モブ女子、選択肢は最初から決まってます
読んで頂き、ありがとうございます!
主人公がいる話を書くほうが、いない時よりもなぜか安心してかけていることに気づきました。
なんだかんだ彼女がいると、私もほっとするのか、ただ単に書きやすいからだけなのか。
両方ですかね?
どうしようーーーーーッ!!??
なんでこんなことになっちゃったの!?
『我が眠りをじゃまするのは、お前達か?』
いえいえ、どうぞ我々に遠慮なく二度寝をなさって下さい!!
今すぐに!!
布団ならありったけ用意しますから!!
「くっ!!ドラゴンがなぜこんなところに!!」
団長、あれはただのドラゴンじゃないんです!!
「クローディア、俺の後ろから離れるんじゃないぞ!」
「は、はい!!」
私を守ろうとしてくれるあなたにはときめきますが!!
そんなことをしてる場合じゃない状況が、心から喜びきれない〜〜〜!!
『下賤な、人間めが!!』
グオォォォォーーーーーーーーッ!!!!
非常に怒った様子のブラックドラゴンが、激しい炎を吐いて、それが戦いの始まりの合図となった。
カキン!!ガキンッ!!
『フハハハッ!!どうした人間よ!!そのなまくらな剣では我の体にかすり傷1つ負わせられぬではないか!!』
「・・・・くッ!!」
あぁ!!どうしよう!!
ブラックドラゴンは普通の物理攻撃がほとんど効かない、メタ○スライムみたいなやつで、攻撃方法はほぼ物理攻撃しかない団長との相性は最悪だ。
会心の一撃って、現実の場合はどうやってだすんだっけッ?!
『フハハハハッ!!無力な人間どもだが、そこの小娘は面白い魔力を持っているな。あとで我が喰ろうてやろう!!』
「!!??」
いやいやいやいやいや!!!
私なんて全然美味しくないですよ、ブラックドラゴンさん!!
こんなゲテモノ、お腹を壊しておしまいですって!!
「クローディアを喰らうだと!?そんなことをさせてたまるものかッ!!」
『!!??』
あぁ!!
団長の剣がついにブラックドラゴンの鱗にッ!!
カッッキーーーーーンッ!!!
弾かれたぁぁぁぁーーーーーーーーッ!!!
そこはグサッ!!っと行くところじゃないですかッ?!
私のことで怒りに燃えた団長の、必殺技か会心の一撃が出るところですよねッ!!!!
『フハハハハッ、愚かな人間が!!我に逆らうなど、100万年早いわ!!』
「くっ・・・くそっ!!!」
ギャァァァーーーーーーー!!!
だ、団長がついにブラックドラゴンの手に捕まってしまったぁぁぁぁーーーーーーーッ!!!
『小僧、もしあの小娘を我に渡すのなら、お前の命だけは助けてやっても良いぞ??』
「な、何だとッ!?!?」
「!!??」
あ!分かった。そっか、これ。
ゲームで見たことある場面だ!
聖なる印を持つローズを捧げるならと、ブラックドラゴンに取引を持ちかけられた団長が、そんなことを誰がするかッ!!!
と怒って、ローズにお前だけは逃げろ!!というイベントの場面。
その後に『逃げる』『逃げない』の、2つの選択肢が現れる。
ローズが『逃げる』を選び、泣く泣くその場を離れると、団長がブラックドラゴンに殺されて死亡となりバットエンド。
ローズのステータスが高く、『逃げない』を選ぶとローズがブラックドラゴンに必殺技を決めて、見事にイベントクリアー!
ステータスが低くて、『逃げない』を選ぶと。
「・・・・・・」
どうなるかは、充分分かってる。
だって何回もそのルートエンディング見たもの。
ほら、もうすでに恐怖で足元が震えてるよ。
ここはゲームの世界じゃないから、選択肢を間違えてもコンテニューはできない。
死亡しても、命は1つきりだから『生き返る』こともできない。
もしこの選択をすれば、私は多分そうなるだろう。
私はステータスなんてほぼないモブだ。
でも、それでも私はーーーーーーッ!!
「ジークフリート様!!私はどうなっても構いません!!だから、あなただけは逃げてくださいッ!!」
「クローディアッ!!」
私はあなたに生きていて欲しいから、
『逃げない』を選びます。
ゲームの中の選択肢を間違えても、すぐに戻れる機能があったりと、今はとても便利なですよね。
現実でもそんな機能があったら!と思いますが、そうしたら、やり直しをやりすぎて人生が全然進まないような気もします。
選んで決めるからこそ、進めるんですね。




