうのが目に見えている。



チャンスは一度きり。



あの時はそのチャンスすらもなかったが

今回は逃しはしない。



もし私の予想通り、この小娘があの女の関係者ならーーーーーーこれでようやく私の復讐が叶う。





「・・・・・・・フフ」





白い魔女の怪しく光る瞳が、目の前でようやく再会を果たした男女に向けられる。




チャンスは一度きり。




決して、逃しはしない。



ようやく、レオ姫と会えたクローディア王子!!


ブラックさんのままで会ってたらどうなってたんだろう??と、ちょっとだけ考えてみました。


あれ?レオならいけるか??なんちゃって

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