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モブ女子、敵の敵

今回も読んでいただき、ありがとうございます!


恋愛ゲームはどこへやら、って感じで冒険しておりますがよろしくお願いします!


次の日ーーーーーーー。



相変わらず私に狙いを定めて襲いかかってくるクロワッサリーの大群を背に、マーズでいつもより早く飛び回り島の周りをぐるっと何度も飛んでいると、クロワッサリーの群れの近くに毛色の違う別モンスターが紛れていることに気がつく。



「あれは・・・・っ!!」



クロワッサリーより一回りも二回りも大きく全身が焦げ茶色の羽の、鷲によく似たもちろんゲームに登場するその鳥モンスターの名は『トルティーガ』。



何だろう?パン好きなスタッフが名前をつけたんだろうか?



『トルティーガ』は『クロワッサリー』と違って単体で現れ、その強力な嘴や爪による単体攻撃と風を巻き起こして全体への攻撃をしてくる。


クロワッサリーの集団炎攻撃なら1発KOしそうだと考えがちだが、なんとこの『トルティーガ』は炎の耐性が大変に強く、炎属性の魔法はほとんど効かなかった。


だから、先ほどからトルティーガが恐らくはクロワッサリーの卵や雛を狙って側に飛んで来てはクロワッサリー達も応戦しているのだが、少し側を離れるだけで近くで機会をうかがっているのがよく分かる。



きっとあれが、ルークの言っていた『敵の敵』だ。


それならば、私のやるべきことはただ1つ。



今目の前には卵を狙いに来たトルティーガに対して、たった1人で応戦している勇敢なクロワッサリーがいる。



「トルティーガだけに狙いをすませて・・・・・行けっ!!」



氷の呪文で作り出した弓矢から、氷の矢をトルティーガに向けて放つ。



「グギャーーッ!!!」



クロワッサリーだけに警戒していたトルティーガに、なんの抵抗もせずにあっさりと氷の矢が命中した。


大きなダメージを与える為のものではなく、威嚇程度の挨拶だ。


そして、トルティーガの敵意が一気に私へと切り替わる。



「・・・・・・ッ!!」



トルティーガがすぐさま私への攻撃体制に入り、鋭い牙を光らせながら空中をすごい勢いで向かってきた。



「マーズ、お願い!!」



その速さは並大抵のものではなく、マーズがかなりの速さで避けて逃げてもその後ろからそれを上回るスピードで私たちを追いかけてくる。



「・・・・・あんたにやられるわけには、いかないのよッ!!」



そんなトルティーガに向かって氷の矢を何本も放ちそれが羽には当たるものの、怒りに我を忘れている?トルティーガはそのまま突っ込んできた。


トルティーガを殺すのを恐れるあまり、手加減し過ぎて足止めにならないらしい。



「くっ!!ちょっと痛いだろうけど、許してねッ!!主が求む、全てを凍てつかせろ!!真なる氷、フィンブル・ヘイル!!!」



仕方がないと腹をくくり、トルティーガに向かって吹雪を起こし氷づけにしてその体ごと包み込むと、海へとそのまま落下させる。


しばらくコールドスリープ状態になるだろうが、海の温度でそのうち解けるだろう。


その間に浮遊する天空島はここからいなくなるから、時間稼ぎにはなると思う。



「さぁーーて、他のやつらも凍らせますか!!」



自分なりの攻略法が見つかれば、後は繰り返し実戦あるのみ!!


そんな私の姿をクロワッサリーが攻撃の手を休めて見守っている。


その間に、3匹・4匹とトルティーガを氷の玉にして海に落としていると、天気の良かった空がだんだんと曇り始めた。



「・・・・・まさか、嵐?」



目を向けた黒い雲の集まるところから、黒い塊が向かっているのが見える。



「ち、違う!!あ、あれはっ・・・・!!」



先ほどまで襲われていたクロワッサリーの大群より数はだいぶ少ないものの、見た目的には恐怖しかないトルティーガの大群様のお出ましだった。



「る、ルーク!」


「うん♪がんばって」


「で、ですよね・・・・うぅぅッ!!」



やっぱり、まだ助けてはもらえなかった。


とりあえずはやってみろってことですか。



「マーズ。私も頑張るから、よろしくね」



共に戦う炎の鳥の頭を優しく撫でながら、私は覚悟を決めて立ち上がると大群のトルティーガをまっすぐ見据えた。


大丈夫。


幸いなことに、私の魔力は他の人よりも多いらしいから強力魔法を何発でも打てる。


第一の敵だったクロワッサリーも私への攻撃はだいぶ緩まってるから、今は目の前のトルティーガに集中すればいい。



「よしっ!!!」




バサバサバサバサッ!!!




その時、私が気合を入れて声を張り上げたと同時に羽ばたきが耳に響いた。



「・・・・えっ?!」



なんと、クロワッサリーの一羽が私の肩に止まり、その後ろからもクロワッサリーの大群が私に襲いかからず列をなして飛んでいる。


よく見れば、その一羽はトルティーガにたった一羽で応戦していたあのクロワッサリーだった。


彼?だけ瞳の周りに赤いあざ?ようなものが入っていて、特徴があった為によく覚えている。



「ピイィーーーーーーッ!!!」


「?!」



肩口のクロワッサリーが大きく鳴き声を響かせ、それがトルティーガとの戦いの合図となった。

クロワッサリーとトルティーガが交互に出てきて、何度か混乱しそうでした。


鳥モンスターVS人&鳥モンスターの戦い、スタートです!


恋愛ものなんですけどね、一応。

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