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モブ女子、喉の渇き

いつも読んでいただき、感謝です!!


今は部屋にいても熱中病になる、厳しい環境だからこそ自分の健康管理がすごく問われますね。



喉が、渇いていた。



途中で何度も水を飲んだ筈なのに、それ以上に汗で水分が体から出て行ったようで喉が渇きすぎて声が出ない。



目も、空かない。



そういえば、さっき視界がグラグラに揺れて体が地面に倒れた気がする。



起きたら、疲労だけでなくケガでもあちこち体が痛むだろうか?



そんでもってボルケーノの加護があっても、日射病とか熱中症ってなるんだろうか?



「・・・・・・ッ!」



意識がまだ朦朧とする私に、突然ひんやりとしたモノが口の中を潤していく。



冷たい。



これは水だ!



なぜか、口の中に自然と水が流れ込んでくる。



「・・・・・・・ッ」



ゴクッと、水を飲み込んだ音が私の耳にに響いた。


そして全身の渇きを癒すために、その水をどんどん飲み込み体の中へと入れていく。



おいしい。



なぜだろう?普段ガブガブ飲んでいる水よりも、おいしく感じた。



もしかしてこれは、私がさっきまで運んでいた『神水』だろうか?



もっと、もっと飲みたい!



私の声なき求めに応えるように、さらに水が口の中へと流れ込む。



冷たくて、気持ちがいい。



それに、不思議と冷たさと同時に何か温かいぬくもりも感じる。



なんだろう?



いや、今はただこの水をもっと飲み干したい。



喉の渇きが、まだまだ欲しいと水を求める。



「・・・・・・ッ!!」



そして、さらに貪欲に求めた私がそばにあったそれをつかむとともに、手のひらに予想外の温度を感じたことにハッとして目を開けた。



「そんなにがっつかなくても、ちゃんとあげるよ?」


「・・・・・・る、ルーク?」



見れば、私がつかんでいた手の平の中にはルークの腕があり、超至近距離にルークのキレイな紫の瞳が瞬いていた。



「おはよ♪クローディア」


「・・・・・おはよ」



目と鼻の先、何なら息遣いもその長い睫毛の瞬きも感じるぐらいの近さ。




何でこんな近キョリに彼がいるんだ?




頭がぼおーーっとして、上手く考えられない。


何で起きたら彼の顔が目の前にあるのかも、なんで地面に倒れて寝ている今の自分の状態があるのかも、ちゃんと脳が働かないために把握できない。



「フフ・・・・・仕方がないなぁ♪」



私の様子を理解したルークは一足早くその場から起き上がると、すぐ隣にある水の入った瓶を私に向かって勢いよく振りまく。




パシャッ!!




「ギャッ!!!」



顔中がさらにびしょぬれなり、一気に意識が戻って慌てた様子の私にルークはニコニコといつもの笑みで先に歩き出した。



「ちょっ、ちょっと!!どこにっ」


「神水、運び終えたんでしょう?」


「う、うん・・・・あ、そっか!でも、こんな全身びしょ濡れで巫女さん大丈夫かな?」


「あの子、クローディアのことは見てないから平気じゃない?」


「・・・・・・そうですね」



運び終えたなら行く場所は1つだ。


それにルークの言う通り、彼女の視界に映るのは見目麗しい魔導師様1人。


体の汗も、顔中のびしょ濡れも歩いていれば自然と乾くだろうし、また追加で汗をかけば同じことだ。



それでも礼儀として、顔と髪の毛の拭ける範囲の水滴は持っていたハンカチでぬぐい取り、一応身なりを整える。



そして、2人は巫女様の家へともう一度足を運んだ。

熱中症に学生時代になったことがありますが、健康な時には信じられないくらい体が動かなくて、水も思うように飲めないことにビックリしました!

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