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モブ女子、新しい装備の特殊設定

今回も読んで頂き、ありがとうございます!


今回はオマケ的な感じで短いですが、よろしくお願いします!

新たな武器と防具(足元)を装備し、装備品の特殊設定の呪文を口頭だと発動してしまうからと頭に直接伝えられると、最後に武器『水龍の剣』に備えつけられている特殊設定についての説明がウンディーネ様より行われた。



「この剣にはわたくしの水の魔力が込められており、主であるあなたであればその魔力をイメージ次第で本来の魔法と同じように扱うことができます」



「す、凄いっ!!」



「あなた次第で攻守どちらにも活かすことが可能ですが、剣での攻撃に不慣れなあなたにはしばらく防御に徹した方が良いでしょう。アクア・ヴァルナ・プロテクト!」


「!?」



ウンディーネ様が何かの呪文を唱えると、水龍の剣から大量の水が空中に向かって吹き出し大きな水球を作ると、クローディアの頭上へとそのまま勢いよく降ってくる。


頭から水に包まれ、息ができない!?と口を両手で押さえながらパニックになりそうになるが、水はすぐさまその場から消えてしまった。




「・・・・・・・あ、あれ?」




体のあちこちに触れてみたがどこにも濡れたような後はなく、その代わりに全身がどこかだるいような動きにくさを感じる。


一瞬とはいえ、水の中に頭から体が包まれたせいだろうか?



「今の呪文によって、その剣に込められた魔力の全てをあなたの守護に当てました。その為、今のあなたは水のヴェールに包まれると同時に水中にいる時のような負荷を感じているはずです」



「ありがとうございます!はい、体がいつもより重く感じます」



「それで良いのです。この先、守るだけでは勝てないピンチに陥った際には守りの呪を解き放ちなさい。さすれば、それまで負荷のかけられたその体は羽のように軽くなり、知らぬ間にその肉体も鍛えられていることでしょう」



「!?」




こ、これは、まさかの筋肉養成ギブスっ!?




見た目にそれがわからないのは有り難いです。


ごつい鎧を着る羽目になったら、さすがに辛い。


ゲームのプレイヤーとしては、何で女キャラは高レベルの装備が身につけられないのかとかなり文句を言っていたが、現実的にあんなにクソ重い鎧を着て素早く動けるわけがない。



以前、試しに騎士院にて鎧を持たせてもらったことがあったが、両手で持つのもかなり辛かった。




「あ、あの!ちなみに、守りの場合はどんな風に 魔力が対応するんでしょうか?」



常に防御力アップか、魔法を跳ね返すバリアがはられているような感じだろうか?



「それは、あなた自身の目で直接確かめた方が分かりやすいと思いますよ?」


「・・・・・は、はぁ」




つまり、実際の戦闘の中で確かめろってことですか。


できれば、モンスターと戦う前にある程度の自分が待つ能力を把握できたらと思ったのだけれど。




いや、まてよ?




別にモンスターとわざわざ自分から闘いに行かなくとも、己を鍛えられる絶好の場所があるではないか!





突然、何かに閃いたクローディアは嬉しそうにスキップをしながら辺りをくるくると回る。


途中、面白そう!と目を輝かせたアイシスが風の魔法をクローディアにかけ、思ってた何倍もの速さと回転数で一気に回されてしまい、血の気が引いた青白い顔をしたクローディアがそのまま床へとぶっ倒れた。



さながら、スピンをかけたアイススケートオリンピック選手のラストフィニッシュを飾るかのような素晴らしい回転速度。



三半規管が元々強くないクローディアからしたら、遊園地のコーヒーカップで思いっきり回された後よりさらに辛い。



「・・・・・・・アイシス、お前は相変わらず加減を知らないな」



「えぇーーーー??だって、クローディアちゃんが楽しそうに踊ってるから、風の精霊達も一緒に遊びたいってすごく張り切ってるんだもの!」



「それは多分一緒にではなくて、彼女で遊びたいと言ってると思うんだが?」



「え?何か違うの?」



「・・・・・・・・・・全然違う」



「???」



今もキョトンとその大きな瞳をパチクリさせながら、不思議そうに頭を傾げるアイシスに向かってカルロは思わず苦笑を浮かべ、2人の下ではあまりに目を回したクローディアがついには泡を吹いていた。












何とか意識を取り戻したクローディアが『水の神殿』から無事に出てアルカンダル王国へ戻ると、ウンディーネ様から頂いた武器と防具を装備したまま急いで『ある場所』に向かって駆けていく。



普段は何度も走り抜けている、通い慣れたはずの道が今は体にかけられた負荷の為すでに息がきれていた。


これからクローディアがこの負荷に体が慣れてくると、その設定を私がうっかり忘れないか不安です。


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